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- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000611671
作品紹介・あらすじ
歴史研究を通じて現代世界と向き合うことを生きる姿勢として自らに課し、民衆思想の研究を中心に歴史学の方法と可能性を切り拓いた安丸良夫。雑誌『図書』の連載「戦後歴史学という経験」をはじめ、大きく転回しつつある時代を見すえながら書き遺された、歴史学の来し方と新たな方向性をめぐる最晩年の考察をここに集成する。
感想・レビュー・書評
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戦後の京都大学史学を代表する著者が歴史の諸先輩を論じる。1953年ごろの京大の宇治分校ののどかな情景が印象に残った。ここにもナカニシヤ書店の小さな分店があった!網野喜彦が神奈川短大で教えた際に、短大生を教えることがこれまでになく難しく感じ、宮本常一「忘れられた日本人」を教材として使ったという2人の繋がりが興味深かった。京都学派ともいうべき歴史家たち色川大吉、飛鳥井雅道氏らの紹介。日本のマルクス主義が近代主義の一種に変質し、区別が曖昧になっていたという指摘は、振返ってみてそのような結論になるということは非常に納得できることである。
鶴見俊輔「哲学論」その他の読書紹介も興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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