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Amazon.co.jp ・本 (206ページ) / ISBN・EAN: 9784000614696
作品紹介・あらすじ
「出版界には不思議なことが起こる。そして、不思議なことを起こす力がある」。人文書のベル・エポックにみすず書房の編集者となった著者は、アーレント、シュミットから丸山眞男、藤田省三まで、今日まで読み継がれる数々の本を手がけた。思い出深い執筆者や翻訳者、書物をめぐって伸びやかにつづられた回想録的エッセイ集。
感想・レビュー・書評
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こぼればなし(『図書』2021年8月号) - 岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/smp/news/n42458.html
思言敬事 - 岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b577704.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
みすず書房と言えば、その創業の一人で、編集者であった小尾俊人さんが高名であるが、本書は、小尾氏の下で長く編集者として勤め、社長までされた著者の回想、及び出会った人物や書物に関する随想をまとめたものである。
折しも2021年はみすず書房の創業75周年で、時代状況とこれまでの歩み、刊行した書籍群の紹介がwebページに公開されている。その歴史の、決して短くはない一時代に人文書編集者としての著者が関わってきた数々の書名を眺めていると、感銘したあの本の編集者だったのか、あれもそうだったのかと、懐かしい気持ちになる。最近益々注目されているアーレントやカール・シュミットなどは、特にそうだ。
また、「翻訳者素描」は、みすずの出した本の翻訳者を紹介したものである。正に"素描"というタイトル通り、一編一編は決して長くはないが、あまり表には現れない翻訳者の人となりが浮かんでくる好編である。編集者として接した著者ならではの貴重な回顧であり、文章も味わい深い。
また、岡本太郎リバイバルの立役者、岡本敏子について書いた『ゆで卵とにぎり飯』は、「岡本太郎の本」がみすず書房から出ることになった経緯について書きながら、さらに驚くべき奇縁を語る。文に書き残してくれることによって、一つの事実が歴史に残ることを実感できた。
『戸田銀次郎親子のこと』に出てくる戸田銀次郎とは、幕末水戸藩で執政を務めた、著者の祖先に当たる人で、藤田東湖が亡くなった安政の大地震でやはり亡くなってしまった。評者も茨城は縁故地なので、その辺りのことを少し調べてみたくなった。
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東2法経図・6F開架:021.4A/Ka86s//K
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