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Amazon.co.jp ・本 (438ページ) / ISBN・EAN: 9784000614351
作品紹介・あらすじ
西洋との接触、国民国家の構想と文明の始造、天賦人権論争、そして自伝の刊行——。一身にして二生を経る激動の時代を生きた福澤諭吉は、生涯を通じて何を目指して闘い、後世に何を託したのか。その思想的展開を綿密に辿り、畢生の願いを浮かび上がらせた、日本政治思想史の泰斗による待望の福澤論集、ついに刊行。
感想・レビュー・書評
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福沢諭吉にかんする著者の論考などをまとめた本です。
著者は、福沢の『文明論之概略』(岩波文庫)や、「新日本古典文学大系明治編」の一冊である『福沢諭吉集』(岩波書店)に収録されたの『福翁自伝』の校注を担当しており、本書にはそれらの解説も収められています。著者の講演をもとにした「『福翁自伝』校注をめぐって」では、著者の苦心が率直に語られているとともに、時代に深くコミットした福沢という思想家の著作を、現代のわれわれが読みなおすことの意味について考えるさいのヒントになるような議論があり、興味深く読みました。
福沢以外について書かれた文章では、馬場辰猪の天賦人権論にかんするものや、丸山眞男にかんするものが含まれています。とくに最終章の「丸山眞男における近・現代批判と伝統の問題」は長大な論文であり、1950年代以降の丸山の思想史研究が、いわゆる「大衆社会論」において議論されているような問題を先取りしつつ推し進められていった経緯をたどっています。
なお、著者は1930年生まれですが、「あとがき」ではコロナ禍のなかで本書の編集をおこなうにあたり、二人の編集担当者の多大な協力があったことに触れて、「私が現代の電子機器による通信方法を習得することを怠ったがゆえに、お二人に大変な御負担をおかけしていること」へのお詫びと感謝がしるされているのが、深く印象にのこっています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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