世界をわからないものに育てること――文学・思想論集

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 24
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000611480

作品紹介・あらすじ

理に落ちてしまうまえに、そのとき生まれた一瞬の驚きに立ち止まり、世界をわからないものに育てる-そういう時間をつくりあげてゆくことが、いまを生きる私たちにとって大切なのではないだろうか。『巨匠とマルガリータ』から『永遠の0』『東京プリズン』まで-同時代と歴史に沈潜し、文学の"現在"を浮き彫りにする。

感想・レビュー・書評

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  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  •  愛は勝つ心をひとつに花は咲く。社会を席巻する感動の制覇。棹させば流れを乱し摩擦を生む。どんな思想とも矛盾なく共存し着脱可能で愚劣なまでに操作可能なら抵抗もままならず社会の呼び声にせき立てられ沸点を低くして自らを一本化し人との一体化を求めたところやたら感動しやすくなった。大きな風が吹くと一斉に同じ方向に流れるなら、ただ小さく語るのみ。

    『熊谷直実の話が私を動かすのは、彼が、平敦盛の首を取ったということ。その平敦盛がそのとき、彼の子供とほぼ同じ年齢であったこと。そのことが、どうも彼を震撼させたらしいということだ。その震撼の内容がどんなものであったかを、知ろうとは思わない。 また、彼が法然の前に出たときに、もし法然に手を切断しろ、といわれたら、切断しようとまで、思い詰めたこと。そのため、罪に軽重なし、念仏のみで、「別の様なし」と言われたとき、涙がほとばしったという事実だ。その単純さが、手軽に理解=納得するなよ、と私に言うのである。』212頁

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著者プロフィール

加藤典洋(かとう・のりひろ)
1948年、山形県生まれ。文芸評論家。早稲田大学名誉教授。東京大学文学部仏文科卒。『言語表現法講義』(岩波書店)で新潮学芸賞、『敗戦後論』(講談社/ちくま学芸文庫)で伊藤整文学賞、『テクストから遠く離れて』(講談社)と『小説の未来』(朝日新聞出版)で桑原武夫学芸賞を受賞。『もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために』(幻戯書房)、『敗者の想像力』(集英社新書)、『戦後入門』(ちくま新書)など著書多数。

「2018年 『白井晟一の原爆堂 四つの対話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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