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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784000616652
作品紹介・あらすじ
「おれはもうおじさんではなく、おじいさんだ」――様々な思いをおきざりにして生きてきた長坂誠、65歳。その運命の歯車が或る姉弟との出会いから動き出す。おきざりにされた者など、いない。生きていくかぎり、ささやかでも希望が生まれ、その旅は続いてゆくから。吉田拓郎の名曲にのせて贈る、昭和の香り漂う令和の物語。
みんなの感想まとめ
人生の過去を振り返り、自身の生き方を見つめ直す65歳の主人公が描かれています。彼は、隣人の姉弟との交流を通じて、心の奥に眠っていた優しさや希望を再発見します。波瀾万丈の人生を歩んできた彼が、困難な状況...
感想・レビュー・書評
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なんだか胸がほっこりとあったかくなった!
長坂誠の人の良さがはじめから最後まで、満ちていた。
昔懐かしい吉田拓郎の歌がまたじんわりとくる。
原田さんの言葉通り、励ましに満ちているし、胸をいっぱいにしてもらえた!
この後の、誠、恵、真子、圭4人がいったいどうなっていくのか?もう妄想が止まらない!
答え合わせをしたいので、ぜひ続編を!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公はまさに波瀾万丈の人生を歩んできた初老の男性。隣人の子ども達とのやりとりがとても温かい。優しく、しっかりと包み込むような言葉。
困難な状況にも情を失わないで生きる姿。
ラストの詩がいい。
俺を見ていろ 俺を見ろ
もっと俺に
もっと俺になってやる
明日を見ていろ 明日を見ろ
きっと本当に
きっと本当にしてみせる -
原田宗典さんの絵本に続き2冊目。
これも図書館で借りてきました。
タイトルからして意味深ですよね。
内容もちょっと切ない。
65歳の主人公が生きてきた過去、それは「おきざり」にした人生だったり、人だったり。
ある日、アパートの隣の部屋の2人の子どもとの出会いによって主人公の生き方にも変化が起こる。
人のために自分に出来ることがある。子どもたちの力になることで勇気づけられる。
昭和のフォークソングに乗せて、主人公と子どもたちの夢も希望となっていく。
とっても良いお話で続編もそのうち出てくるようです。
ただ、原田さんの出身の岡山がやっぱり実家として出てきますが、あの岡山弁は・・・
関西弁と混じってるし、ちょっと聞き苦しいかな(◔‿◔)
失礼しました。 -
「そういえば昔、覚醒剤で捕まったとかだったな…」と、図書館の新刊コーナーで手に取った。
たぶん原田宗典を読むのは初めてだ。
思いの外良かった。淡々とというか飄々とというかの語り口で安アパートで展開する結構ハードとも感じられる話が展開していく。気負いのない書きぶりだ。
同じ著者の他の本も読んでみたくなった。 -
表紙のデザインの色とタイトルを見て、
希望を感じる話だとは、あまり思わないだろう。
65歳の自分はもうおじさんではなく、おじいさんだと人生を半分諦めてしまっている主人公、長坂誠が、母親に置き去りにされてしまったアパートの隣人の姉弟を、親切(お節介)に世話する物語。
自分の辛い境遇はさておき、姉弟のために奔走する。優しい、優し過ぎる。こんないい人いないだろう、と思うほど彼は優しい。
やがて彼の優しさに姉弟は心を開き、特に自閉症の弟は、好きな書道で才能を開花させる。
最後の方は話が、多少、支離滅裂になっているようにも思うが、お伽話のような展開で、道が開かれていく希望のラストが心地良い。
以前、著者のエッセイが面白いからと、人から勧められた。読んでみると本当に面白かった。読みやすい文章、話の面白さ。あれから、どうなってしまったのか、気になっていた。だが読んでみて、分かった。彼の作家としての才能は、あのまま埋もれてしまってなど、なかった。 -
夢踊るファンタジー。なにかわらしべ長者的展開だが、これがいいのだ。ばついち一人暮らし65才の長坂誠。これまでの低空飛行?にも絵とギターは離さなかったが、母におきざりにされた隣室の姉弟少年とかかわりをもったことから、事は動き出す。
フォークリフト運転手の長坂は仕事中に右膝ががくっとなり昏倒。病院に運ばれた。駆けつけた主任は、無事故695日が終わってしまった、明日はシフトに入ってるから出勤しろとわめく。そばで聞いていた同室の老人が、「あれは前世がないな、前世はずうっと虫とか獣でね、人間になったのは今回が初めてなんだ。だからあんなふうなんだよ」 この言葉に思わず吹き出してしまった。
部屋に戻ると隣室の母子3人家族の母はどこかにいって電気と水が止められてる様子。中学生の姉と小学生の弟にカレーを作ってやる。ギターを見た姉に拓郎の「おきざりにした悲しみは」を歌うと、姉もまねて歌い出すとそれが藤圭子ばりにうまい。弟は字がめっぽう上手で・・ 長坂のこれまでの人生と、今の姉弟とのできごとが交互に進んでゆく。
原田宗典は20世紀にエッセイをよく読んだ。漂うユーモアが好きだったが、小説は初めて読んだ。途中いろいろあったが、この主人公長坂ともオーバラップする。まっとうに生きてれば、なにかいいことあるよ、いや、なくてもそれでもいいじゃん、といわれてるような。
2024.11.8第1刷 図書館 -
離婚、父親との死別、隣人を庇ったことによる逮捕…。それら波乱万丈の人生の中で生まれた別れや悲しみ、喜びさえもすべて置きざりにして、今は古アパートで孤独に生きる主人公の長坂誠。
それでも、最後まで捨てずに貫き通したのは義理と情に厚いという性格。
その人徳により、隣人に手を差し伸べる中で、孤独な生活の中で奇跡のような出会いが生まれる。
何があったとしても自分の信念は曲げず、実直に進んでいれば、人生捨てたものではないなと思える作品。
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歌がリフレインする~
ちょっとだけ上の世代だけど、おじさんの気持ちはよくわかる。昭和のほのぼのさといい加減さがちょうどいい。
突飛さやドタバタ感はあるもののほのぼのとした懐かしさ。
久しぶりに読んだ著者作品。
やっぱりいいなぁ。 -
「ええ話や」だけで終わらない、でもええ話である。今となってはもう古いスタイルかもしれないが、それも含めて現在の原田宗典さんの作品なのだろう。おっさんには特にずっしりと響く。
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やっぱり原田宗典さん好きだわ
むかしを思い出す
マハさんも好きだが、宗典さんはいい
久しぶりに実家から『スメル男』を取ってきて読み返してみよう! -
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放蕩生活に身をやつした主人公の長坂誠は、今や65歳。
なんとか放蕩生活から逃れようと、心機一転東京へ出てきた。
そこで派遣社員として物流倉庫のフォークリフトの運転手として職を得て、今に至っている。
経済的には楽ではなく、住まいは築40年を過ぎたボロアパートで、家賃が3万8千円の6畳一間の時代に取り残されたような住まいだった。
ある日、共用スペースに置いてある洗濯機の水道栓から、隣の部屋に住んでいる少女が水を汲んでいるところに誠は遭遇する。
事情を少女に尋ねると、ガス、水道、電気が止められていると言う。
20日前、直ぐに帰るからと言って1万円を残して出掛けたきり、母親が未だ帰ってきていないと言う。
猛暑の中、クーラーも使えず食事もできないのではと誠は同情し、翌朝の食事と飲み物を少女と弟の住んでる部屋に届け、夕食には誠の手作りカレーをご馳走しようと、中学生の真子と小学生で自閉症の弟の圭を自室に招待する。
最初は警戒と遠慮していた姉弟は、誠の勧めもあってカレーを美味しいと言いながら貪り喰った。
これまで孤独の生活を過ごしてきた誠は、真子と圭との交流を通して、初めて生活に充実感を感じるようになる。
数日が経過した辺りで分かったことに、真子は並外れた歌唱力があり、弟の圭は書道に長けていて、難しい漢字を見事に書き、そして難しい漢詩も書けるという特異な才能を擁していた。
誠の趣味の一つがギター演奏ということもあり、誠の伴奏で真子が歌う時もあった。
しかし3人の穏やかな生活がこのまま続くわけもなく、波乱万丈の日々が迫ってくる。 -
"おきざり"にした、じゃなくて、"おにぎり"にした悲しみはだと思って、ずっとおにぎりが頭の中にあった笑
主人公は貧乏で犯罪にも関わってるような暗い環境に置かれてるけど、その人と一緒に過ごす子供2人からも学ぶこともあって、一気読みした。
マカロニえんぴつのはっとりさんがおすすめしてて読んだ。音楽・ギターも出てきて、あいみょんもセリフに出てきてよかった。最近の出来事も書かれてるから読みやすい!
最後の方に、中国の人が出てくるけどそれは理解しづらくて、ちょっと怖い -
ようやく、本当にようやく、宗典さんが帰ってきた! 初期の作品を彷彿とさせる、読んでいて楽しくてわくわくする、希望に満ちた物語だ。
主人公は自身を投影したかのような、様々な才能を持ちながらも開花させることなく終わらせてしまった65歳の男。ひょんなことから同じアパートに住む2人の子供の面倒を見ることになる。
それぞれの登場人物たちの体験がフラッシュバックのように挿入され現在につながっていく。誰の過去も暗く重いが、未来には光がある。
そしてタイトルをはじめ、物語を彩る名曲(主に昭和)の数々! 最高だった。 -
何年ぶりだろう、著者の本を読んだのは。
著者の書く、優しくってちょっと不器用な感じの登場人物が好きで、どこかふんわりとした雰囲気の物語が好きで、気に入って頻繁に作品を手にしていたのはどれほど前だったか。
著者の率いる劇団の舞台を見に行って、握手会?サイン会?そんなのにも参加した覚えがある。
事件があってからずっと、作品に触れる機会がなく、いつしか私も小説を読むことがめっきり少なくなってしまっていた。
昨年、新刊が出たと知って懐かしくなり、予約して読んでみたのだが。
ああ、そうだった、こんなふうに物語を書く人だった。読みやすくて入りやすくて、ふわっと心を温めてくれるようなお話。
ほぼ一気読みで読み終えて、喫茶店で読んでいたのに、気づけば泣けてしまっていた。
正直なことを言えば、自閉症だという圭については、ほんとはいろいろ言いたいことがある。だけどこの際野暮なことはいうまいと思った。そう思わせてくれるくらいの作品ではあったということ。
この物語に出てくる人たちはみんなフィクションなのだけれど、どうかみんな、幸せに暮らせますように、そんなふうに願わずにはいられなかった。
読んでよかった。 -
続きが気になる展開で、すぐに読めました。
ご都合主義的な展開かもしれませんが、それでも最後には涙がホロリとされられました。
昭和の歌謡曲が登場し、聴いたことがない曲も多かったのですが、曲を知らなくても問題はありませんでした。
原田宗典さん自身の人生を反映させたような主人公でしたが、主人公の妹が冷たい態度なのが、ちょっと気になりました。
原田宗典さんは、近年は、原稿用紙に筆で執筆しているようですが、本作はもう少し話を膨らませられそうなのに、比較的短めで終わったのは、執筆方法によるものかもしれません。 -
大昔、25歳はお肌の曲がり角…という化粧品の宣伝文句がありました。今、65歳は人生の曲がり角なのであります、確実に。国からは前期高齢者という名前ではっきり高齢者ハンコ押されるし、会社からは多くの人は定年延長の期限とされます。同世代が集まると必ず出るのが、健康の話と孫の話…そして山の下り道も楽しく生きようね!的な終わり方をするのです。そんな「下り道」世代のお伽話が本書です。ちなみに前期高齢者とか定年とか年金とか、そんな話はまったく出て来ません。本書のエッセンスは最終章で主人公が歌う「ほんとうの歌」に凝集されていると思います。
“俺を見ていろ 俺を見ろ もっと俺に もっと俺になっどてやる 金もなければ女もない 才能なんてどこかに忘れた 生きてる限り馬鹿王子 それでも言えるぜありがとう 俺を見ていろ 俺を見ろ もっと俺に もっと俺になってやる 明日を見ていろ 明日を見ろ きっと本当に きっと本当にしてみせる 恋もなければ 愛もない 悲しみなんてなんだか忘れた いつも他人の花が咲く それでも言えるぜありがとう 明日を見ていろ 明日を見ろ きっと本当に きっと本当にしてみせる”…そして結語は「長坂誠(主人公)の旅は、続く。」。これ、作者「原田宗典の旅は続く。」っていうアンセムじゃん!この本が図書館で予約いっぱいなのがわかります。お伽話だけど、作者のリアルメモリーもめちゃ埋め込まれているのも読後知りました。主人公や作者だけでなく、読者にも「旅は、続く。」と思わせてくれる本でした。 -
浮沈ある人生、過去におきざりにした悲しみは決して消えず日々の生活に寄り添っている。それでも、悲しみを与えるのも癒やすのも人であることを知り、人を拒まずにいることで集まってくる温もりがある。エンタメでサスペンス、かつじんわり心に沁みる作品。
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人情ものといった風情の小説で、作者の人となりとかぶって(昔は作者のエッセイをよく読んでいたが、あの事件以来目にしてなかった。)なんだか胸熱だった。才能もあり、それを続ける根気もあるのに情熱が足りない。向上心というか上昇志向の欠如が、不幸であるようにも思うが、それがこの人物を魅力的にしている。とにかく優しい。吉田修一や重松清が描きそうな昭和の男の物語なんだけど、哀愁とユーモアの割合が秀逸。さすが。最後は希望の見える展開で、読後感もよかった。
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原田宗典さんの、これ、こういう文章、文体、いいなあ。好きだなあ。水のような…そんなかんじですね。流れるような、波打つような、澱むこともあるし…今までの経験全てで、たどり着いたのですね。長坂誠さん、ありがとう。これからきっといいこといっぱいあるはず。真子と圭もよかった。偉いね。お母さん帰ってきてよかった。親子3人で平和に暮らしてね。長坂さんとの交流も続いてほしいな。圭の書もまたすごいことになるのかも。希望を感じるラストでよかった。涙出てしまった。原田さん、エッセイすごくおもしろくて笑っちゃうのに、こんな長編も書くんだから、んもう、なんだかんだすごい人です。
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