ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って

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  • 岩波書店 (2021年11月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (254ページ) / ISBN・EAN: 9784000614979

作品紹介・あらすじ

江戸初期のこと。『不思議の国のアリス』や『ドラえもん』にも登場する絶滅鳥ドードーが日本に来ていた!? その後の行方を追って四国へ長崎へ。時空を超えチェコやイギリス、オランダ、ついにはモーリシャスの島で這いつくばり生命のワンダーに分け入る! 日本史と西洋史、博物学と生物学の間を行き来する旅に、ご一緒ください

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!!ビジュアル資料もたっぷりで、大満足のノンフィクション、よくばり科学日本史世界史ミステリという感じでしょうか、上質です、とっても上質(2度言う)。表紙が魅力的ですね、長崎の出島を丘の上から見下ろすドードー、これは興奮です。内容は日本に輸入されていたドードーの足跡を辿り、ドードーについての基礎知識、ドードー研究の現在を読みやすく、トピックに分けてQEDに迫っていきます。迫るだけですが(笑)。正保4年のドードーと日本のドードー研究者、西洋史ヨーロッパにおけるドードー、モーリシャス。こういう系統の本は鳥類学者や自然科学系の研究者が著者であることが多く、そっち系の文章には慣れていない人も多いと思うが、本著はさすがの文学者によるものなので、非常に読みやすく、うまいことベイトをあちこちにちらせて、するすると引き込まれていきます。書店で、自然科学のコーナーに置いていたのだが、これは一般図書、ノンフィクションのところに並べておくほうが、売れるのでは?と思う。多くの人に読んでほしい1冊。

  • <書評>「ドードーをめぐる堂々めぐり」を書いた 川端裕人(かわばた・ひろと)さん:北海道新聞 どうしん電子版
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/636979?rct=s_books

    ドードーはどこへ行った?(下) 川端裕人
    図書 2020年12月号 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b552446.html

    ドードーはどこへ行った?(上) 川端裕人
    図書 2020年11月号 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b548209.html

    ドードーをめぐる堂々めぐり - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b593200.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      『ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って』絶滅の鳥、最後の一羽は江戸を旅した? - HONZ
      https://honz....
      『ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って』絶滅の鳥、最後の一羽は江戸を旅した? - HONZ
      https://honz.jp/articles/-/50793
      2022/02/01
  • 1600年代中ごろに絶滅してしまった、飛べない鳥、ドードー。
    『不思議の国のアリス』や『ドラえもん』にも登場する人気のこの鳥が、江戸時代の始めに日本に来ていた?!
    この事実を知った著者は、日本にやって来たドードーの行方を追い、さらにドードーの数奇な運命をたどって世界を飛び回ることに。

    ドードーとはポルトガル語で「のろま」を指すという。モーリシャス島でのどかな暮らしを謳歌していたドードーは、17世紀の初めにオランダの艦隊に「発見」された。
    折しも裕福な王侯や貴族たちがめずらしい生き物を収集する「驚異の部屋」が流行していた時期。ドードーはヨーロッパに連れていかれ、島に持ち込まれたネズミなどの動物に一掃されて、絶滅してしまった。
    日本へは、オランダ商船から将軍への贈答品として長崎の出島に連れて来られた記録が残っている。だが、出島以後のドードーの行方は、著者の丹念な調査によっても明らかにすることはできなかった。

    先日読んだ恐竜の本によると、恐竜の一部は飛べるようになり鳥に進化したが、再び飛ばなくなった恐竜もいたらしい。飛ぶという行為はそれほどエネルギーを必要とするものなんだろうと思う。島では安全だったため飛ぶのをやめたドードーが、外敵によってあっという間に絶滅に追い込まれたのは、まさに悲劇としかいいようがない。

    宮廷画家のデフォルメによって、でっぷりとした漫画チックな姿で後世に伝えられることになったドードーだが、実際はもっとスリムで野性味あふれる鳥だったようだ。
    博物学が発達した18世紀に、残された標本や化石によって再注目され、『不思議の国のアリス』で世界中に知れわたることとなったドードーであるが、イメージはそのまま引き継がれた。すでに記録媒体があった時代でもこんなに情報が伝わらないものなのだ、という事実に、一つの種が地球上から絶滅することの重大さを改めて感じる。

    ドードー絶滅のきっかけとなったオランダでは、ドードーの話をすると謝罪の言葉が出てくるそうだ。また、類似種を島に連れていき、失われたかつての生態系を取り戻そうという壮大な実験プロジェクトも進行中なのだとか。

    ドードーという悲劇の鳥を追うことによって、ヨーロッパから日本にいたる外交や文化、自然科学など、さまざまな視点から地球や人間の歴史を見つめ直すことができる奥深い一冊。

  • アフリカ大陸に隣接するマダガスカル島からさらに1000キロあまり沖に離れたインド洋上の孤島、モーリシャス島にかつて生息した、ずんぐりとして飛べない鳥 "ドードー"。大航海時代、オランダ人が発見し(1598年)、オランダ統治時代(17世紀半ば)に人間の影響で早々に雑滅してしまった鳥。一時存在が忘れ去られたが、19世紀に再発見され、今や「人間の力によって生物種が絶滅したことをはじめて明確に証明した例」、「世界的に著名な絶滅鳥、絶滅の偶像」となり、あの「不思議の国のアリス」にもユニークなキャラクター(吃音だった著者 "チャールズ・ドジソン" 自身を投影したキャラクター)として登場する "ドードー"。

    1647年、そのドードー1羽(しかも最後の1羽かもしれないレアな個体)が、オランダ船に乗って日本(長崎の出島)に来ていた!

    研究論文によってこの史実を知り、俄然興味を掻き立てられた著者(科学系のライターさん?)は、この個体を「出島ドードー」と命名。国内の古文書を紐解き、ヨーロッパの博物館を巡り、ドードーの痕跡を求めてモーリシャス島の発掘調査にも参加し、ドードーを巡る史実を調べまくった。著者の熱量、半端ないな!!

    「モーリシャスは絶滅の島。ドードーだけではなく、本当にたくさんの動物が人類の到来以降に姿を消した」とのこと。人間の営みが、これまでに多くの生物種を絶滅に追いやってきたことに改めて気づかされた。まあ、栄えた種の宿命と言えばその通りなのだが。

    本書、結局新たな発見が何もないまま終わる。いろいろ調べて奮闘しました、でも何も見つかりませんでした、というオチがいかにも残念。

    とは言え、著者の飽くなき探究心と今は存在しないドードーの不思議な生態に敬意を表したい。

  • 江戸時代に日本にドードーが来た?
    絶滅した鳥の行方を追う堂々めぐりの
    探求の旅を綴るノンフィクション。
    序章 堂々めぐりのはじまり
    第一章 日出づる国の堂々めぐり――正保四年のドードー
    第二章 ヨーロッパお堂々めぐり――西洋史の中のドードー
    第三章 モーリシャスの堂々めぐり――ドードーと代用ゾウガメ
    終章 堂々めぐりの終わり
    堂々めぐりの謝辞など、文献と注有り。

    「おしゃべりな絶滅動物たち」が面白かったので、
    こちらも読んでみたら、初っ端から日本にドードー!?
    偶然に読んだ記事から日本にドードーが来てたことを
    知るのが、堂々めぐりの始まりとなるとは。
    「出島ドードー」の痕跡を得るための史料探しに
    奮闘する、日本での堂々めぐり。江戸へ行ったのか?
    長崎に留まったのか?誰かが入手したのか?
    そして、近代ドードー研究者の蜂須賀正氏の事。
    ヨーロッパでの堂々めぐりは、オランダ、プラハ、
    イギリスでのドードーの記録や絵、博物館の標本などの痕跡。
    実在しなかった白ドードー。ドードーのイメージとなった絵。
    「不思議の国のアリス」のドードー。
    更に2017年、モーリシャス島での調査に参加。
    伝説の1865年の発掘地訪問。1990年代の近藤典生の活動も知る。
    絶滅したソリテアのいたロドリゲス島や、記憶の方舟たる
    モーリシャスの自然保護区エグレット島へも足を運ぶ。
    ヤバいな、これ。
    絵や画像が大量にあるうえ、史料探究の話が興味深く、
    ドードーに関しての好奇心が爆上りになってしまいました。
    出島ドードーの絵が何とも言えぬ雰囲気だったりするし。
    結局、ドードーの堂々めぐりは解決出来なかったけど、
    神社に奉納されたサイチョウなどの「鳥類標本」が
    あるように、思わぬ所からドードーの痕跡が出てくる
    可能性だって無きにしも非ず。今後の研究に期待したいです。

  • 江戸時代のドードーが来日していた!絶滅した鳥類の痕跡を辿る旅は結論のない堂々めぐり。

    「不思議の国のアリス」や「ドラえもん」にも登場し、絶滅種としては異例の知名度のドードー。痕跡を追って日本からオランダ、ロンドン、生息地だったモーリシャスまで。少ない記録や標本を辿る。

    言及される図版ははぼ掲載しており可能な限りカラーなところが良い。

    題名のとおり結論のない堂々めぐりなので、劇的な展開がなく単調。それだけ脚色もなく真摯に、ドードーと向かい合っているということだろう。

    生産性のない知的な探求、博学的な内容だからこそ楽しめる一冊。

  • 絶滅した動物の代表のような、個性的な見た目の飛べない鳥、ドードー。

    『不思議の国のアリス』や『ドラえもん』にも登場するので子供にも知られている…かもしれない(知らない人も結構いる気がする)。

    この本は、同じ絶滅したオオナマケモノについて調べていた著者が「日本にドードーが来ていた」という論文と出会ったことから始まる、日本から世界をわたる長き旅=堂々めぐりについて書かれたもの。朝日新聞の広告欄で見て、一目惚れして手に取った。

    表紙には、出島を望む長崎の高台に佇むドードー画。これは歴史画ではなく、論文を書いた研究者(画家でもある)が描いたものだが、夢のある、表紙にふさわしい絵画である。

    出島に滞在したオランダ人の記録がすでに1938年に日本人により編纂されていて、そこに「ドードー鳥」と記されているのに、それは動物学、ドードーを研究するような人の目には触れずに、2014年、オランダとイギリスの研究者により発見され、論文となった。

    オランダ人はドードーを絶滅させてしまった贖罪感をしばしば口にするそうで、たぶんそれは、ドードーの不恰好な姿(本当はもっとスマートであることがこの書には描かれているが)や、飛ばないことから捕獲されやすかったと聞く時の想像のしやすさというか、残酷さを思い描くからだろうか(狩猟再現画というのが掲載されてるがほんとかわいそう)。

    しかし、「間抜けな鳥(ドードーの語源)」だの、「吐き気を催す(肉が硬くて美味しくなかったそうだ)鳥」だの、「おろかな超おろかな鳥(チェコ、2回言わなくても)」散々な言われようで、本当に気の毒な鳥だ。

    でもその気の毒さ、見た目の間抜けさが人を惹きつけるのかなあと思う。

    はるばる日本に来たドードーの行方は…本書を読んでください。

  • 図版多数。ドードー愛溢れる一冊。

  • 17世紀頃に絶滅してしまったとされるドードー鳥が、鎖国時代の出島に来ていたという史実を追いかけるノンフィクション。
    内容は学術的だけど、著者自身の粘り強い調査の行方がコミカルに記されていて読みやすく、好奇心をそそられる。

    ドードー鳥メモ

    ■ドードー鳥はモーリシャス島やレユニオン島に生息していた固有種の鳥
    ■頭が大きく飛べない鳥。ハト科の分類とされる。物語や絵画などでは太ったコミカルな鳥として描かれている。
    ■人間がモーリシャス諸島に上陸したことをきっかけに絶滅してしまった。人間が持ち込んだネズミやサルなどがドードーの卵を食べ荒らしてしまったようだ。

  • 魅力的なタイトルに魅かれて手に取った。
    日本にドードーが来ていたなんてなんてワクワクするのかと。決定的となるものはなくとも読後もワクワクの気持ちは消えることなく、モーリシャスの絶滅動物と世界の歴史との関連について知ることができた満足感に浸れた。

  • すごい…
    大作。大力作。
    何がすごいって、愛がすごい。
    最近見た映画や本の中でもとりわけ愛が深い。
    すっかりドードーのファンになって、終盤出てくるドードーら絶滅種が生きていた頃の再現図見たときには涙が出そうになったくらい。

    好きなものに対して、ここまで一心不乱に身を捧げられるのが本当に素敵だしかっこいい。


    あと、著者の川端さんの、いい人なんだろうなと思わせる人となりも良い。ところどころお茶目というかかわいい。

    ニワトリが目の前駆けていって、思わずソリテア?!となっちゃうところとか、
    ゴールデンバット(黄金バット!)←ここかわいい
    ブロンズ像のゾウガメを一瞬本物と見間違えてテンション爆上がりなのもかわいい笑


    これを読んだ貴方は確実にドードロジストの仲間入り。

  • ものすごく気になっていたテーマが
    魅力的なタイトルで出版されたので購入。

    絶滅してしまったドードーが実は日本に上陸していたなんて
    想像しただけでワクワクしながら読みました。

    わかっていること、わかりそうなこと、まだわかっていないこと
    それぞれ現時点での状況を知ることで
    研究は今もこれからも続くのだなと実感しました。

  • ドードー鳥をフックにインテリジェンスミステリーな感じで、その軌跡を追うという形。それにしても文献とか残ってそうで残っていなかったり、またドードー自身の不確定さから靄がかかった軌跡で、非常に面白く仕上がってます。江戸時代に日本にドードー鳥がいた。これだけで話として面白いのですが、その追っかける中での判明する歴史と事実と推察は非常に興味深く読めます。

  • 断片的だった知識が整理されて大変勉強になった。
    後半の西洋行脚の話は読む前は興味なかったが、当時の生物種についての西洋人の認識がいかに現代人とかけ離れていたかがよくわかってとても面白かった。

  • 堂々(ドードー)めぐりの物語、おもしろかった。図版がきれいで、文章中に参照の形で何回も出てきて、わかりやすかった。

  • あんまり答えの出ない話は好みじゃないんだけど、これははじめから「堂々めぐり」とうたっているし、読みやすかったので良かったです。

  • 江戸時代初期、長崎の出島に絶滅鳥ドードーが来ていたらしい。四国、長崎、チェコ、イギリス、オランダ、更にモーリシャス島へ。

    絶滅鳥の中でも何故か気になるドードー。筆者の川端さんがドードーをめぐりアチコチへ。
    ドードーについて知らないことだらけで色々面白かった。
    絵も写真もカラーでたくさんあるのも嬉しい。良い本だった。

  • ドラえもんによって日本人には特に馴染みが深いかもしれない絶滅種の代表格ドードーが日本に来ていた?というところから始まる著者の旅。
    学術調査に近い紀行のような本なので、読み手は選ぶと思う。ドードーという言葉に特別な感慨を覚えるなら読んでみたら面白いと思う。

  • 推理小説のようで面白い。

  •  17世紀には絶滅していたドードーという鳥を巡る話である。絶滅した生物を求めて世界の各地を取材するドキュメンタリーの要素もある。
     この鳥は江戸時代の始めに長崎に連れてこられていたらしい。その記録を探るが決定的な資料がないのは残念だ。
     原産地のモーリシャスがオランダ、フランス、イギリスの支配を受ける中で、絶滅種の研究が影響を受けたことや、いま他種の移植によってもとの形に似た生態系を復元しようとする試みがあることなども紹介されていた。
     人間によって自然がどれほど影響を受け、どこまで手を入れることが許されるのかを考えさせられた。

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著者プロフィール

川端 裕人(かわばた・ひろと):1964年兵庫県明石市生まれ、千葉県千葉市育ち。文筆家。東京大学教養学部卒業。『ドードーをめぐる堂々めぐり──正保四年に消えた絶滅鳥を追って』『おしゃべりな絶滅動物たち──会えそうで会えなかった生きものと語る未来』(ともに岩波書店)、『我々はなぜ我々だけなのか──アジアから消えた多様な「人類」たち』(講談社、科学ジャーナリスト賞・講談社科学出版賞受賞)、『科学の最前線を切りひらく!』(筑摩書房)、小説に『ドードー鳥と孤独鳥』(国書刊行会、新田次郎文学賞受賞)、『川の名前』(早川書房)、『銀河のワールドカップ』(集英社)など多数。色覚をめぐる絵本に、『いろ・いろ 色覚と進化のひみつ』(絵・中垣ゆたか、講談社)がある。

「2025年 『新版 「色のふしぎ」と不思議な社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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