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Amazon.co.jp ・本 (1440ページ) / ISBN・EAN: 9784000802024
みんなの感想まとめ
キリスト教の信仰や思想、文化的な広がりを総合的に捉えた辞典は、約4500項目を収録し、キリスト教用語に加えて歴史や文学、芸術、習慣に関する用語も網羅しています。五十音順に整理された解説は、キリスト教の...
感想・レビュー・書評
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キリスト教に興味を持って勉強を始めると、すぐにわからないことが出てきたり見覚えのない言葉や名前に出くわすことと思う。そんな時に頼りになる一冊の辞典がある。それが本書『岩波キリスト教辞典』である。評者はカトリック神学を勉強していたことがあり、本来は『新カトリック大事典』を手許に置いておきたいところであるが、学生の頃に手に入れた本書がことのほか重宝している。本当に何かを調べようと思う時のためには、英語で定評のある辞典を幾つか揃えているのだが、その深掘りする手前の段階で本書は非常に頼りになることを実感する。
まず、キリスト教神学はヨーロッパで発展したこともあり、その言葉のほとんどはアルファベットで記されている。中世の人物の名前であったり、単純に神学で用いられる言葉であったり、気になった語をすぐに調べることのできる本書の巻末に付された欧文索引が非常に役に立つ。これは大きな辞典を開かずして訳語を確かめる際にも大いに役立つことである。評者も卒論執筆の際の訳語選びに参照し、見当を付けたうえで最終的には個々の研究の中でいかに翻訳されてきたのかを検討していった。その前段階としてその分野で何が論じられ、どのような広がりがあるのかを本書を通して確かめることができるのである。
内容についてであるが、現在刊行されているキリスト教辞典を見渡した際、本書のようなバランスと記述の深さを備えた辞典は見当たらない。先にも指摘したように欧文検索では幅広い事象を扱おうという方針が功を奏してコンパクトながらも網羅的にものを調べられる辞典になっている。海外のものの翻訳は、原書では簡潔な記述でも翻訳された途端に叙述が硬くなり、なおかつ痒いところに手が届かないことが多い。ところが本書はその部分を絶妙にクリアしているのである。深掘りする必要のある読者には金額も場所もとるが定評のある海外の辞典あるいは『新カトリック大事典』を手に入れることが必要になろう。本書の中には簡潔にして要を得た記述を様々な項目に見出すことができる。もし機会があれば佐藤研氏の「Q文書」、関根清三氏の「旧約聖書」、大貫隆氏の「グノーシス」、また評者の関心から言えば「ニューマン」「オックスフォード運動」「霊操」「慰め/すさみ」などを参照してみてもらいたい。
それから本書の特徴の一つとして日本のキリスト教に関しての記述が充実していることも指摘したい。本書の執筆されている内容はそれぞれの項目の主に西洋における研究の現在を提示するものではありつつも、それが日本の読者に向けて簡潔に書かれていることが見て取れる。そうした動向に加えてキリシタン研究や近現代の日本キリスト教史に名を残している人々についての項目を多数見出すことができる。研究は常にある視点を通してしかなされ得ず、個々の執筆者の見解が反映された項目も散見されるが、これだけの項目を網羅的にこの小さなスペースに盛り込んだ仕事は未だないのではなかろうか。ぜひ手許に置いておきたい一冊である。復刊が望まれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
キリスト教用語を中心に、歴史、文学、芸術、習慣などの用語、さらにキリスト教思想・文化と関係の深い一般語も含め約4500項目採録されている。
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大貫隆,名取四郎ほか:編、岩波書店、2002年。
日本で編纂されたキリスト教辞典で新しいもの。
内容はキリスト教の信仰、思想、文化的な広がりなど総合的。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/28027 -
£ 35
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pedia
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