- 本 ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000616515
作品紹介・あらすじ
「決めたぞ。戦時下の日常で起きた重要なことを、きょうからひとつひとつ書き残すことにする。」(一九四一年一月十六日)――戦時下に密かにつづられた日記。第三帝国の下劣さ、馬鹿らしさを批判し、空襲や迫害など戦争の中の日常を鋭い観察眼で描いたこの記録から、今わたしたちは何を読み取ることができるだろうか。
感想・レビュー・書評
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ドイツにとどまり続けたケストナーの敗戦へ向かうドイツの日記。膨大な注釈や索引があり、読み込むのになかなかのハードルだったが、ケストナーの反骨精神が垣間見られる。
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毎日新聞20241019掲載 評者:岩間陽子(政策研究大学院教授,日本国際政治学会評議員etc,国際関係論)
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『内なる亡命日記』よりも上級国民ぽさを感じる
知らなかったとする一般市民が多いが『内なる亡命日記』 同様、ジェノサイド風聞が伝わっている
破滅に突き進んでいる日々が淡々と描かれる -
東2法経図・6F開架:945A/Ka78k//K
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【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/720214 -
「終戦日記」と読み比べると元々書かれていない事をケストナーが加筆している個所が多々ある。グデーリアンの邦題「電撃戦」で書かれている宣伝省次官ヴェルナー・ナウマンから依頼された談話は「戦争日記」では単に彼の発言を引用しているだけだが「終戦日記」ではポーランド人の地主からダイペンホーフを略奪したグデーリアンに代表される当時の国防軍の軍人批判を書き加えているので「終戦日記」は「青い本」こと「戦争日記」を元にした日記体の実録と見た方がいい。「終戦日記」は1961年に刊行されているので1951年に刊行されたグデーリアンの回想録をケストナーが読んで書き加えた可能性はありそうだ。
邦訳者のあとがきには第三帝国前後の日記としてケストナーが関わりを持ったコンラート・ラッテのUボート生活で深いつながりを持つルート・アンドレアス-フリードリヒの「ベルリン地下組織」と「舞台・ベルリン」が出て来ないので知らないのだろうか?「ペーター・シュナイダーが編纂したコンラート・ラッテの回想」つまり「せめて一時間だけでも」には「ベルリン地下組織」が言及されているが。278頁には「一九四五年以降に成立した長編小説のメモの中でも」ケストナーが「HJの記章をつけ、母親を連れてレオンに来た若いバウアー」と書いたとあるが「せめて一時間だけでも」ではラッテは「HJの記章」ではなく労働戦線の記章をつけて地下生活した記述があり、両親が強制収容所に送られて一人になってからケストナーと会っている事になっている。ラッテが強制収容所に送られなかったのは注釈にある田中路子とつながりがあったというDDR時代の有名人になったヴォルフガング・ハーリヒの裁判に証人として出廷する為。田中路子がゲスターポなどに面が割れているハーリヒが関わるKPDの組織と関係あったとは知らなかった。
「せめて一時間だけでも」によるとハーリヒは脱走した上にKPDのパンフを持って逮捕されたのに死刑どころか強制収容所や執行猶予部隊送りにもならずに「三ヶ月の禁固刑」で済んだとある。「除隊」とあるのは両親が有名人なので、それで済んだという事? -
「Das Blaue Buch: Geheimes Kriegstagebuch 1941 - 1945」の翻訳(2024/08/25発行、5060E)。
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