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Amazon.co.jp ・本 (338ページ) / ISBN・EAN: 9784000918404
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『とりかへばや、男と女』(新潮社、1991年)のほか、『母性社会日本の病理』(中央公論社、1976年)や『中空構造日本の深層』(中央公論社、1982年)などに収録された論考6編を収めています。
著者はユング心理学におけるアニムスとアニマを参照しつつ、西洋と東洋の違いにも目配りをおこなって、「切断する」ことを本質とする男性原理と、「包摂する」ことを原理とする女性原理の区別をおこない、それに基づいて『とりかへばや物語』を解釈しています。
ユング心理学に対して本質主義という批判が投げかけられることがあります。しかし本書では、生物学上の男に男性原理が、そして生物学上の女に女性原理が、それぞれ割り当てられているというわけではありません。むしろ両者をより深い次元で統合することに、ユング心理学における「個性化」のプロセスを見ようとするところに、著者の解釈の特徴があります。著者は『とりかへばや物語』を、近代的な登場人物の心理を描く「小説」として理解するのではなく、「たましい」の深まりを描く「物語」として理解するべきだと主張しています。
とはいえ、本質主義という批判はけっして的外れではないと考えます。「男性原理」と「女性原理」の統合に深いレヴェルが見いだされるとしてもなお、この二つの原理が対立的に解されていることには違いがないからです。そこには、ドゥルーズらの言う「n個の性」へと開かれていく可能性は認められないように思います。
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