MARCH 1 非暴力の闘い

  • 岩波書店 (2018年3月29日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (128ページ) / ISBN・EAN: 9784000612630

みんなの感想まとめ

この作品は、米国の公民権運動の中心人物であるジョン・ルイスの活動を描いたグラフィック・ノベルで、彼の非暴力主義に基づく闘いが鮮烈に表現されています。特に、1960年代の南部における黒人たちの過酷な現状...

感想・レビュー・書評

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  • 7月に亡くなった、米国の下院議員ジョン・ルイスが著者の一人になっている。彼は学生時代、徹底した非暴力主義のSNCC(学生非暴力調整委員)の委員長を務め、公民権運動でも大きな役割を担った人物だ。

    日本では、英語の教科書などでキング牧師の話は読むことがあると思うが、ジョン・ルイスについてはあまり知られていないのではないだろうか。
    私も全く知らず、ニュースに触れてその存在を知り、この本(コミック)を借りてみた。

    コロナ禍でますます混迷し分断が進む米国で、大きな問題となっている「BLM」。
    その根深い闇の一端を、この本を読むことでほんのわずかであるが、日本に住む我々も知ることができる。

    1960年前後の南部の過酷な現状が、如実に伝わってくる。
    そこに住む白人の考え方は、奴隷制が合法であったころから脈々と続くもので、一朝一夕には変えられないものであることがうかがい知れる。
    白人の怒りを買わないように、息をひそめて差別以上の仕打ちに耐える黒人たちの姿。
    それを今こそ変えようという大きなうねり。

    2巻のワシントン大行進へと続く。
    2020.9.26

  • 公民権運動の中心人物であるジョン・ルイスの回顧の形を取ったグラフィック・ノベル(ご本人が作者の一人)。
    絵の力は文章だけの力とはまた違った角度から衝撃を与える。
    絵を描いているネイト・パウエルの後書きに何度も頷いた。
    「娘をはじめとする今の子どもたちが成長し、受け継ぐ世界が、より人道的で、より思いやりがあり、より愛情深いものになりますように。価値ある世界にしていこうじゃないか。」
    次巻もすぐに読みたい。

  • バラク・オバマの大統領就任式の日、かつての公民権運動の闘士、ジョン・ルイス下院議員は、これまでの道のりを振り返っていた。南部の農場で育った少年時代、成長するにつれ感じるようになった不平等、そして非暴力という手法を学び、運動に身を投じて命をかけた日々……。差別の解消を求め、平等な権利を得るために、いかに人びとが闘ってきたか。レストランでの座り込みを皮切りに、フリーダム・ライド運動、ワシントン大行進、そしてセルマからモンゴメリーへの行進といった歴史的な場面を、当事者の目線でふりかえった、骨太のグラフィック・ノベル三部作。全米図書賞受賞。

    https://www.iwanami.co.jp/smp/march/

  • 試し読み
    https://yondemill.jp/contents/34435?view=1&viewer=bookview

    岩波書店のPR
    バラク・オバマの大統領就任式の日,かつての公民権運動の闘士,ジョン・ルイス下院議員は,これまでの道のりを振り返っていた.南部の農場で生まれ育った少年が,いかにして差別に対抗する非暴力の手法を学び,運動に身を投じるようになったのか.公民権運動の歴史を当事者の目線で描く,骨太のグラフィック・ノベル第一弾.
    https://www.iwanami.co.jp/book/b352581.html

  • ふむ

  • ジョン・ルイスがどんな活動をしたか分かるコミック。
    別紙の解説も読むと背景の理解が深まる良書。
    一巻は読みやすいが、ニ、三巻はとても読みにくい…日本の漫画って読みやすさ洗練されてるなあと思った。

    一人一人、勇気のある人が立ち上がって、現在まででやっとここまで来てるんだなと感じた。
    非暴力でなにかを勝ち取れるというのがすごい、というか、本当にそんなことできるの!?と思ってしまう。
    しかしどこの世でも、被差別の方が声をあげると潰そうとする人が現れるのはなんなんだろうな…
    特にアメリカ人、キリスト教徒なのに差別主義については何も思わないというのが不思議。

    2巻の解説の言葉が心に残る。
    『つまり、南部の白人は、頭がおかしかっ
    たわけでも、とりわけ残忍だったわけで
    も(実際に黒人を痛めつけることはあって
    も、生まれつき誰に対しても暴力を振るう
    性質だったわけでは)ありません。人種差
    別をしていたのは、生まれ育った地域を愛
    し、それまで「当たり前」だった暮らしや
    流儀を壊させまいとしていた、私たちと同
    じ「普通」の人間だったのです。彼らが守
    ろうとしていた慣習が、今から/外から見
    て、いかに非人道的に思えるとしても。こ
    の点を見誤ると、あんな酷いことをするな
    んて同じ人間とは思えない=自分たちは
    絶対にあんなことはしない、と短絡し、非
    難する相手を悪魔化することで自分たちを
    免罪する罠に陥ってしまうことになります。
    「異常」な憎しみや暴虐を、自分とは関係の
    ない特殊な出来事だと思った瞬間に、歴
    史を、少なくともこの歴史を、学ぶ意味は
    なくなります。私たちだって、あの環境に
    生きていたら同じようなことをしていたか
    もしれないし、これからも同じような過ち
    を犯すかもしれない。「〜人は〇〇だ」とか
    「〜のくせに」とか「〜らしく」とか
    「〜だったら、こうすべきだ」など、人を集
    団に分け、その特徴を決めつけ、その型
    に押し込んで判断してしまうことは、現に
    今でもあるのですから。そういう思考法と、
    差別的な言論・行動の間にあるのは、質的
    な違いではなく、程度の差に過ぎません。
    私たちは、誰でも、「敵」に対しては、あ
    れほど盲目的に愚かで残酷になれる。そう
    した人間の弱さを自覚しない限り、差別と
    いう醜い問題に向き合い対処することはで
    きないのです。』

  • 非暴力の闘いは無謀な行為ではありません。厳しい訓練や綿密な計画は欠かせないです。もちろん法治社会を前提としています。

  • 青春の本棚(ブックガイド)から。苦手な左→右タイプの漫画だし、まだ序盤だけど、これは最後まで興味深く通読できそう。愚かな暴力のせいで、世界中に暗雲が立ち込めている今日、なおさら本作の非暴力が意味を持つ。

  • 公民権運動のリーダーの一人ジョン・ルイスの若かりし頃の活動を振り返った自伝的なマンガ。3部作となっている。マンガで読みやすいとはいえ、内容の濃さと描かれている内容の重さから、じっくりと味わいながら読む必要がある(知らない人も多く、途中で誰が誰だかわからなくなってしまったりする)

    マンガという形をとることで、公民権運動が戦った差別主義の強固さ、不条理さ、残酷さがこれでもかと感じることができるし、この状況のなかでも非暴力の戦いを続けるルイス、そして多くのリーダー、無名の人々の勇気に感動する。

    キング牧師もところどころで出てくるが、話の中心は、ルイス自身の体験した物語り。キング牧師を尊敬しつつも、ときどき距離を感じたり、違和感を抱いたりするところも率直に描かれている。

    が、ルイスの非暴力の人種の違いを超えた戦いに対しても、彼が委員長を務めている組織のなかでさえ、異論は多く、徐々に孤立していくようすが描かれている。

    最後の第3巻の65年のセルマでの闘争と投票権をもって、ルイスの「公民権運動」は終了するわけだが、それをもって人種差別がすべてなくなるわけでもない。まだまだ、人種差別を実質的に実現するために解決しなければならない問題はたくさんあるし、経済的な側面での不平等という問題になると、さらに多くの課題がある。

    とはいえ、50年代中盤〜60年代中盤に実現したさまざまな成果は、それ以前と比べると、信じられないものだと思う。

    公民権運動について学ぶと、当時の南部の白人の人種差別の激しさ、暴力性に驚き、これが冷戦下において、自由と民主主義を掲げていた国の内部実態かと思うと暗澹たる思いになる。ある意味、これは、ナティスを支持したドイツ国民と同じではないかと。。。。

    だが、自分がそのとき南部の白人だったらどうしただろう?と思うと、同じようなことを「それがルールだから」「これまでそうしてきたから」とやってしまう、あるいは黙認してしまうのではないだろうかという思いも。。。

    人間のなかにある残酷性と尊厳性をじっくりと味わうことができた。

  • ◆7/21オンライン企画「差別ってなんだろう?~#BlackLivesMatter を通して考える~」で紹介されています。
    https://www.youtube.com/watch?v=TUnY1wjcFsY&feature=youtu.be
    本の詳細
    https://www.iwanami.co.jp/book/b352581.html

  • 仕事上の必要があって、社会派アメリカン・コミック『MARCH』全3巻を一気読み。

    アメリカでは「グラフィック・ノベル」として位置付けられるタイプの作品で、一般的なアメコミ(マーベルとかDCとかの)とは印象が大きく異なる。

    絵は1ページ1ページがそれぞれイラストとして価値を持つような見事なものだが、それでいて読みにくくはない。日本のマンガに慣れた読者にも抵抗なく読める。

    公民権運動において重要な役割を果たした「ビッグ6」の一人に数えられるジョン・ルイスの歩みを描いたものだ。

    ルイスの少年時代が描かれる序盤は、正直退屈。黒人差別に抗する闘いが具体的に始まる1950年代後半あたりから、徐々に面白くなる。
    ワシントン大行進の舞台裏が描かれる第2巻の途中あたりからは、ぐいぐい引き込まれた。

    マーティン・ルーサー・キングもローザ・パークスも、ケネディ大統領もマルコムXも登場する。
    が、日本ではあまり知られていない、公民権運動の末端の様子が詳細に描かれており、そのへんこそが最も面白かった。
    黒人側もけっして一枚岩ではなく、意見の相違と衝突がしょっちゅう起こっていたあたりがリアル。

    「ああ、そういうことだったのか」と本作で初めてわかったことも、たくさんある。
    米国の公民権運動について、ハリウッド映画などから知った断片的な情報で「知ってるつもり」でいたが、そのじつ、深いところまで理解できていなかった。

    21世紀の日本を担う若者たちにこそ読ませたい。全3巻揃えると7500円もする高価なコミックなので、10代が買うのはシンドいだろうが、図書館で借りてでも読んでほしい。

  • 2018.08.22 品川読書会で紹介を受ける。

  • 1950年代後半、キング牧師の登場後の米国の人種差別撤廃運動をコミックでたどる。
    なかなか読書力(?)が必要かも?

  • 3巻まで読了。公民権運動の勉強として有益なだけでなく、マンガとしてもあつく読めるのがよかった。
    当時の差別がいかに非人道的で、それを克服するためにジョン・ルイスらが文字通り命がけで戦ったことが、よくわかる。抑えた筆致だが、それでもエモーショナルなんだよな。

    主人公のジョン・ルイスなどをふくめ、運動のリーダーの多くは宗教的なバックボーンがあることが、興味深かった。

    彼らのデモは非暴力だが、その一方、店への座り込みなどは実力行使であり、場合によっては不法行為でもある。あたりまえだが、デモや社会運動が効力をもつためには、既存の権力を持っている側に脅威を抱かせなければならないんだろうな。

  • A book about movements made by John Lewis. He worked for the desegregation in the US. I know about Martin Luther King or Malcom X, but I didn't know much about others. It teaches me how hard they worked to win the rights.

  • 教科書二行でわかった気になり、美談で済ます公民権運動。
    この漫画で描くのは、その運動の実際、運動内部でも黒人同士の葛藤、争い・・・
    オバマからトランプという、時代逆回転の今こそ!!!

    「歴史の神様にお導きいただこう」

  • アメリカで起こった公民権運動の歴史を描いた漫画作品です。
    アメコミの翻訳なので、コマワリや吹き出しなどが見づらかったり、そもそもの絵が見にくかったりすることはありますが公民権運動の流れがわかりやすく描かれていると思います。

    当時の社会において、なぜ黒人が差別されている状況が当たり前と受け止められていた、その実際の雰囲気はどのようなものであったのか、そしてどのような経緯で黒人たちが「非暴力」という手段で立ち上がり、やがて勝利を勝ち取ることができたのか。
    歴史の勉強として、またこの事例を踏まえながら、現在の世の中の様々な場面に存在する差別や格差の問題について意識を向けるきっかけとして、学生にも読んでもらいたい作品です。

  • 実在の人物(現在は民主党の下院議員)であるジョン・ルイスの視点から公民権運動を描くグラフィック・ノベル。少年時代にキング牧師でも有名な非暴力主義に出会って突き動かされ、みずからも運動に参加していくのだけど、活動家たちが単に理念だけで動いているわけではなく、ワークショップをひらいて、互いに相手をなじりあい、ひどい言葉を浴びせられる気持ち、浴びせる気持ちを体験しあったうえで、どれほどひどいことを言われても平静を保つ訓練をなんども繰り返したという場面が印象的。さすがプラグマティズムの国だなと思った。でも、運動の広がりとともに、だんだん訓練を受けていない人も参加するようになる。そのジレンマ。

    第二巻はおそらくもっとつらい展開になっていくんだろうと思われるけれども、何か熱い気持ちをゆさぶられる。

    1900円するので、コミックコーナーに置かれていると大変不利なんだけど、あの時代のテキストとして、きっと何度も読み返すことになると思うので、高くないです。

    2020.6.3 ジョージ・フロイド殺害事件に続く全米での抗議デモと暴動の広がりを追いながら再読。黒人に対する警察の扱いは、基本的に蔑視と恐怖と猜疑でこの頃と何も変わってない。なぜなんだ?

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