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- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000920568
感想・レビュー・書評
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エンデとボイス、真逆の立ち位置から語られる芸術について。
まくしたてるボイスの言葉数に少しイライラしてしまったのだけど(何しろこの本はエンデの全集なのだから)、どちらの側からも刺激的な言葉があり、視点があった。
エンデが最後に語った芸術と政治の距離感についてが、胸にグサりと刺さるようだった。
ボイスの言う「芸術なんてクソっくらえ」とは、凡そパンクロック以降のロックンロールの視点そのものだと思う。だから、ボイスの言っていることのほうが、現代のパンクロッカーやロックバンドたちの感じていることに近いように思う。
それでもやはり、エンデの言葉が、刺さった。
表現内容と現実そのものである政治との距離は悩ましい。もう少し、エンデが語る言葉を読んでみたいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エンデは、人間にとっての価値、導となるような、未来への意志というイメージを自己の作品に託す。人間価値の内容というものは少しも自明なものではない。通時的で不動なものというより、たえず流転し変化し代謝している。元々その人の内にあったある種の言葉にならない思い、情動を表現することでイメージに輪郭を与える助けになるべきもの。それこそ芸術の価値だろう。