アパレル興亡

  • 岩波書店 (2020年2月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (492ページ) / ISBN・EAN: 9784000613903

作品紹介・あらすじ

経済小説の旗手が、大手婦人服メーカーを舞台に、焼け野原からのアパレル産業の復興、「ガチャマン」景気、百貨店の隆盛と高度経済成長、バブルの熱気、カテゴリーキラー台頭による平成の主役交代、会社とは何かを社会に問うた村上ファンドとの攻防、社長の死と競合他社による経営乗っ取りまでを描く。

85年間にわたるアパレル業界の変遷というプリズムを通して展開する、戦後日本経済の栄枯盛衰の物語。



■編集部からのメッセージ
アパレル産業の栄枯盛衰を辿ることは、日本の経済の移り変わりの一断面を鮮やかにに切り取ることになります。ドラマティックなフィクションでありながら、日本経済の今を、そして未来を考える際の必読書となることでしょう。

感想・レビュー・書評

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  • とても興味深く最後まで堪能させてもらえた。まさに昭和〜平成のアパレル業界の栄枯盛衰を描いた作品。アパレルだけでなく、関連業界との関わり方や田谷=昭和、柳井=平成の経営手腕をうまく小説仕立てにしていて楽しめた。昭和のモーレツ社員を描いている部分が印象的だった。

  • 自分が大学を卒業し百貨店に就職して、最初に配属された売り場が婦人服のドレス・コート売り場だ。
    読み進めると懐かしさがこみ上げてくる。
    書いてある事の事象が分かるので興味深く読めた。
    当時の東京スタイルの営業の方々はどうしているのか気になる。

  • 「獅子の如く」と同じような、強欲系主人公がアパレル業界で大暴れする小説。
    個人的に、この主人公像が大好きなので、その時点で楽しい。

    反面、アパレル(しかも婦人服)ならではのモチベーションや仕事ぶりは特に感じられなかったような。
    時流とともに興亡したし、そうするしかなかった。

  • いやー、おもしろかった

    戦後70年、国内アパレル・ビジネスの変遷
    フィクションとは思わなかったけど、ブランドや人物もほぼ実名で登場しており、時代ごとの流行CMや唄が織り交ぜられ、一般的なビジネス書より数千倍楽しめた

    百貨店アパレルの大手「オリエント・レディ」を中心として、百貨店、毛織メーカー、総合商社の栄枯盛というまさに“アパレル興亡”を克明に描いてる

    百貨店バイヤーという絶対的な存在、ファッションより営業・デザインより品質を求めた軍隊体質の百貨店アパレル、カテゴリーキラーの勃興、村上ファンド…

    アパレルだけではなく、他の産業も同じストーリーがあるけれど、戦後70年間のアパレル変遷のスピードはモノスゴイ
    現在はここから5年経ってるけど、アパレルはさらに変化を遂げている

    この先アパレルはどこへ向かうのか……

  • アパレルの歴史が丁寧に紐解かれていて面白かった。人物になんとなく入り込めない感じが残念だった。

  • ファッションへの興味は人並みかそれ以下とも思える自分であるが
    その積み上げた歴史自体には雑学的な興味はあった。

    触れやすい文献では、海外の(自分でも聞いたことのあるような)ブランド名についての重厚な歴史というものは散見されるが
    国内のそれについては、こういった経済小説上の物語として咀嚼するのがちょうどいいように思う。

    興味ある分野については筆者の他作品にも手を伸ばしたいと思える程度にはとっつきやすさと読み応えが両立していたし、アパレルに関しては作内の各企業について参考文献でより密接に触れてみたいとも思う。

  • 小説仕立てで、アパレル業界の興亡を描く。当時の熱狂には感嘆するものの、この頃のまま何も変わらず、思考停止している現在の業界の闇も感じる

  • 「巨大投資銀行」や「格付会社」を彷彿とさせるクロニクル。著者の近作では1番楽しめたかも。アパレル業界は1番毀誉褒貶が激しかった気がするけど、雰囲気がよく伝わる。村上ファンドはいらなかったような気がする。

  • アパレル業界の栄枯盛衰が感じられる小説。相変わらずよく取材されているなと感じた。20年前就職活動で百貨店をいくつか受けたが、現在このような再編が行われるとは思わなかった。村上ファンドも登場してこんなこともあったな〜と思わせてくれる。

  • 東京スタイルの中興の祖である高野義雄が題材。
    アパレル現代史と呼べるくらい、戦後から現在までのアパレル業界の変遷、栄枯盛衰がよく分かり勉強になった。
    次は村上世彰の視点から東京スタイルとのプロキシーファイトを描き、アパレル興亡の参考文献にも挙げられている『生涯投資家』を読んでみたい。

  • 著者の本は初めて読む。あるアパレル企業の物語を主軸に、関連業界(商社、繊維会社、百貨店)のサブストーリーを絡め、社会構造の変化とこれに伴う業界の出来事を都度都度差し込むという構成である。読者はアパレル企業の栄枯盛衰を物語として楽しみつつ、戦前から現代までの日本のアパレル史を概観することになる。

  • 元ネタが分からなかったが、日本のアパレル産業の繁栄・衰退の経緯を事実に近いフィクションで描いている。

  • 戦後のアパレル業界を東京スタイルを中心に事実とフィクションを交えて書き切った力作。繊維メーカー、企画屋、百貨店、ユニクロのようなSPA、の栄枯盛衰を丹念に拾ったもので、読みやすく丁寧な筆致で飽きさせなかった。

  • 黒木さんファンですが、この作品は私にとっては少々退屈なものでした。ストーリーは淡々と過ぎて行き、劇的な展開が余り無いためです。しかし細かな描写にはやはり黒木さんの取材力の高さが現れていると感じます。 

    オリエント・レディの様なモラルの低い軍隊企業では働きたくないと改めて思いました(笑)

  • 東京スタイルがモデルの勃興から転落までをデパートや小売りの業界も交えて戦後から現代に至るまでのアパレル業界を俯瞰できる。
    後半村上ファンドのプロキシーファイトのエピソードもあり、個人商店から上場企業への会社の変質も時代を感じさせる。

  • 日本のあるアパレル企業の栄枯盛衰を描いた長編経済小説。経済小説らしく?登場人物の人柄は一長一短で完璧な人物はいないが、逆に言うと完全な悪人もいない。主人公の田谷社長は我が強く負けず嫌いな性格が目立つが、アパレル経営の腕は確かで業界からは一目置かれており、登場人物誰をとっても人間臭さがあった。 ユニクロを例に出して、時代の変化とともに経営手法を柔軟に見直す必要性が説かれているようで、古川毛織工業のように堅実に自社の強みを生かすスタイルを維持する企業もおり、変化の激しいアパレル業界の経営の難しさを感じる。

  • ある企業の変遷を通して戦後のアパレル産業の興亡を描いた作品。著者の他の作品同様、よく調べて書かれているなと感じた。

  • 一気に読めた。
    真面目に品質を追い求めた者が救われたということか。
    祖父も昔繊維業界にいたけど、ファッションに興味あるというよりは、ゴリゴリの体育会系だったしな。
    ファッションに興味のない軍隊は、アパレル野郎やユニクロみたいなスマートな集団には勝てなかったという事か。
    あんな時代に、新しいやり方で業界を覆したユニクロに興味を持って、本予約してしまった。

  • その出来事をリアルタイムで見ていて裏側までは知らなかったので久しぶりに面白かった。

  • 100冊ビブリオバトル@オンライン第21ゲームで紹介された本です。オンライン開催。
    2020.08.22〜23

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著者プロフィール

黒木 亮:1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社を経て2000年、大型シンジケートローンを巡る攻防を描いた『トップ・レフト』でデビュー。著書に『巨大投資銀行』『エネルギー』『鉄のあけぼの』『法服の王国』『冬の喝采』『貸し込み』『カラ売り屋』など。英国在住。

「2021年 『カラ売り屋vs仮想通貨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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