「昭和天皇拝謁記」を読む 象徴天皇制への道

  • 岩波書店 (2024年8月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (300ページ) / ISBN・EAN: 9784000616492

作品紹介・あらすじ

天皇・側近たちの貴重な肉声が残された現代史の第一級史料、「昭和天皇拝謁記」。翻刻などにあたった著者陣が読みどころをわかりやすく解説する。象徴天皇制を始動させるにあたり、天皇は何を考え、宮内庁はじめ周囲はどう動いたのか。最良の「拝謁記」副読本にして、現代の、そしてこれからの天皇制を考えるための必携本。

感想・レビュー・書評

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  • ◆戦争認識巡る率直な対話も[評]山田朗(あきら)(明治大教授)
    <書評>『「昭和天皇拝謁(はいえつ)記」を読む 象徴天皇制への道』古川隆久、茶谷(ちゃだに)誠一ほか 著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/355636?rct=book

    「拝謁記1」 側近に感情を発露 退位にも言及 朝日新聞書評から|好書好日(2022.02.12)
    https://book.asahi.com/article/14546538

    「昭和天皇拝謁記──初代宮内庁長官田島道治の記録」(全7巻) 堂々完結! - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/news/n43580.html

    昭和天皇は何を語ったのか ~初公開・秘録「拝謁(はいえつ)記」~ - NHKスペシャル(2019年8月17日)
    https://www.nhk.or.jp/special/backnumber/20190817_2.html

    「昭和天皇拝謁記」を読む - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b649627.html
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    (yamanedoさん)本の やまね洞から

  • 288.41||Fu

  • 宮内庁長官であった田島道治の記録である7巻本の昭和天皇拝謁記のポイントを数人でそれぞれ解説したものである。最初の部分が、天皇が戦争について自分も問題だが陸軍の下剋上と国民も悪いという意見を出しているところは、他の本ではなかったと思う。さらに、憲法改正と再軍備について吉田首相に言うという天皇の言葉を田島が何度も諌めるということも他の本にはなかったところである。
     ただ、この本は少し厚いので、手っ取り早く読むには岩波新書の方がいいかもしれない。

  • 初代宮内庁長官・田島道治が残した「昭和天皇拝謁記」について、その翻刻などにあたった研究者たちが、原本からの引用も盛り込みながら、そのエッセンスをわかりやすく解説。
    引用されている「昭和天皇拝謁記」での昭和天皇と田島長官のやりとりから、人間としての昭和天皇の実像がありありと伝わってきて、「昭和天皇拝謁記」は本当に近現代史の第一級の史料だと感じた。本書の各論考は、「昭和天皇拝謁記」の読みどころを的確に紹介してくれていると思う。
    昭和天皇には、これまでシンパシーと敬意を持ってきたが、本書で戦争責任への認識や戦後も変わらぬ君主意識など、ちょっとこれまでのイメージが覆され残念に思う部分もあったのだが、それでも総体的にはやはり変わらずシンパシーと敬意はもち続けたいなと思わせられた。
    また、「昭和天皇拝謁記」を残した田島道治氏は、昭和天皇に諫言も厭わず終始一貫して真摯に向き合っていて、「仕える者」の鑑だと感じた。
    あと、当時皇太子だった上皇陛下についても触れられているが、現在はむしろリベラルな考えの持ち主とみられえている上皇が、訪欧前の東宮時代には保守的な考えを持っていると昭和天皇には認識されていたというのが意外で、その後どういう経緯で今の上皇となっていったのだろうかということが気になった。

  •  戦後初代宮内庁長官を務めた田島道治が昭和天皇や側近たちとの対話を綴った「昭和天皇拝謁記」が発見され、第1級の資料として2019年8月、NHKのスクープ報道と「NHKスペシャル 昭和天皇は何を語ったのか~初公開・秘録“拝謁記”~」で紹介され、大きな反共を呼んだ。田島道治の残した膨大な記録は、後に本書の著社達である古川隆久らが、2021年から2年にかけて全7巻をまとめ上げ、全公開した。本書は、「昭和拝謁記のダイジェスト版」であり、著者らが新発見を多面的・複眼で考察し、まとめ上げた第1級の昭和天皇を証言する記録でもある。
     アジア・太平洋戦争は、歴史修正主義者などが解釈する「軍部の独断専行」であり、昭和天皇に戦争責任はなかったなどの考え方が根強く残る。しかし、本書を読めば、世界情勢から国内情勢を背景に、軍備増強と戦争へと突き進んだ昭和天皇自身の判断や決断がすっぽり抜け落ちて、「軍部の下克上」が原因であると自身の戦争責任を放棄するかのような発言を繰り返している。また、一方で、国民が自信の考え方を持たずに他人の言動に同調してしまう付和雷同によるものだとも繰り返し回顧し、国民の責任に転嫁している。しかし、大正デモクラシーによる民主化と関東大震災直後に皇太子時代の昭和天皇を襲った虎ノ門事件を契機に治安維持法が作られ、目的遂行罪なども加わり、国民の思想信条や言論弾圧を行った大日本帝国の総覧者である昭和天皇の責任は重い。昭和天皇の歴史を振り返り、リーダーとしてどのようにあるべきかを見つめ直す良書となった。

  • 東2法経図・6F開架:288.4A/F93s//K

  • 【本学OPACへのリンク☟】
    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/720107

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著者プロフィール

1971年、石川県に生まれる。1995年、明治大学文学部史学地理学科卒業。2006年、立教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。文学博士(立教大学)。現在、立教大学兼任講師 ※2015年11月現在
【主な編著書】『昭和天皇側近たちの戦争』『昭和戦前期の宮中勢力と政治』 『日中戦争 対中国情報戦資料』共編著

「2021年 『昭和戦前期の宮中勢力と政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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