占領下の女性たち 日本と満洲の性暴力・性売買・「親密な交際」

  • 岩波書店 (2023年7月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (342ページ) / ISBN・EAN: 9784000616010

作品紹介・あらすじ

日本本土・満洲で同時進行的に形成された「性の防波堤」。そこには国家や共同体によって多くの日本人女性が駆り出された。ジェンダー、セクシュアリティの視座から占領下の多様な性暴力の実態と構造を明るみに出すとともに、戦後史のなかに黙殺されてきた被害女性たちの生きざまを貴重な資料と証言に基づいて浮かび上がらせる。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

占領下における女性たちの複雑な状況と、彼女たちが直面した性暴力や性売買の実態を深く掘り下げた作品です。国家や共同体による女性の「差し出し」というメンタリティの中で、様々な人々の証言や記録が整理され、そ...

感想・レビュー・書評

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  • なぜ兵士は慰安所に並んだのか、なぜ男性は「慰安婦」問題に過剰反応をするのか――戦前から現代まで男性を縛る“有害な男らしさ”(2019/08/09 19:30)|サイゾーウーマン
    https://www.cyzowoman.com/2019/08/post_242364_1.html

    占領下の女性たち 日本と満洲の性暴力・性売買・「親密な交際」 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b626361.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      女の本屋 > わたしのイチオシ > 平井和子・著『占領下の女性たち――日本と満洲の性暴力・性売買・「親密な交際」』   投稿◆茶園敏美 | ...
      女の本屋 > わたしのイチオシ > 平井和子・著『占領下の女性たち――日本と満洲の性暴力・性売買・「親密な交際」』   投稿◆茶園敏美 | ウィメンズアクションネットワーク Women's Action Network
      https://wan.or.jp/article/show/10728
      2023/07/24
  • ふむ

  • 昨年印象的だった平井美帆『ソ連兵へ差し出された娘たち』につづいて読んだ。この本の終章も「危機に際して女性を差し出す国に生きて」と題されている。この国の男が「差し出す」メンタリティの中にあることはまあ、事実で、それは認めざるを得ない。が、差し出された女性とそれを見送った女性、それを見ている子ども、「差し出されてくれ」と説得した男、差し出されて受けとった男、さまざまなレイヤーにわかれる人間たちの証言と記録と背景が整理されることで、それぞれの人間がもつ尊厳と弱さが見えた。バックラッシュなんかやってるヒマはないですよ、わたしたちはどうしたってもう一歩先に行かなければいけない。

  • 満州、占領下の日本など様々な場所での女性の性暴力や性売買が描かて怜太。日本では熱海のRAAとして政府が積極的に介在し地方政治が率先して売春所を開設したことが書かれていた。最も具体的なものは朝霞のRAAであり、絵も多く掲載されていた。資料には所沢や立川もRAAが記されてあったので、そのところをもっと具体的に書くことが多摩地区にある一橋大学の務めであるとも思われる。

  • 著者の平井和子氏は、一橋大学名誉教授の吉田裕氏のゼミ生を経験し、上野千鶴子氏や蘭信三氏と共に著書「戦争と性暴力の比較史へ向けて(岩波書店)」で協同研究を行った一人である。それ故に、近現代史を多面的に研究しつつ、戦時性暴力やジェンダー社会科学研究センターでの活動も通じて、本書の出版となった。
    戦前戦後の日本は、男性リーダー達によって「危機に際して女性を差しだす」暴力構造であった事を鋭く指摘する。1945年8月15日の敗戦後わずか3日目には、日本の誇り「大和撫子」を守らんとする政府・警察は、占領軍向けの性慰安施設(RAA)を全国各地に建設する。「大和撫子」を守るとしつつも、結局は女性が供され、かつ事務員募集などによる甘言によって慰安施設で働かされた日本人女性を告発する。一方、敗戦後の満州引きあげでは、暴徒化する中国人や匪賊に脅える取り残された日本人は、ソビエト兵に護衛を依頼するが、生け贄としての性接待女性の提供を取り引きし、生き延びて帰国する。長年口を閉ざしてきた女性たちが、近年になって公表し、テレビ番組や書籍となってその悲劇を語り継ぎ、慰霊碑が立てられるなどの取り組みも行われている。後半では、神奈川県や静岡県の占領軍駐屯地で大々的に広がった慰安施設とそこで働く「パンパン」に関わるエゴドキュメントを重層的に検証する。敗戦後に引き上げてきた帝国陸軍軍人の頑張りが足りず、敗戦の憂き目にあったと冷遇する銃後の日本人批判。自国女性を戦勝国兵士へ売る復員兵など、女性をものとしか捉えない当時の荒んだ思考が錯綜する。各章をまとめる形で、女性を犠牲にしてきた男性の問題は第一義的問題であるとしつつ、女性たちが主体的営為(エイジェンシー)を発揮して、資源と機転をフルに使って生きようとする。あるものは、占領軍の資源を確保して近所の住民と分け合い餓えをしのぎ、あるものは占領軍のオンリーとなって豊かな生活取り戻し、あるものは自衛手段として頭を丸刈りにするなど男装して、占領軍の性暴力を未然に防ぐなどで防衛した。
    最後に、全編に貫かれているのは、気が遠くなるような調査・研究を通じて、巨大な性暴力をあぶり出した点である。また、貴重な資料と証言からその内実をつまびらかにし、被害女性たちの声を戦後史の暗闇から掬い出す力作となっている。

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著者プロフィール

一橋大学非常勤講師

「2014年 『日本占領とジェンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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