人事と権力 日銀総裁ポストと中央銀行の独立

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  • 岩波書店 (2024年7月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784000616485

作品紹介・あらすじ

新日銀法で「独立性」を保障された日銀の「民主的統制」とは何なのか。人事の政治任用化はどう作用してきたのか。法改正の議論を再検証し、歴代トップ人事の舞台裏に肉薄。「「事を通じて金融政策をコントロールする」危険性を問題提起する。徹底取材を基にキーマンたちの思惑や行動を活写。権力中枢の力学を明らかにする

みんなの感想まとめ

金融政策における権力のダイナミクスを深く掘り下げた本書は、日銀の人事とその政治的背景を詳細に探求しています。特に、リフレ派の影響力がどのように日銀内部で拡大していったのか、またその過程で財務省がどのよ...

感想・レビュー・書評

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  • 金融エリート集団の日銀が金融素人集団のリフレ派に人事と権力を奪われていく過程がわかり面白い。
    改めてリフレ派とは物価や経済活動は”所詮資金の量で如何様にもコントロールできる”信じる宗教集団だということが本書を読むとよくわかる。

    以下、印象に残った箇所をメモ。
    ・黒田総裁2期目は「ワーストではなくワースの選択」だった。実は黒田以上に過激なリフレ派に日銀をのっとられるくらいなら、と黒田を推薦したのが当時の財務省だった。
    ・当時の財務省は安倍の政治的な強大さの前に、人事の重要性を認識しても、戦いを挑むことができない状況をあきらめと言っていた。
    ・そもそも財務省はリフレ派に対して極めて懐疑的だった。ある次官経験者はこう話す。「リフレ派は明らかにドグマ的であり信仰に近いものがある。したがって財務省はリフレ派には懐疑的。そのようなやり方で日本経済がデフレから脱却して正常化することはありえないと考えていた」
    「財務省の中で、リフレ派については基本的にネガティブな見方が大勢だ。資金供給量を増やすことで物価上昇を実現しデフレ脱却を目指すという政策論としてのリフレ政策を追求すべきとの考え方を省内で大真面目に議論しているのを見聞きした覚えがない。財務省としてリフレ派の是非について経済思想的な立ち位置に照らしながら真正面からまとめたのも記憶にない。リフレ派の主張はその程度の扱いであったということだ」

  • ふむ

  • 中央銀行の独立性を強化するためにおこなわれた日銀法改正が、大蔵省という防波堤が取り除かれたことで、結果的に人事の政治的任用の度合いを高めたという一連の政治過程をおっている。

  • これまでの著作同様に圧倒的な取材力。こんな話をどこから聞いたのか、と思えるようなディテールに引き込まれた。
    本書の中程に「黒田さん、安倍さんを批判するのも良いが、隙を与えない金融政策をやってきたのか」「独立性は向こうからやってくるものではない」「要するに政治力。それがないと負けてしまう」。そんな趣旨の記載があり、この部分を何度も読み返した。
    時の政権が人事に介在して金融政策を思い通りにするのが望ましくないのは当たり前だが、だからと言って財務省、日銀の手打ち人事のような時代には戻すべきでもない。金融政策の良きガバナンスのあり方はまだまだ模索中だ。

  • 東2法経図・6F開架:338.4A/Ka69j//K

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著者プロフィール

軽部 謙介(カルベ ケンスケ)
時事通信社解説委員
1955年生まれ。早稲田大学法学部卒業。時事通信社入社。社会部、福岡支社、那覇支局、経済部、ワシントン特派員、経済部次長、ワシントン支局長、ニューヨーク総局長等を経て、現在、同社解説委員。主な著書に『日米コメ交渉』(中公新書)、『官僚たちのアベノミクス』(岩波新書)など。

「2019年 『政策をみる眼をやしなう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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