河合隼雄著作集〈5〉昔話の世界

著者 :
  • 岩波書店
3.40
  • (1)
  • (1)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 15
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000918350

作品紹介・あらすじ

昔話の根源にある人間の心的現実と日欧の文化の違いをいきいきと描く画期的論考。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 『昔話の深層』(福音館書店)のほか、9編の論考を収録しています。

    本巻の「序説」で著者は、スイスのユング研究書に留学しているときに、昔話の研究において第一人者であるマリー・ルイス・フォン・フランツの講義に魅されたことを語っています。昔話は、人間の「個性化」の過程のある局面を「おはなし」として語っているというのがフォン・フランツの理解であり、そうした昔話解釈の視座は著者の『昔話の深層』にも引き継がれています。

    とりあげられているのは『グリム童話』が中心ですが、日本の昔話と西洋の童話の差異についても触れられています。また著者は、ユングの「理論」を昔話に単純に「当てはめる」ことで能事終われりとする考えを批判し、この点ではフォン・フランツの研究にもなお「ユングの考えに少し固まりすぎていると感じられた」と述べていますが、それだけに著者の叙述は昔話のおもしろさを存分に引き出すような、生き生きとした文章で綴られており、楽しんで読むことができました。

  • <閲覧スタッフより>
    一度は耳にしている物語を心理学的に読んでみると、今まで知ることのなかった発見があるかもしれません。
    --------------------------------------
    所在記号:140.8||カハ||5
    資料番号:10113769
    --------------------------------------

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

河合 隼雄(かわい はやお)
1928年6月23日 - 2007年7月19日
兵庫県多紀郡篠山町(現・篠山市)出身。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。1952年京都大学理学部数学科卒業後、京都大学大学院で心理学を学びつつ、数学の高校教諭を兼業した。
天理大学で助教授時代にユング研究所に滞在し、ユング派分析家の資格を取得。日本における分析心理学の普及と実践に邁進。箱庭療法導入者としても知られる。欧米の心理療法を日本文化に根ざす仕方で導入を試みており、日本論・日本文化論の著作も多い。
主な受賞歴に、1982年『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、1988年『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞、1992年日本心理臨床学会賞受賞、1996年NHK放送文化賞をそれぞれ受賞。1995年紫綬褒章、1998年朝日賞、2000年文化功労者顕彰。
なお2012年に一般財団法人河合隼雄財団が設立されており、そこで本人の名を冠した「河合隼雄物語賞・学芸賞」が設けられている。

河合隼雄著作集〈5〉昔話の世界のその他の作品

河合隼雄の作品

ツイートする