- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000614979
作品紹介・あらすじ
江戸初期のこと。『不思議の国のアリス』や『ドラえもん』にも登場する絶滅鳥ドードーが日本に来ていた!? その後の行方を追って四国へ長崎へ。時空を超えチェコやイギリス、オランダ、ついにはモーリシャスの島で這いつくばり生命のワンダーに分け入る! 日本史と西洋史、博物学と生物学の間を行き来する旅に、ご一緒ください
感想・レビュー・書評
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アフリカ大陸に隣接するマダガスカル島からさらに1000キロあまり沖に離れたインド洋上の孤島、モーリシャス島にかつて生息した、ずんぐりとして飛べない鳥 "ドードー"。大航海時代、オランダ人が発見し(1598年)、オランダ統治時代(17世紀半ば)に人間の影響で早々に雑滅してしまった鳥。一時存在が忘れ去られたが、19世紀に再発見され、今や「人間の力によって生物種が絶滅したことをはじめて明確に証明した例」、「世界的に著名な絶滅鳥、絶滅の偶像」となり、あの「不思議の国のアリス」にもユニークなキャラクター(吃音だった著者 "チャールズ・ドジソン" 自身を投影したキャラクター)として登場する "ドードー"。
1647年、そのドードー1羽(しかも最後の1羽かもしれないレアな個体)が、オランダ船に乗って日本(長崎の出島)に来ていた!
研究論文によってこの史実を知り、俄然興味を掻き立てられた著者(科学系のライターさん?)は、この個体を「出島ドードー」と命名。国内の古文書を紐解き、ヨーロッパの博物館を巡り、ドードーの痕跡を求めてモーリシャス島の発掘調査にも参加し、ドードーを巡る史実を調べまくった。著者の熱量、半端ないな!!
「モーリシャスは絶滅の島。ドードーだけではなく、本当にたくさんの動物が人類の到来以降に姿を消した」とのこと。人間の営みが、これまでに多くの生物種を絶滅に追いやってきたことに改めて気づかされた。まあ、栄えた種の宿命と言えばその通りなのだが。
本書、結局新たな発見が何もないまま終わる。いろいろ調べて奮闘しました、でも何も見つかりませんでした、というオチがいかにも残念。
とは言え、著者の飽くなき探究心と今は存在しないドードーの不思議な生態に敬意を表したい。 -
面白かった!!ビジュアル資料もたっぷりで、大満足のノンフィクション、よくばり科学日本史世界史ミステリという感じでしょうか、上質です、とっても上質(2度言う)。表紙が魅力的ですね、長崎の出島を丘の上から見下ろすドードー、これは興奮です。内容は日本に輸入されていたドードーの足跡を辿り、ドードーについての基礎知識、ドードー研究の現在を読みやすく、トピックに分けてQEDに迫っていきます。迫るだけですが(笑)。正保4年のドードーと日本のドードー研究者、西洋史ヨーロッパにおけるドードー、モーリシャス。こういう系統の本は鳥類学者や自然科学系の研究者が著者であることが多く、そっち系の文章には慣れていない人も多いと思うが、本著はさすがの文学者によるものなので、非常に読みやすく、うまいことベイトをあちこちにちらせて、するすると引き込まれていきます。書店で、自然科学のコーナーに置いていたのだが、これは一般図書、ノンフィクションのところに並べておくほうが、売れるのでは?と思う。多くの人に読んでほしい1冊。
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江戸時代のドードーが来日していた!絶滅した鳥類の痕跡を辿る旅は結論のない堂々めぐり。
「不思議の国のアリス」や「ドラえもん」にも登場し、絶滅種としては異例の知名度のドードー。痕跡を追って日本からオランダ、ロンドン、生息地だったモーリシャスまで。少ない記録や標本を辿る。
言及される図版ははぼ掲載しており可能な限りカラーなところが良い。
題名のとおり結論のない堂々めぐりなので、劇的な展開がなく単調。それだけ脚色もなく真摯に、ドードーと向かい合っているということだろう。
生産性のない知的な探求、博学的な内容だからこそ楽しめる一冊。 -
絶滅した動物の代表のような、個性的な見た目の飛べない鳥、ドードー。
『不思議の国のアリス』や『ドラえもん』にも登場するので子供にも知られている…かもしれない(知らない人も結構いる気がする)。
この本は、同じ絶滅したオオナマケモノについて調べていた著者が「日本にドードーが来ていた」という論文と出会ったことから始まる、日本から世界をわたる長き旅=堂々めぐりについて書かれたもの。朝日新聞の広告欄で見て、一目惚れして手に取った。
表紙には、出島を望む長崎の高台に佇むドードー画。これは歴史画ではなく、論文を書いた研究者(画家でもある)が描いたものだが、夢のある、表紙にふさわしい絵画である。
出島に滞在したオランダ人の記録がすでに1938年に日本人により編纂されていて、そこに「ドードー鳥」と記されているのに、それは動物学、ドードーを研究するような人の目には触れずに、2014年、オランダとイギリスの研究者により発見され、論文となった。
オランダ人はドードーを絶滅させてしまった贖罪感をしばしば口にするそうで、たぶんそれは、ドードーの不恰好な姿(本当はもっとスマートであることがこの書には描かれているが)や、飛ばないことから捕獲されやすかったと聞く時の想像のしやすさというか、残酷さを思い描くからだろうか(狩猟再現画というのが掲載されてるがほんとかわいそう)。
しかし、「間抜けな鳥(ドードーの語源)」だの、「吐き気を催す(肉が硬くて美味しくなかったそうだ)鳥」だの、「おろかな超おろかな鳥(チェコ、2回言わなくても)」散々な言われようで、本当に気の毒な鳥だ。
でもその気の毒さ、見た目の間抜けさが人を惹きつけるのかなあと思う。
はるばる日本に来たドードーの行方は…本書を読んでください。 -
図版多数。ドードー愛溢れる一冊。
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17世紀頃に絶滅してしまったとされるドードー鳥が、鎖国時代出島に来ていたという史実を追いかけるノンフィクション。
内容は学術的だけど、著者自身の粘り強い調査の行方がコミカルに記されていて読みやすく、好奇心をそそられる。
ドードー鳥メモ
■ドードー鳥はモーリシャス島やレユニオン島に生息していた固有種の鳥
■頭が大きく飛べない鳥。ハト科の分類とされる。物語や絵画などでは太ったコミカルな鳥として描かれている。
■人間がモーリシャス諸島に上陸したことをきっかけに絶滅してしまった。人間が持ち込んだネズミやサルなどがドードーの卵を食べ荒らしてしまったようだ。 -
魅力的なタイトルに魅かれて手に取った。
日本にドードーが来ていたなんてなんてワクワクするのかと。決定的となるものはなくとも読後もワクワクの気持ちは消えることなく、モーリシャスの絶滅動物と世界の歴史との関連について知ることができた満足感に浸れた。 -
すごい…
大作。大力作。
何がすごいって、愛がすごい。
最近見た映画や本の中でもとりわけ愛が深い。
すっかりドードーのファンになって、終盤出てくるドードーら絶滅種が生きていた頃の再現図見たときには涙が出そうになったくらい。
好きなものに対して、ここまで一心不乱に身を捧げられるのが本当に素敵だしかっこいい。
あと、著者の川端さんの、いい人なんだろうなと思わせる人となりも良い。ところどころお茶目というかかわいい。
ニワトリが目の前駆けていって、思わずソリテア?!となっちゃうところとか、
ゴールデンバット(黄金バット!)←ここかわいい
ブロンズ像のゾウガメを一瞬本物と見間違えてテンション爆上がりなのもかわいい笑
これを読んだ貴方は確実にドードロジストの仲間入り。 -
ものすごく気になっていたテーマが
魅力的なタイトルで出版されたので購入。
絶滅してしまったドードーが実は日本に上陸していたなんて
想像しただけでワクワクしながら読みました。
わかっていること、わかりそうなこと、まだわかっていないこと
それぞれ現時点での状況を知ることで
研究は今もこれからも続くのだなと実感しました。
著者プロフィール
川端裕人の作品






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https://honz.jp/articles/-/50793