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Amazon.co.jp ・本 (446ページ) / ISBN・EAN: 9784000616744
作品紹介・あらすじ
NATO拡大によって、冷戦終焉後に高まった米ロ協調への期待は急速に失われ、新たな分断線が決定的なものとなった。その政治的な選択はいかになされたか。外交史研究の第一人者による本書は、アメリカ・ロシア・欧州各国のリーダーたちがポスト冷戦秩序の構築へ向けてせめぎあう一九九〇年代の壮絶な権力ドラマである。
感想・レビュー・書評
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第6章: 隆盛と衰退
NATOとロシアの関係
- クリントン大統領は、NATOがヨーロッパの安全保障の基盤であると強調。
- OSCEを周辺化し、同盟外の国からの拡大拒否権行使を許さないと発言。
- ロシアはこれに対して侮辱を感じ、エリツィン大統領は公に反発。
プダペスト覚書と核兵器削減
- プダペスト覚書に署名する計画が危機に直面。
- タルボットは、エリツィンを説得する必要があったと述べ、クリントンの努力によってSTARTIとSTARTIIの批准が進展。
- STARTIは9000発以上の核弾頭の削減を目指し、その後のSTARTIIでも5000発の削減が期待される。
ボスニア情勢と国際的な反応
- ボスニアについての声明は、ロシア代表団がセルビア人勢力を不当に名指しされたと感じ、発表を拒否。
- コール首相はクリントンに対し、ボスニアでの行動不足を指摘。
第7章: 氷結
ポーランドのNATO加盟
- ボーランドはNATO加盟を目指すが、懸念も存在。
- バヴラク首相との会談で、ポーランドは核の保証がなくても加盟を受け入れる意向を示す。
- ワレサ大統領は、加盟が容易になるならば譲歩する姿勢を見せた。
ロシアの反応
- ロシア外相は、NATOの拡大に対して高い評価を持ちながらも懸念を表明。
- ウクライナの位置づけについて、ポーランド、ベラルーシ、冷戦時代のフィンランドのいずれかになると考える。
第8章: 拡大のコスト
NATOの拡大に関する決定
- NATOの拡大は、冷戦後の最初の拡大に向けた方針を確認。
- マドリッド首脳会議では、チェコ、ハンガリー、ポーランドの加盟を決定。
アメリカの外交政策
- アメリカは、拡大の方法として新規加盟国を段階的に受け入れるプロセスを構築。
- 核兵器の新規加盟国への配備を放棄し、ロシアとの対話を維持。
第9章: それは始まりに過ぎない
ロシアの反発
- エリツィン大統領はNATO拡大を拒否し、形式的には重要な会合に招待されるも実質的には無視されると感じる。
- マドリッド首脳会議に向けて、ロシアの協力が期待されるが実現には至らず。
終章: 新たな時代
冷戦後の秩序
- NATOの拡大は、冷戦後の新たな分断線を引く結果になり、希望が実現しなかった理由は指導者たち自身の選択に起因する。
- 米露間の信頼関係の崩壊と、国際的な安全保障の新たな課題が浮上。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/729786 -
東2法経図・6F開架:329.37A/Sa69i/2/K
著者プロフィール
岩間陽子の作品
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