定本 漱石全集 4 虞美人草 (定本 漱石全集)

  • 岩波書店 (2017年3月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (584ページ) / ISBN・EAN: 9784000928243

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    漱石は漢文の深い素養を持っていた人だ。だからなのか、非常に端正で明確な文章を書く。それなのにどこか、人をはぐらかすような、いつの間にか薄い霧の中に迷い込んだような気持にさせられる。

    漱石の物語には寂しさがある。
    人と人は分かり合えないものと知っている寂しさ、本当には分かり合えないでいるのに、当たり前に気心が知れている顔で一緒にいる人々を見る時の疎外感、必死になって観察して理解に努めても、知り尽くせない心もとなさ。誰かと自分が繋がっている感覚が薄いから、誰といても安心できない。どうして誰もがしているように、自然にふるまうのが難しいのか?本当に、いったいどうすれば「自然な」振舞いをできるのか、見当もつかない!
    自分はどこかおかしいのか?

    そんな寂しさが漱石の作品の中にはある。
    私が自分の感覚を彼の作品に投影しているだけなのかもしれない。
    きっと誰もが漱石の作品の中に自分の姿を見ることができるんじゃないかな。誰もが自分の漱石に会える。彼の作品にはそんな存在感があると思う。

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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