アリストテレス全集 17 政治学 家政論 (アリストテレス全集)

  • 岩波書店 (2018年3月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (592ページ) / ISBN・EAN: 9784000927871

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  • アリストテレスは紀元前の哲学者だから、現代の価値観からすると、コンプラ違反、という感覚になるのが面白い。共通善を追求しながらも、現状に対しての批判的考察には限界があり、形而上的にどれ程考えようとも、奴隷や女性のような「他者の視点」を取り入れるまでに至らず、現状肯定的な支配者善という感じだ。また参考図書など無いような時代に整理された政治体系や、あるべき道徳的な家政についての内容は圧巻だ。

    国制の種類については、以下の整理。これが現代の体系の基本にもなっている。

        支配者の数  支配の目的
    王制    一人   共通の利益
    貴族制   少数   共通の利益
    共和制   多数   共通の利益
    僭主制   一人   支配者の利益
    寡頭制   少数   支配者の利益
    民主制   多数   支配者の利益

    ー 個人においても公共においても、人間にとっての目的は明らかに同じであり、最善の人にも最善の国制にも同じ目標がなければならないのだから、余暇のための徳が存在すべきことは明白である。というのは、何度も述べられたように、平和が戦争の目的であり、余暇が仕事の目的であるから。さまざまな徳のうちには余暇や時を過ごすために役立つものがあり、そのうちのあるものは余暇のときにはたらき、あるものは仕事のときにはたらく。国家は節度とともに勇気と忍耐強さをそなえるのがふさわしい。というのは、諺に「奴隷に暇なし」とあるように、男気を奮って危険を冒せない者は、侵略者の奴隷になるからである。

    アリストテレスが「共通善」を強調した背景には、「人間はポリス的動物である」という見解が影響している。人間は共同体の中で生きることによって初めてその本質を実現する存在であり、したがって共同体全体の利益(共通善)が個人の幸福の基盤となると考えられた。

    資料のようなものであり、紀元前の生き方や価値観、アリストテレス自体を知ることに価値があった。辞典のような厚さだったが、達成感のある読書だった。

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著者プロフィール

専修大学文学部哲学科教授

「2012年 『談 no.95 魂の承継』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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