私にとっての憲法

制作 : 岩波書店編集部 
  • 岩波書店 (2017年4月22日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000611992

作品紹介

施行から70年。私たちはこの憲法をどれだけ使いこなし、その理念を自分たちのものにすることができたのか。自身の憲法体験、自らの憲法観、憲法を活用するためのヒント、改憲をはじめとする憲法論議への提言、憲法をめぐる深い洞察等々、さまざまなジャンルで活躍する53人の発言。巻末には日本国憲法全文を収録。

私にとっての憲法の感想・レビュー・書評

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  • 戦前生まれの人と、好きな人の頁だけ…

  • 施行70年 いまこそ語ろう!ー53人の憲法論

    ということで、量質ともに、さすが岩波書店というラインナップになっている。ここでは今まで多くを発言してきた「9条の会」呼びかけ人や事務局の人々は入っていない。多くが鬼籍に入っているというのもあるが、存命中の人もわざと避けたのだろう。多様な意見を拾いたいという編集方針なのだろう。ホントに国民投票が日程に上りつつある現在、それは必要なことだと私も思う。

    以下、参考になった所をメモする。

    ◯アメリカ・トランプの移民の強制送還をストップさせたのは、憲法だった。日本人の感覚として「どうせあれはきれいごとだから」とか「現実は違う」という二重の感覚に慣れている。しかし私は本来はそうではないと思う。(坂本龍一)
    ◯憲法が語る理想ほど、現実は甘くないという声もあります。確かに、残念ながら世界のあちこちで戦争は絶えません。でも、憲法くんはこうも語ります。「理想と現実がちがっていたら、ふつうは、現実を理想に近づけるように、努力するものではありませんか」(松元ヒロ)
    ◯(SEALDsや憲法カフェのように)同調性による動員ではなく、個人の理性的判断による運動は日常的対話を基礎に徐々に広がっている。危機を叫んで短期的解決が与えられることを期待すると、不安を排外主義による権力強化の方向に誘導される危険性がある。個人を基礎にする対話を通じての連帯で持続的に着実に浸透する形で運動を広げることによって、主権者としての責務をはたすこと、これこそが立憲主義を護る1番確実な方法だと信じる。(石田雄)
    ◯憲法を考えるときに、個人対政府のような対立項で考えがちです。でも、そうではなく、個人と国家の間には、学校が、報道が、そして職場がある。(略)そこから考えたほうがいいと思います。(永井愛)
    ◯変えるべきは憲法ではなく、社会です。(仁藤夢乃)
    ◯(人間宣言をした天皇が)なぜ国民の足を止めさせて、信号など存在しないかのように車で走り抜けることができるのか?(略)中学生の私はこのとき、「憲法はそこにあるだけじゃだめなんだ」と思った。「憲法を守らせる」努力をしなければ、何の意味もないのだ、と初めて考えたのである。(赤川次郎)
    ◯連立与党のなりふりかまわぬ解釈変更と違憲立法への批判に対し、逆に政府を擁護する者たちの口からはいつも同じロジックが示された。「選挙に何度も勝ち民主的に選ばれた議員が決めたことを否定するのは、民主主義の否定ではないか?」と。これを反論するのに、政治学徒としてはさほどの困難はない。民主的な選挙を通じて得た権力は、「その手続き的正当性のみで担保されない」で終了である。民主的な選挙でとてつもない暗愚なる政治家が選ばれることは、デモクラシーの想定内事態だからだ。では暗愚なる者たちの暴走を制御するのは何か?教科書には「だから憲法があるのだ」とある。(岡田憲治)

    2017年5月読了

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