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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784000927369
感想・レビュー・書評
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本書収録の『雁』を、文庫本のその薄さにこれならすぐ読めそうだと思って読んだのが高一のときだったから、ほぼ半世紀振りの再読。当時どういう感想を持ったか、また"雁"という題名もどうしてだったか全く記憶に残っていなかったが、今回読んでみて、確かに世評通りの名作だと思った。
鷗外の作品は、その理屈っぽさいところが苦手という人も多いと思うが、『雁』はとても小説らしい小説。困窮する父の生活を助けるため心ならずも高利貸しの囲い者になってしまったお玉、そしてお玉の住まいを道すがら散歩するので軽い挨拶をするようになった大学生の岡田が主要な登場人物。岡田に憧れを抱いたお玉は勇を鼓して彼に話しかけようと通るのを待っていたが、ある偶然からとうとう声を掛けることができず、結局永遠の擦れ違いになってしまう。そのはかなさがとても哀切に描かれる。
初心で世間知らずな娘だったお玉の、岡田の存在を意識するようになってからの気持ちの揺れ動きや変化が丁寧に描かれていて納得させられるし、脇役である高利貸しの未造と嫉妬に苛まれる妻との確執もいいアクセントになっている。
今ではすっかり変わってしまっているだろうが、文学散歩ではないけれども本作の舞台となった無縁坂を歩いてみたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『天寵』を読む。
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森鴎外の作品
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