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Amazon.co.jp ・本 (348ページ) / ISBN・EAN: 9784000614894
作品紹介・あらすじ
東日本大震災の津波被災地でしばしば語られる「霊」体験。メディアで取り上げられ、多くの人々の関心を集めてきた。この切実な体験をどう考えるか。物語の力、伝統宗教や習俗、儀礼との関わり、残された人の心身のケア、共同体における作用等から「死者の力」に迫る。被災地住民と宗教者への聞き取りに基づいた調査研究の決定版。
みんなの感想まとめ
東日本大震災の被災地における霊的体験を探求する本作は、死者と生者の関係性やコミュニティの在り方について深く考察しています。地域ごとの死者の捉え方の違いや、葬儀・供養の価値が軽視される現状に対する不安が...
感想・レビュー・書評
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被災地での死者がどう捉えられてるかに地域差があるという驚きと、そこから考察される死者と共にコミュニティを築くことについて考えさせられる。
被災地だけでなく、死生観や葬い、供養のあり方について誰もが考えるヒントがある。
結論章の「死者すら尊重しない社会が生者を尊重するわけがない」という言葉が重い。
葬儀や法要の簡素化が進む現状に漠然とした不安を感じていたが、その理由が少しわかった気がする。 -
死者の力、読了。
聞き取り調査に使用したアンケート結果が巻末に乗っていて、アンケート調査のいい参考文献になりそう。
読んでいて気になったのが方言。
例えば岩手で「ここにいる」というのをNow here に直訳しちゃってる。
これだと、続く論の前提がずれてしまう。
岩手県と宮城県の調査対象の違いは、おそらく檀家という共同体が機能しているかいないかであろう、との結論。
施餓鬼供養の分布については調査・記載なし。
阪神淡路との比較は、推論としてのみあり。
オウムのテロ事件と重なったことで、宗教そのものにネガティブなイメージがあった時代であり、比較対象群として前提を揃えることが難しい様子。 -
東日本大震災の被災地で起きた霊的体験をめぐる調査を通じて、生と死を見つめ直し、ケアとしての宗教(宗教者)や「心の復興」について考えさせられる本。ホラーではなく、心理学的・社会学的なアプローチという感じ。タイトルから感じるよりずっと冷静な印象の本だった。
霊的なものについては京極堂(©︎京極夏彦)の理論が僕の中ではしっくりきていて、受容する、という立ち位置に近い。つまり幽霊はいる(見たり聞いたり知覚できる)。だけど存在はしない、存在しないから科学で証明できない。だから霊を感じる誰かに対して、気のせいだよと一蹴するのは無理解だという程度に認識していた。結論で少しだけ展開される霊に関する考察も興味深いがそれは本論とはあまり関係がない。いまを生きる私たち生者に、「死者」がどう作用するかという話。
被災地という特殊な空間において、怪談話のようなネガティブなエピソードもあれば、心温まるエピソードもたくさんあって、結局語られる霊というのは人の数だけいるのだなとしみじみ思う。誰もが様々な形で被災したこの10年間、死者は生者の数だけ何かしらの作用を与えてきた。そんなときに心を支えてきたのはやっぱり、愛なのではないかなと思った。死者を悼み、苦しむ人に手を差しのべ、他者を思いやり、自分を信じて前を向く。死は生の一部だということをあらためて、人との関係性の中で考えさせられた。 -
S区図書館
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被災地(岩手·宮城)の宗教者にアンケートと聞き取りを行い、集まってきた被災地の「幽霊」譚と宗教者の対応を分析、宗教学的な考察を加えたもの。調査被害が出ないよう対象者を被災者遺族ではなく、その傍らで相談に応じる宗教者に設定し、アンケート内容も考案を重ねるなど倫理的な配慮がなされており安心して読める。また調査対象者も宗教宗派別に調べた上で分類されており、巻末に載せられているアンケート結果(自由記述欄の記述)は個人差も大きいものの宗教宗派ごとの特色が現れておりおもしろい。この結果の掲載が個人的には本書の一番の魅力になったと感じているが、もちろん本論も宗教学の専門家の視点で分析されており興味深い。個人的には被災地の「幽霊」譚といえば「震災(/津波)で死に別れてしまった家族や恋人が現れた」という類の、本書でいうところの「身近な」霊(二人称の死)だけを想定していたのだが、地元被災者の中でも「未知の霊」(三人称の死)が見られることが分かり、またその理由も詳しく考察されており興味深かった。
個人的に「幽霊」譚を含んだ、被災者の精神的な立ち直りの過程に関心がありその一環として読んだため理解が充分ではないが、宗教学に興味のある人ならもっと面白く読めるだろうと思う。 -
残留思念、残存思念、傾聴、物語りの力、浄化、癒し。東日本大震災後の東北における霊的体験を学術的、体系的に記したもの。
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