東京裁判研究 何が裁かれ,何が遺されたのか

  • 岩波書店 (2022年2月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (286ページ) / ISBN・EAN: 9784000615143

作品紹介・あらすじ

東京裁判の審理には、どのような特徴や問題点が存在し、戦後の世界や日本社会にいかなる「未決の課題」を遺すことになったのか。そして、日本政治・社会は、東京裁判をどのように認識し、また忘却してきたのか。膨大な裁判の記録を読み解きながら東京裁判の全体像をはじめて描き出し、戦後史の中に位置付ける画期的研究。

みんなの感想まとめ

東京裁判に関する深い考察が展開され、特にその審理過程や戦後日本への影響が詳細に分析されています。著者は、東京裁判が日米合作によって実施された特異性や、昭和天皇の免責問題、陸軍と海軍の弁護戦略の違いに焦...

感想・レビュー・書評

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  • 毎日新聞2022326掲載 評者:加藤洋子(東京大学教授・近現代史)

  •  審理過程を中心に、戦後日本での受け止めも併せて見る。
     裁判審理自体に対しては、著者は2つの特徴を挙げる。第1に流動的な側面があったこと。それ故に外務省欧米派や大蔵省、また特に裁判対策を行った海軍はその恩恵を受けて免責の幅が大きくなり、逆に革新派や裁判を専ら自らの歴史観を披露する場とした陸軍に責任が転嫁された。そのため著者は、前者の免責された集団の戦争責任の曖昧化という問題点を指摘する。
     第2の特徴は、植民地支配やアジア人の被害を無視又は軽視するという、帝国主義国間の負の共犯関係があったという点。そのため日本では、植民地支配責任や帝国意識の未精算という課題が残されたとする。
     その上で著者は、戦後日本ではこうした裁判の特徴・問題点はほとんど認識されず、また審理内容は早々に忘却され、必要な基礎的知識や前提すらも欠落したまま不正確で安直な裁判否定論がくすぶり続けたとする。

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著者プロフィール

1985年、神奈川県生まれ。2015年、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。現在、中央大学商学部助教、博士(社会学・一橋大学) ※2018年11月現在
【主要編著書】『東京裁判―捕虜関係資料』全3巻(共編、現代史料出版、2012年)、「東京裁判と日本海軍」(『日本史研究』第609号、2013年) 「序列化された戦争被害」(『年報・日本現代史』第21号、現代史料出版、2016年)

「2018年 『考証 東京裁判 戦争と戦後を読み解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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