家計の経済学

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000611657

作品紹介・あらすじ

一国のマクロ経済における総需要の6割から7割を占める家計消費。景気や経済成長を論じるときにはこの家計の動向が鍵を握る。この本では日本の人口動態、家族形態の変遷から説き起こし、人びとの働き方、所得分配、消費・貯蓄動向を分析することによって、明治時代から現代まで日本人がどのような家計行動をしてきたかを示す。格差、貧困、労働経済など多岐に亘る著者の研究成果ここにまとまる。

感想・レビュー・書評

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  • 20174178エコノミスト掲載

  • 本書は「研究書」だと著者は後書きで述べているが小生のような「パンピー」でも充分興味深く読めた。
    日本の格差の歴史を正面から取り上げた本に、橋本健二の著作があった。あれは戦後史だったが橋本健二は最左派だなあと思いながら読んだ記憶がある。本書は明治以降から現在までを扱っているので格差の歴史の視座が広く、かつスタンスはニュートラルだ。
    日本の再配分構造についての諸外国との対比もわかりやすい。確かに現在の日本は格差社会になってしまっている。
    また「貧困をなくすため」の本書の諸考察も今後の日本が向かうべき方向性をはっきりと指し示しているようにも思える優れた提言に思えた。
    しかし本書の値段は¥4.800円、高い! 書名は「家計の経済学」だが家計には優しくない。本書の啓蒙版を安く新書で発行出来ないものかとつぶやいてしまった。

    2017年3月読了。

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著者プロフィール

京都女子大学客員教授,京都大学名誉教授
1943年兵庫県生まれ。
小樽商科大学,大阪大学大学院を経て,ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。京都大学教授,同志社大学教授を歴任。元日本経済学会会長。
専門は経済学,特に労働経済学。フランス,アメリカ,イギリス,ドイツで研究職・教育職に従事するとともに,日本銀行,経済産業省などで客員研究員を経験。
和文,英文,仏文の著書・論文が多数ある。
〔主要近著〕
『日本の構造:50の統計データで読む国のかたち』(講談社,2021年)
『教育格差の経済学:何が子どもの将来を決めるのか』(NHK出版,2020年)
『“フランスかぶれ”ニッポン』(藤原書店,2019年)
『日本の経済学史』(法律文化社,2019年)
『21世紀日本の格差』(岩波書店,2016年)
『フランス産エリートはなぜ凄いのか』(中央公論新社,2015年)

「2021年 『フランス経済学史教養講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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