FUTURE EDUCATION! ――学校をイノベーションする14の教育論

著者 :
制作 : 教育新聞 
  • 岩波書店
4.03
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本棚登録 : 179
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000614368

作品紹介・あらすじ

世の中が凄まじい速度で変化し、「答えのない時代」に突入した中、未来を生きる子供は何を学び、教師や保護者は何を教えるべきなのか。ノーベル賞受賞者による根源的な教育目的再考から、AIの活用や世界基準の教師・授業YouTuberなどの教育イノベーターの取り組みまで、未来志向の教育潮流を導き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 教育についての先進的、画期的な取り組みについての取材がギュッと詰まった一冊。
    昔からの取り組みに囚われている自分からしたら新しい情報がたくさんあり刺激を受けた。凄いことを考えている、取り組んでいる人は世の中にはたくさんいるんだな。

  • 誤解を恐れずに言うと、コロナの発生は、「明暦の大火」のようなものなんじゃないかと思う。

    たとえばオンライン授業を行ったり、いかに効率よく子どもひとりひとりに学ばせるかだったり、教育面ではとくに、それが今後に影響する大きな改革を急速に早めるきっかけになっているところなのではないか。

    もちろん、犠牲になっていることもある。良い面ばかりじゃない。だけど、世界レベルの教育を目指さなくちゃいけないのはわかっていて、コロナ以前はそれができていなかった。「わかっちゃいるけど、いいきっかけもなくて、めんどくさい」的なさまざまな物事をコロナによって進めざるを得なくなっている。

    ただし、コロナとか関係なく"日本の教育"に根本的にある問題もどんどん明らかになっていて、教育に携わっていないひとたちの、社会の、理解が必要。

    コロナ後、でもすでに2年前の本。今の教育業界は、2年前からどのように進歩しているのだろうか。


    それから、学校の存在意義について。
    わたしもすこーーしだけ教育界に関わる立場で、学校がどんな場所であるのが良いのか考えたことがある。
    学校って、なんなのだろう?
    なぜ必要なのだろう?
    なぜ受験勉強は塾に頼ってしまうのだろう?
    なぜ対面授業も必要で、文化祭などのイベントがあるのだろう。

    教育のプロでさえ、学校の在り方を模索しているのだったら、当事者の子どもたちはもっと意味を見いだせなくなってしまうのではないだろうか。

  • 考えさせられたし、納得できたし、気付かされた。

    学校の授業など聞かず、教室で授業中にテスト勉強をしていた事を思い出す。その甲斐あって、テストの点は悪くなかった。自分にとって授業とは何だったのだろう。勿論、塾にも行かなかった。

    数値やパターンを変えれば無数に作れそうな設問も、良問を新たに考えるにも限界があり、突飛な用語を問うようなテストはテストの意義に照らして正統派な目線では作れない。だから過去問の解法を複数パターン理解すれば、テストは良い点が取れる。その事と教育の質、育てたい理想像は異なるという事は何となく想像できていた。

    本著の野依良治氏の言葉が染みる。重要なのは、いい問題を見つける事。そして、独創的とは、孤独、前衛、異端で非社交的だという事。インスタントな学習は、目次を読まず、索引を引くだけの読解に象徴される。効率化されても知識は体系化されず、断片的。今のネット社会の検索エンジンと同様。目次で構成を学び、文脈はページを捲り身につけるのだ。

    AIやスタディサプリなどで学習環境が整っても、自発的に勉強が出来る生徒は少ない。そうだった。何を勘違いしていたのだろう。授業を受けても理解できない人が、自習で学力を伸ばすはずがない。そのために塾に行く人達がいた。授業を受ける必要のない人のみが、独学で伸びる。それは今までもそうだったはずだ。なるほど、簡単には変わらない。

  • 教育産業に関わるものとして、常に最新の情報を得ておきたいとの思いから本書を手に取りました。
    本書で取り上げられている方はやはり錚々たる面々と書いても差し支えない印象です。
    中でも新井さんの読解力の話と、文学的な国語の文章と論理国語の違いのあたりがとても興味深かったですし、納得感を持って読めました。
    いつの日かこういった書籍に取り上げられるくらい今の塾の付加価値を高めていきたいと思いました。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50236734

    学校現場の改革実践者である校長や教師、教育研究者をはじめ、ノーベル賞受賞者、注目のベストセラー著者、児童生徒から大人気の教育系YouTuber、EdTechの先駆者でもある企業のリーダーまで多士済々。最前線の取り組みから見えてくる教育の未来と可能性。 (生命融合科学分野 大塚正人先生推薦)

  • 様々な角度からの教育

  • 野依良治
    科学:知の巨人の肩に乗る。自分でいい問題を見つけて、それに正しく答える。異に合う(異なる物事や人々、異なる文化にであう)。暗黙知を強くして、創造的でなければ、科学もAIに負ける。

  • 学校の塾化、教育格差、非行、自殺、子供の貧困、障害のある子ども、読解力低下など、この本を読むと子供達の環境を整えてあげないと日本の社会は良くならないのではと思いました。そして教育の大事さを知りました。そのことを大人たちが気付き行動を起こした方達のインタビューはとても勉強になり、新しい教育を知ることができました。それに賛同していきたいと思います。

  • 最前線で教育に取り組む人々へのインタビューがもとになっている。教育の現状と今後を考えるきっかけとして素晴らしい内容だった。教育を考えることは国と人の未来を考えることだと思う。業界に関わる人も、そうでない人も是非読んでほしい。子どもがいる人にもおすすめ。

  • 210501*読了
    広島県教育長の平川理恵さんが好きなので、読んだ本。
    教育新聞のインタビューをまとめた本で、コロナ後にお話をされた方もいらっしゃったので、まさに今の教育界の実情を知ることができました。
    息子が小学校に行く頃には、さらに教育のテクノロジーが進んでいるのだろうな。(進んでいてほしいという願いも含めて)
    受験のための勉強ではなく、AIと共に生きてくための力を養いたいという熱い想いをどなたからも感じられて、頼もしく思う反面、教育ってなかなか進化していかないんだろうなぁ、という気持ちも抱きました。
    変化の激しい時代、こんなスピードでは他の国に遅れを取ってしまうよーという焦りも感じます。
    いつか本を使って教育にも貢献したいです。

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