ハブられても生き残るための深層心理学

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  • 岩波書店 (2021年11月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (270ページ) / ISBN・EAN: 9784000615020

作品紹介・あらすじ

私だけがのけ者にされ、みんなから悪く言われている……。そんな息苦しさを訴える声が多い。そう感じてしまうのはなぜか。また、こうした現象が日本社会で起きやすい背景とは。自身の経験や長年の臨床で得た深層心理学の世界観で、その仕組みを考察。悲劇に陥りがちな人生の台本を紡ぎ直し、自分らしく生きるためのヒントを説く。

■編集部からのメッセージ
 「ハブられる」という言葉は、なじみがないと感じる方もいるかもしれません。仲間外れにされる、排除されるという意味で、若い人たちなどに普通に使われています。少し前から、同調圧力や「空気を読め」といった流れに息苦しさを訴える声が増えてきたように思います。そして、SNSの普及や現在のコロナ禍において、そうした流れはさらに強まっているのではないでしょうか。
 本書では、自分だけがハブられていると感じてしまいがちな心性や、こうした現象が起きやすい日本社会の背景を深層心理学で解き明かそうとします。「鶴の恩返し」や「イザナギ・イザナミ」などの説話・神話に浮世絵、さらには海外の映画作品など、いろんな素材が取り上げられる、著者だからこその「深層心理学」となっています。
 本書の中で、著者は人生を演劇としてとらえることを提唱しています。そして、私たちは、悲劇をくり返してしまいがちな「心の台本」を抱えていると指摘します。「鶴の恩返し」の鶴は人間ではないことがばれて「自分さえいなければ」と去って行きます。そうした自己否定と自己嫌悪に満ちた「心の台本」を紡ぎ直して、自分らしい人生を見つけて生き残っていく。そこへの道筋を読者とともに考えていきます。

みんなの感想まとめ

集団から排除される「ハブられる」という現象を深層心理学の観点から探求する本書は、自己理解と人生の再構築を促します。日本社会に根付く「悲劇の台本」を紐解きながら、集団の同質性や異質者の排除のメカニズムが...

感想・レビュー・書評

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  • ■集団から排除される「ハブられる」という現象は、自分の知らないうち、裏で隠れて進行することが多い。
    ・日本人の文化の中には、悲劇の主人公を演じさせるような「台本」がすでにある。潔く去っていくという結末が「みんなの物語」として用意されている。
    →日本の「鶴の恩返し」と西洋の「カエルの王様」「美女と野獣」に見る異類婚姻説話の結末の違い

    ■集団は自分たちと似た者を取り入れ、異なる者を吐き出すという基本傾向を持つ。これは無自覚に繰り返されやすい。
    ・人は集まってグループを形成する。同類幻想を共有する集団は、一つの人格のように行動することが起きやすい。そして、同類思考の強い人たちが集まるほど、集団の同質性は強固になる。集団には、自分たちと似ている「同類」を仲間に入れ、考えや性質の異なる「異類」を排除しようとする基本原則がある。この「同化」と「異化」は無自覚にくり返されやすい。

    ■人生は劇に似ている。劇場には舞台のほか、役を降りてほっと一息つける「楽屋」もある。「人生の台本」の存在を知り、よりよいものに紡ぎ直していくことが大切だ。
    ・劇場の構造を知らない人は、人間関係で迷子になったり、奈落の底に落ちてしまったりすることもあるだろう。危険な目に遭わないためにも、人生に「劇的視点」を持つことはとても大事である。

  • あの素晴らしい愛をもう一度と歌っていた著者が書いた本。
    かつて転校した先の小学校でハブられた経験を持っているし、職業人生においても、仕事だからハブられるまで行かなくても、なんだか同じような居心地の悪さを感じる職場が多いし、40代から50代に至るまでにそれなりに耐性はついたようなんで、ここまできたが、本当に経済的にさえ支障がなければ明日にでも今の事務所は辞めてしまいたいと考えているが、やめるに辞められないみたいなジレンマがもうすぐ10年になる。
    翻ってこの本を読んでみて、著者が提唱する心の楽屋のようなものはそれなりにそうと知らずに持っていたんだなと認識できたのは良かったのかもしれない。
    ただ読み方が浅いので、もう少し自分の中で具体的にできるように、この本はちゃんと買って手元に置いてまた読んでみたいし、著者の別の著書も読んでみたい。

  • 「ハウツー本」と思ったら違うので注意!ハブられたらああしろ、こうしろとの具体的な提案はない。抽象的。
    正直内容が私には難しい。説話の解説や同衾(どうきん)文化は理解して読み進められるが、ハッキリと分かったにならない。
    ハブる方もハブられてそこから逃げ出す方もこういうことでそうなるんだよ、と教えてくれるが、だから後は自分で考えてやるんだよ。誰かを頼っても良いんだよという感じ。
    短い強い言葉で断言する米のトランプ氏の言動とは真逆だ。だから信用できると思う。もう一度読むとはっきりと見えてくるものがあるかもしれない。

  • keyword
    ・三角関係
    ・異分子をどう捉えるか

  • 今までの北山先生の書籍を読んだ人なら特に目新しい視点はないかもしれない。audibleで読了。個人的には特に最終章の「専門家」に向けての文章が非常に興味深く,そして深く腑に落ちた。自分も一応専門家だが,なんでこんなにも辛い道を選んでしまったんだろう。しかも引き戻せない道を選んでしまったんだろうとしみじみと考えてしまった。

  • 医学部分館2階心理学 : 146.1/KIT : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410170238

  • 2章までは興味深く読んだ。ただ2章以降は何の話なのかがわかりにくく、話の長い人と会話しているような気分になった。

  • 明治薬科大学図書館 ベストリーダー2022 10位
    https://kensaku.my-pharm.ac.jp/opac/volume/265126

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著者プロフィール

精神科医、臨床心理士、作詞家。
1946年淡路島生まれ。65年京都府立医科大学在学中にザ・フォーク・クルセイダーズ結成に参加、67年「帰って来たヨッパライ」でデビュー。グループ解散後は作詞家として活動。71年「戦争を知らない子供たち」で日本レコード大賞作詞賞を受賞。九州大学教授を経て現在白鷗大学学長。
著書『コブのない駱駝』『良い加減に生きる』他多数

「2021年 『「こころの旅」を歌いながら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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