作家がガンになって試みたこと

著者 :
  • 岩波書店
3.11
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本棚登録 : 33
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000612753

感想・レビュー・書評

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  • 著者のプロフィールをみたらなかなかの経歴だった

    この著者のかかった病院の主治医さんは厄介だっただろうな 笑

    お酒による肝硬変が悪くなっていたであろうが、肝性脳症というアンモニアなどの有害な物質が体内にとどまり症状が出るのは怖いと思った

    がんの治療法はいろんな意見がある

    自分ももしがんと診断されたらこの著者に違い考え方をするかもしれないが、手術を受けないと言うのはかなりハードルが高い


    この作品のあと3年過ぎて2021年73歳で亡くなっている

  • ガンになったこととは別に生きるのが大変そうな性格だと思いました
    純文学の作家さんってみなさん変にずれていると思うのは私だけ?

  • 知り合いの編集者に教えられるまでぼくは高橋三千綱という人のことを知らなかった。もとは岩波の「図書」に連載したもの。三千綱さんは若いときに十二指腸潰瘍で胃の3分の2を切られ、その後肝硬変になりあやうく脳症まで患いかけた(これはぼくの母親がそうだったからよくわかる)。さらには食道ガン、胃ガンと次々と病魔に襲われた。その原因はほかでもない。酒の飲み過ぎである。まあ、三千綱さんにとって酒は大事な友だから、離れては生きていけないのである。ある意味自業自得である。高橋さんの偉いのは、その中で医師、病院食や病院のあり方に疑問を覚え、最終的には余命半年といわれた胃がんを放置し、5年以上を生き延びたことである。その方法は、おいしいものを食べ、すきなゴルフをやることであった。さいわい、おくさんは料理がうまく、朝ご飯からして旅館のそれに匹敵するものが出てくるそうだ。だから、入院中でも奥さんにそれを運ばせた。奥さんも実に献身的だ。ふつうなら、自業自得の三千綱さんを見捨ててもいいのに、お金に頓着しないし、好きなようにやらせる。妻の鏡か。ぼくは途中でこれは『患者よ ガンと闘うな』の近藤誠さんの影響かと思ったが、やはりそうで、二人で本まで出していることを知った。さらには免疫療法の安保徹さんの影響も受けているかなと思ったらやはりそうだった。もっとも、この二人は相容れないところがあるが、そのいいところを三千綱さんは取り入れた。ぼくも近藤教のシンパではあるが、全面的に賛成しているわけではない。早くして亡くなった安保さんもぼくには懐かしい。

  • 癌治療。ほとんどの初期癌は癌ではない。
    高価な薬は効果がなかった。
    ほっておいたら、癌が消えた。

  • 想像していた内容とは全然違っていた。
    生き方にも、体力にもあまりの凄さに唖然とさせられたが、それは根本に死に対してジタバタしても始まらない的な究極の楽天の心が奇跡的な生還をもたらしたのは間違いない。
    はい、「ガンもあきれて逃げていく」ということが実際、どういうことなのか、はっきりわからせていただきました。

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著者プロフィール

1948年1月5日、大阪府で作家・高野三郎の長男として生まれる。2歳より東京杉並で育ち、サンフランシスコ州立大学創作科、早稲田大学第一文学部を中退。テレビ局員、ホテルマンを経てスポーツ紙記者在職中の74年『退屈しのぎ』で第17回群像新人文学賞を受賞。以後、作家に専念。78年『九月の空』で第79回芥川賞を受賞。
主な作品に『葡萄畑』『怒れど犬』『天使を誘惑』『坂道を越えた国』『猫はときどき旅に出る』など。エッセイ『こんな女と暮らしてみたい』はミリオンセラー、『真夜中のボクサー』を映画化、脚本、監督を務める。『Dr.タイフーン』『セニョールパ』といった劇画の原作も多数手がけ、近年は、時代小説に新境地をひらいていた。近作には、『さすらいの皇帝ペンギン』(集英社)、『作家がガンになって試みたこと』(岩波書店)、『悔いなく生きる男の流儀』(コスミック出版)がある。2021年8月17日逝去。
2021年11月13日、未刊の最後のエッセイ集『人間の懊悩』(青志社)刊行。

「2022年 『枳殻家の末娘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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