ソクラテス以前哲学者断片集 (第1分冊)

  • 岩波書店 (2008年10月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784000920919

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  • 古代ギリシャの哲学に関心があれば誰もが知る Diels-Kranz (DK) の邦訳.Presocratic 研究の座右の書.
    懐かしく当時の控え帳を見返してみると,2005.11. に本書(全六冊)を購入していた.ちょうど7年が経つ.古書店で定価よりかなり安くしかも状態は新品同様のものを手に入れ,それになによりDK が手元にあるということで,何か宝を手にしたような喜びを噛みしめたのを思い出した.

    しかし当時はギリシャ語を全く知らず,知識量も絶対的に不足しており,その価値を十分に認められないながらも,意地で通読したように思う.そして今,当時を振り返ると,これを通読するとか無謀だったと思う.そんなもの,断片の寄せ集めをどれだけ読んでも,専門家による解説が無ければ深く味わえるわけがない.古代ギリシャ哲学はこの断片集を座右にして研究されるわけで(むしろ大部分を諳んじているような人も少なからずいるだろう),そうして築いてこられた研究成果を無視して一から哲学体系の再構築を目指すような暴挙であったのだから.それも若気の至り,それなりに意味はあっただろうとは思うが.おかげで本書に登場する哲学者の名前だけは無駄に覚えていたりと,そんなくだらないことではある.

    しかし,今ではこの邦訳を参考に原典のDKにあたり,さらにはその断片の典拠となる原典にまで遡ってテキストの異同などを確認したりもする.ギリシャ語を学んでいて良かったと思える瞬間である.

  • 江古田のブックオフにて全冊揃いを購入。遅読の故にまだこの第I分冊しか読了していないが、初期ギリシア哲学文献の基本たるこのDK版、書架の肥やしにしておくのは勿体なさ過ぎる。"オルペウス,ヘシオドスなど初期宇宙論の提唱者をはじめとし,哲学の父とされるイオニア学派の開祖タレス-アナクシマンドロス-アナクシメネスの系列をたどり,「すべては数である」としたピュタゴラス,エレア派のクセノパネス,孤高の探求者ヘラクレイトスなどの生涯と言説を遺漏なく収録する.壮大なスケールの思索力と豊かなイマジネーションでわれわれを圧倒する"

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著者プロフィール

京都大学名誉教授
1942年 兵庫県生まれ
1975年 京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学
関西大学教授、京都大学教授を経て2005年退職

主な著訳書
『ソクラテス以前哲学者断片集』(編訳、岩波書店)
『神と実在へのまなざし』新・哲学講義(岩波書店)
『対話という思想──プラトンの方法叙説』双書・現代の哲学(岩波書店)
『哲学の歴史』(編著、中央公論新社)
『ここにも神々はいます』哲学塾(岩波書店)
クセノポン『ソクラテス言行録1』(京都大学学術出版会)
『プラトン『国家』──逆接のユートピア』書物誕生・あたらしい古典入門(岩波書店)
アリストテレス『自然学』(岩波書店)
『変貌するギリシア哲学』(岩波書店)

「2022年 『ソクラテス言行録2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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