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Amazon.co.jp ・本 (330ページ) / ISBN・EAN: 9784000904223
みんなの感想まとめ
宇宙論や哲学的思索が織り交ぜられた本書は、プラトンの対話篇として、神話と科学が融合した独特の世界観を提供します。ティマイオスという架空の人物が主に語り、彼の議論を通じて、当時の最先端の科学的理解が描か...
感想・レビュー・書評
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読みたかった、プラトンによる宇宙論。
ティマイオスというのは政治家らしい。といっても、プラトンが創造した架空の人物だという説もある。
当時のギリシアの哲人たちの思想が結集されたような人物。
「ティマイオス」は対話篇だと思ったら、ソクラテスはほとんど発言せず、ティマイオスだけが喋りまくって終わる。
とにかく、現在と知の基盤が違いすぎて、ついていくのが大変だったが、神話と科学が渾然一体となったような、不思議なテイストの本だった。
もちろん今の科学を基準に考えれば荒唐無稽だが、しかし議論は緻密で、これが当時の最先端科学だったということは十分に伝わってくる。
例えば、土、火、水、空気、であらゆるものを説明しようところなど、定義を頭に入れてしまえば、ちゃんと理屈になっている。
またそれぞれの元素を、それぞれ三角形や四角形といった図形に対応させているところも面白かった。あの有名なプラトン立体(正多面体)も登場。
現在の科学も、未来人から見たらおそらくこの『ティマイオス』の内容のように見えるのだろう。
もうひとつ面白かったのが、神がまず人間を作ったという主張。そして不完全な人間が、植物や動物や水棲類になった、とのこと。ああ、進化というものを知らなきゃたしかにそう思うよな、と納得。
なるほど。だからこそ神という存在が創造されたのだ。
(とはいえ、本書を読むに、どうやら神と神霊(ダイモーン)は別物らしい。はじめて知った。)
本書に収められた「クリティアス」は「ティマイオス」の続編にあたり、大西洋に沈没したというあの伝説の大陸アトランティスについての考察と描写だ。
前提がなにもかも違っていて、読むのに苦労するが、本書の訳者が注釈でとても良い仕事をしている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この巻を読もうと思ったのは、ティマイオスが「西洋中世で最もよく読まれ注解された」ものだと知ったからです。それは、世界の成り立ちを説明する文献として、という意味合いでしょう。読んでみると、なかなかのおとぎ話っぷりで、哲学議論どころか、自然科学という観点からしてもなかなかまともに受け止めることが難しかったです。
プラトンを読んでいつも感心するのは、研究の重厚さです。この翻訳でも、先行研究をしっかり踏まえたうえで翻訳の検討をしており、こういうところは、ハイデガーの翻訳ではまったく見受けられないところだと感じました。ハイデガーの先行研究についての議論は読むのは苦痛であることが多いんですが、プラトンの先行研究にはいつも感心させられます。たとえば『プラトンの哲学』では、ティマイオスのコーラーの議論について言及されていましたが、ティマイオス本編を読んでも素通りしてしまうようなところでも、そういう解説を読むとちがった見方ができて楽しいです。そういえば、現代思想の冒険者たちのデリダの巻でも、デリダのプラトン解釈でティマイオスが言及されていました。自分一人ではそんなに深く読み込めないところを解説してくれるという点で、プラトン解釈は興味深いものが多いです。プラトン研究にどっぷりのめりこもうというまでのモチベーションはないんですが、もう少しは掘り進めてみたいと思っているところです。次、プラトンで読みたいのは、新訳文庫で評判のいい饗宴ですかねえ。
もうひとつ興味深かったのは、ティマイオス、クリティアス、そして本当はヘルモクラテスで3部作を成す予定だったのが、クリティアスの序盤で途絶してしまったという事実。プラトンの時代からそういうことってあったんですね。そして、それがしっかりと現在まで伝わっているというところがすごい。【2019年3月13日読了】 -
ティマイオス。
世界や宇宙の目的が、そもそも《善》だったら……
という仮想のもとに、プラトンが描き上げた宇宙論。
現代のプラトン批判(同一性批判・近代社会批判)の風潮からすると、
目的論的だとして忌み嫌われるかもしれない。
神>宇宙>世界>民族>国家>私
神~私までがすべて関連しあっていてパラレルに設定されている、
こうした世界観は、現代人からするとちょっとわかりにくいかもしれない。
ただ、「善い」を目指すことは無価値ではなく、意味のあることだ、
ということを何とか言おうとした、意図をこそ汲み取る必要があるかなと。
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プラトンの作品
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