- 岩波書店 (2023年4月17日発売)
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感想 : 5件
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Amazon.co.jp ・本 (228ページ) / ISBN・EAN: 9784000615938
作品紹介・あらすじ
「俺は国際的の居候」と嘯く大正時代の作家、大泉黒石。ロシア人を父に持ち、複数語に堪能なコスモポリタンだった。『中央公論』連載の『俺の自叙伝』で一世を風靡するが、才能を妬まれ、虚言家だと罵られ文壇追放、忘れられた作家となる。国家も民族も飛び越え、人間性の普遍へと向かおうとした異端の文学者が、今、蘇る。
みんなの感想まとめ
作品は、大正時代の作家、大泉黒石の波乱に満ちた人生を描いています。ロシア人を父に持つ彼は、国際的な視野を持ったコスモポリタンであり、文学界に一世を風靡したものの、虚言癖や才能への嫉妬から文壇を追放され...
感想・レビュー・書評
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大泉黒石という
とんでもなく 面白い作家がいたよ
と 知らされたのが ほぼ二年前
すぐに「人間廃業」を手に入れて
読み始めたのですが
途中で… そのまま積読に
行きつけの「図書館」で
その大泉黒石さんの文字と肖像写真が
目に飛び込んできた
おっ あの黒石さんだ
と 読み始めてみると
まぁ なんと魅力的なお人なのだろう
と 最後まで
今一度本棚の「人間廃業」を
手にしたところです -
黒石の『俺の自叙伝』(岩波文庫)が同時発売。これがないと本書が成り立たない。
大泉黒石(1893-1957)、ロシア人外交官を父にもつハーフ。長崎、モスクワ、パリ、ペトログラードなどで少年期を過ごした。日本に戻った後は、三高や一高に入学するも、すぐに退学。その後ジャーナリストとして活躍。『俺の自叙伝』を出版し、作家として華々しい活躍をみせるが、30代半ば以降は鳴かず飛ばず。旅のエッセイなどを書いて糊口をしのぐ。戦後は進駐軍で通訳の仕事もした。本書は、その奔放で数奇なコスモポリタンの生涯(どこか平野威馬雄を思わせる)に光をあてる。
著者四方田犬彦の師は、黒石に大きな関心を寄せ、その全集刊行に関わった由良君美。が、刊行途中で由良は急逝。本書はその師の衣鉢を継いだものとも言える。もちろん、コスモポリタン的なところのある四方田だからこそ書けた評伝。
ただ、『俺の自叙伝』には、脚色や虚構と思える部分が随所にあり、そこが気になる。たとえば、パリの寄宿舎で会ったドーデのことを書いているが、ドーデはその10年前に亡くなっているので、これはフィクション。だとすると、11歳の時にトルストイに会ったというエピソードもほんとうなのか。パリやロシアでは放蕩な生活を送ったのに、そうした帰国子女が最難関の旧制高校、一高や三高の入試に合格できるものなのか。
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著者プロフィール
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