どこからお話ししましょうか 柳家小三治自伝

  • 岩波書店 (2019年12月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (220ページ) / ISBN・EAN: 9784000613798

作品紹介・あらすじ

円熟の古典落語,軽妙なマクラで,聴くものを魅了してやまない噺家・柳家小三治.本書では,生い立ち,初恋,入門,修業時代,落語論から,バイク,クラシック音楽,俳句,忘れじの人々まで,すべてをたっぷり語り下ろす.独特の語り口もそのままに,まさに読む独演会.芸と人生に対する真摯な姿勢が,初めて明らかに.

みんなの感想まとめ

落語の魅力とその背景を深く掘り下げた作品で、著者の人生や芸に対する真摯な姿勢が伝わってきます。生い立ちや初恋、修業時代、さらにはバイクやクラシック音楽といった多彩なエピソードが織り交ぜられ、まるで独演...

感想・レビュー・書評

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  • やはり落語の本は読んでてたのしいですな。落語を始めてから丸五年。あちらこちらで落語をさせていただくようになって、さてどんな落語を目指しているのか悩んでいる今日この頃。笑っていただく、感動していただく、面白いと言っていただく。

    そこそこネタが増えてきたので、私のニンにあっている落語は何なのか・・・。

    小三治さんは、師匠の小さんさんが「落語は初めて聞くお客さまにしゃべるつもりでやれ」と、そうなんです「客も良く知っている。はなし手もよく知っている。だけど噺の中に出てくる登場人物は、この先どうなるか、なにも知らない」。そうなんです、そう思ってやると、いつもやってる噺じゃなくなる。なぞることをしなくなる。しゃべるというより、その人にまずなる・・・・。これをキモに銘じて、来年度から第二期の五年に進みたいですな。

  • 「本の雑誌」8月号の特集、「落語本で笑おう」を見て購入。

    生い立ちや両親のことなどから説き起こしている。小さん師匠が稽古をつけないとか、へ~と思う処が多かった。
    志ん朝が表面的な口調の巧さではなく、噺の中の人物の心で進めて行くと評しているのに感心する。談志に対する評価も、まあ、そうだよなと思う。
    圓生に習いに行っていたけど、だんだん離れたということは初めて知った。

    蒟蒻問答は、圓生からベースを習ったが、正蔵はほんとうはこうやるんだと仕草を教えてくれる。小さんはまた、別のことを言う。末廣亭でこの噺をかけていたら、楽屋で三師匠が黙ーって腕組んで聞いている。師匠の「まくら」にもあった話だけど、なんとも贅沢で大変困ったエピソード。

    バイクやスキー、クラシック音楽の話も出てきた。
    飄々としているけど、芸に対する気持ちなど知ることが出来て、この本読んで良かった。
    師匠の「小言念仏」のCD探そうかな。あと、映画「バベットの晩餐会」も見てみたい。

  • 柳家小三治の両親の話から始まる自伝

    弟子入りから人間国宝になるまで、落語家同士や、若手の頃に支えてくれたたくさんの人たちとの交流が描かれていて、まくらを聞いているような楽しい気持ちになった

    円熟期を迎えてからしか生の高座は拝見していないが、若い頃の映像も探してみてみたい

    まだまだ楽しませてもらいたい噺家た

  • 落語好きには堪らない一冊。
    途中に出てくる噺をYoutubeで聴きながら読み進めたが、師匠らしい語り口が随所に出てきて、とにかくいい❗️

  • 人間国宝柳家小三治の自伝。上手いにとどまらぬ落語。森山良子との対談の際に「どうしてあんなにうまく歌っちゃうのか」と問いかけたことに端を発する考察が秀逸。「うまく演じようとした人に感心したことはない/うまくやろうとしないこと/じゃあ,下手なまんまでいいのかっていうと,そうじゃない/カラヤンには「本音で歌えよ」って思いますね」。

  •  小三治の芸の転機は、オートバイに凝ったこと。
    >>>自分がいっぺんその中に飛び込んでみると、暴走族がいいってわけじゃないけど、そうしなきゃならない人にはなんか理由があるんだって考え始めます。すると、どんな罪を犯した人でも訳があるんだろうって考える。人間が根本的に変わっちゃったんです。<<<p137

  • ふむ

  • 朝日新聞への連載を書籍化したものに書籍化に際して加筆した、とのこと。そのためか、章立てや話の進みが体系的でなく、やや読みづらい。もっとも、これはこれでじっくり読むためと思えばよいのかもしれない。
    両親、特に母親との関係や、談志さんや一之輔さんの評価が個人的には興味深かった。

  • おなじみのマクラのような語り口(平易な日本語に文字起こしをした編集者も)が最高だが、話す内容は忖度のない真っ正直なもの。

    【秘中の秘】
    くり返しやっているから、慣れて、飽きてきます…で、落語をおもしろくやるコツ…
    「客もよく知ってる。はなし手もよく知ってる。だけど、噺の中に出てくる登場人物は、この先どうなるのか、なにも知らない。」そう思ってやると、いつもやってる噺じゃなくなる。なぞることをしなくなる。しゃべるっていうより、その人にまずなるわけ……。

    閑話休題。ボウリングに凝っていたころ、志ん朝にゴルフに誘われ、「自分のうちに庭がないからって、人のうちの庭借りて喜んで歩き回っている」と毒づいたら、「お前んちなんか、自分ちに廊下がねえから、人のうちの廊下借りて玉ころがしてんじゃねえか」と言い返された逸話は傑作。

  • 先日、小三治が亡くなった頃、偶然、本屋でこの本を見かけました。どこからお話ししましょうか、という題なので、こちらは、どこから読みましょうか、とカバー写真の小三治さんに声を掛け、パラパラと拾い読み。小三治曰く、闘ってれば、そのうち答えが出てくるんですよ。闘わないやつは何も出てこない、と私は信じているのですけどねえ。小三治は、なかなかシブトイ(芯の強い)落語家でもありました。(合掌)★三つ半、四捨五入で四つです。

  • 2017 RA 頚椎手術 京都

  • 話したものを書き取っての出版かな。平易だけど芸の神髄のようなものが伺えて貴重な書だと思う。

    『全部受けようとしちゃあいけない。ちょっと受けたなと思ったら、次、ここは受けるはずだと思うところは受けさせないようにスーッと通り過ぎろ「お前のは受け過ぎだ。ただの漫談になっちゃう。どういう噺か、なぜこの噺がおもしろいのかっていう、いちばん肝心なことをお前は飛ばしてしまう。』

    森山良子との対談でプロデュース-さから「どうしてあんなに歌をうまく歌っちゃうんですか」と聞くように言われた話。

    『私はその意味がわかんなかった。その後、だんだんわかるようになってきた。歌はうまく歌っちゃいけない。感じた通り素直に歌えばいいんだ、ってことがわかってくる。歌ばかりじゃない。文筆であれ、絵であれ、みんなそうだよ。役者なんかとくにそう。うまく演じようとした人に感心したことは一度もない。それをはぎ取ってくんねえかと思う。その奥に素晴らしいものがあるのにねえ。』



    『うまくやろうとしないこと。それが、難しい。とても難しい。じゃあ、下手なまんまでいいのかっていうと、そうじゃないんだよねえ。心を理解しなきゃ、人の心をしなきゃ。人が生きるっていうのはどういうことか。それをどうやって理解していくかっていうと、音楽を聞き、絵を見、小説を読み、人の話を聞き、芝居を見、もちろん映画も見て。つまり、自分以外のものから発見していく。なにを発見していくかっていうと、自分を発見していくんですね。そういう鏡に照らし合わせて、ええっ、おれってこんななの?って。その映す鏡は他人じゃない。自分の中にある自分の鏡だ。難しいよ。いつかそういう鏡を持てる自分になれるだろうか。』



    『みんなは志ん朝さんの口調に注目するけど、私は口調の奥にあるものを見ようとした。これは、だんだんその後になって気がついていくことですけど、芸の本域、芸の奥の院、神髄っていいますか、中身は結局、そこなんです。表面に表れているところより、その奥にあるものがなにかっていうことです。』



    『「客もよく知ってる。はなし手もよく知っている。だけど、噺の中に出てくる登場人物は、この先どうなるのか、なにも知らない。」これには勇気をもらいました。そう思ってやると、いつもやってる噺じゃなくなる。なぞることをしなくなる。しゃべるっていうより、その人にまずなるわけでしょう?今日の八っつぁん、今日の熊さん、どう?って。』



    『パペットの晩餐会』について

    宝くじのお金で晩餐を開いて

    「私たちのためにお金を全部使っちゃったの」「はい」「貧乏になっちゃったじゃない」って言うと、「芸術家に貧乏はいませんわ」ってパペットはこたえます。

    私にとって、こんな力強い言葉がありますか?まさしく私が噺家になった理由じゃないですか。噺家になったときに、どうやって食っていこうとか、そんなことは考えなかった。死んででもいいと思って、なったわけですから。』

  • 志ん朝、談志、喜多八。今は亡き人を忌憚なく語れるのは小三治師匠だけです。

  • 前口上 の後に、柳家小三治のまくらが、
    十五編楽しめる。

    3番目にして唯一の現役人間国宝の落語家だ。
    やっぱり味がある芸風だ。
    日本経済新聞の私の履歴書には収まりきらないかな。

    岩波書店も落語の出版に力を入れている。
    日本の良き伝統を伝えるのも出版社の大事な役目。
    岩波なら紛い物を出さないと言う安心感がある。



    一、父と母のこと

      映画  グロリア  観なきゃ
      さだまさし/グレープ 無縁坂 知っとぉ

    二、野菊の如き君なりき

      伊藤左千夫/野菊の墓
    映画の題名は、二章のタイトルどおり

    彼の人生体験を追体験したくなる様な仕掛けが、
    入っている。

  • 読了 20200219

  • 2020年4月24日読了

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著者プロフィール

噺家。本名・郡山剛蔵。1939年、東京生まれ。1959年、五代目柳家小さんに入門して、前座名・小たけ。初高座は『道具屋』。'63年、さん治で二ツ目、'69年、真打ち昇進、十代目柳家小三治を襲名。2010年に、落語協会会長に就任。1981年、芸術選奨文部大臣新人賞、2004年に芸術選奨文部科学大臣賞、2005年、紫綬褒章受章、他。『百川』『小言念仏』『野ざらし』等、数多くの得意ネタを持つ。DVDブック『落語研究会 柳家小三治全集』他、CD、DVD多数。著書に、『柳家小三治の落語1~3』『ま・く・ら』『落語家論』他。

「2013年 『落語研究会 柳家小三治大全 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柳家小三治の作品

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