ジブリの文学

著者 : 鈴木敏夫
  • 岩波書店 (2017年3月29日発売)
3.56
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  • 本棚登録 :141
  • レビュー :9
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000611947

ジブリの文学の感想・レビュー・書評

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  • この人、好きです。

  • 思考のヒントの転がり。
    拾うか拾わないか。本を貪りたいときに何気なく手に取りたい書。
    単純にジブリのファンが読むだけでも期待どおりのエピソードが転がっている。

  • 778.77

  • 2017年7月9日に紹介されました!

  • スタジオジブリの生き様を見たような気がした。現代文学について鈴木敏夫氏が中心として語っていたが、ジブリ作品もまた文学作品である。現代文学にはもはや哲学は必須である、と鈴木敏夫氏は述べたが確かにその通りだと感じた。作品を通して伝えるということとは何か。現代文学の道を歩む人々に多大な勇気を与えてくれた気がした。

  • ◯人間の生き方には二つしかない
    人間の生き方には二つしかない。目標をもって生きる人と目の前のことにコツコツと取り組む人。自身は昔は目標を持たないと生きている感じがしなかった。それがいつの間にか、目の前のことにしゃにむに取り組むというスタンスに変わっていった。自分の思い通りにはならない世の中の厳しさを感じて、当初は消極的にこのような生き方になった。一種の諦めがあった。
    しかし、今はそれでいいと思えている。ある意味行き当たりばったりの生き方で、くるものを拒まず、前向きに生きる処世術と思えてきた。最初からこうと決め打ちするよりも、流れに身を任せている方が、生きている実感がある。流れに逆らうでもなく、流されるのでもなく、流れに身を任せて楽しむという心持ちだ。
    キャリアウーマンという働き方が出てきたときのこと、高畑さんが作品を作るにあたり「成功しなかった残りの95%の人はどうなるんですか?」という問いかけをしたという。これ普通の人への優しい眼差しを感じた。いつの世の中にも、不条理にたたされたり、大きな流れの中で圧殺される人がいる。自分も含めて、そんな人への応援を感じた。人は生まれる時代も家族も選べない。むごい現実から眼をそらさずに生きていけるかだ。
    ◯プロデューサー
    すべての企画は誰かの不純な動機で始まる。魔女の宅急便を仕掛けた編集者も、ある文学作品を映像化したいという個人的な想いで始めた。自分がやっているのに、自分がやっていない仕事だと、鈴木さんはプロデューサー業を評する。謙遜も入っているのかもしれないが、周りの人と協力してやらないと自分のやりたいことが実現できないという気持ちがあるのだろう。
    藤巻さんという人がいる。この人は仕事をぜんぜんしないが、宮崎さんや鈴木さんからものすごく好かれている。その人が「千と千尋の神隠しヒットしますよ。『もののけ姫」の半分はいくとみんないっている」と鈴木さんに言ったらしい。そこでぴきっときてから、宣伝や広告に全力を傾けていったらしい。何がきっかけになるかわからない。そういう一つ一つの出来事を、自分の物語の一部として取り込んで行くのが鈴木さんのすごい所ではないかと思う。たしかに、誰かに手痛いことを言われるとその瞬間はうっと思う。しかし、嫌なことはすぐに忘れてしまう。そして進歩がない。一つ一つの出来事を自分の中で消化して、行動につなげていく気持ちの強さがあるのだと思う。自分も他人に何かを言われたときに、それを流さずに自分の物語の中に取り込む姿勢があったほうがいいと思った。
    宮崎駿と付き合う方法と題して、新人監督の話が乗っていた。宮崎駿は自分の意見を横から言っては、その絵コンテをものすごいスピードで書き上げていくらしい。大概の人はそれで参ってしまうらしいが、この人は違った。自分のアイディアを持っていっては、質問をするというのを続けたらしい。そのうち、逆に宮崎さんが参ってしまって、作品作りに何も言わなくなり、その後新人監督は自分のペースでコツコツと作品を作り上げていったそうだ。自分の場合でも、上司にあれこれと言われたとしても、それに合わせるのではなく、あくまで自分の意見を持って上司に何度でも聞きにいく姿勢が必要だ。ある意味それが信頼の作り方という気もする。
    ◯建て増し
    ものごとを作り上げていくときに、日本人は全体からは作らないらしい。部分を積み上げていき、建て増しでつくっていくそうだ。ハウルの動く城やジブリ美術館が例として上げられていた。建築物でいれば、教会に対する長屋がある。部分を積み上げていくことで、結果的に西洋には真似のできないものが出来上がる。
    人生の進み方もそんなものかもしれない。行き当たりばったりに、自分のやりたいことやらなければいけないことをやってく。最初から全体を設計してそれに従って生きていくのではなく、目の前のことを一番に大事にする。
    自分はいまウェブの仕事をしているが、最近みたウェブサイトでは、言葉が一面に敷き詰めてありそれをクリックするとコンテンツにつながっていくというものがあった。カオスだった。しかし、どこか心地よかった。自分が仕事をしていく上でも、全体感に囚われすぎずに、半径3メートルで拾って生きたアイディアをどんどん形にして積足していくような方法を試してみようと思った。そのほうが自然な感じがする。

  • 鈴木敏夫さんの本は大体読んでるけど、いよいよネタの使い回し感というか、話の目新しさがなくて何とも。そうは言っても好きだから結局全部読むんだけど。

  • 「 どうにもならんことは どうにもならん どうにかなることは どうにかなる」

    鈴木敏夫さんの「ジブリの文学」という本からです。
    鈴木さんは、ご存知の方が多いかもしれませんが、スタジオジブリのプロデューサーで、宮崎駿さんとともに数多くの名作を世に送り込んだ方です。

    鈴木さんは1948年に名古屋で生まれ、東海中高から慶大へ進み、出版社勤務の後、アニメ雑誌の創刊に関わり、やがて宮崎作品の制作に関わります。1985年、タジオジブリの設立に参加し、それ以降はジブリ作品のプロデューサーとして作品に携わりました。

    本書は書き下ろしではなく、鈴木さんが雑誌など多方面に書き残した文章の集約したものに加え、朝井リョウさんらとの対談など、とても興味深い構成となっています。

    冒頭の言葉は、本書の各章の頭に鈴木さんの一言が記されており、その中の一つです。

    「どうにもならん」というのは、自分で解決できないこと、「どうにかなる」とは自分で解決できること。つまり「自分で解決できること」に集中せよ、というように私は理解しました。

    鈴木さんは、ある意味天才肌の宮崎さんに、かなり翻弄されたこともあるようです。しかし、あがいても無駄、自分でできることに集中することで、数多くのヒット作を生み出すなど成功を納めています。

    こういった考え方はとても大切だと私も思います。

    それ以外にも、ジブリを取り巻く裏話だけでなく、鈴木さんの多方面への造形の深さに感銘しました。

    ぜひ読んでみてください。

    想像以上に面白かった。
    芸術に造形のある方は文章も上手い。
    ジブリの映画を久しぶりに見たくなった。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784000611947

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