- Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001103069
感想・レビュー・書評
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動物や魔法のお話が12話収められたロシア民話集。
ザラッとした手触りの表紙に、ラチョフの美しい動物の絵。
一目見て、「この本の中には面白いお話がぎっしり詰まっているにちがいない」と確信を持てる、素敵なたたずまいの本だ。
ラチョフの描くキツネって、いかにも陰険そう~で、底意地が悪そう~で、いつも悪知恵働かせてそう~で、ほんと大好き。
身近にそんな極端な人がいたら嫌だけど、昔話の世界でいきいきと悪事やズルを働く動物さんたちには、愛着さえ感じるから不思議だ。
キツネにクマにオオカミ、ネコ、ツグミ、イワン王子やワシリーサといったお馴染みの登場人物たちが活躍するロシア民話の世界は、子供だけでなく大人にとっても魅力的。
前半の動物のお話は幼い娘にも親しみやすく、後半の魔法のお話は兄妹3人で楽しめた。
訳者の高杉一郎さんと田中泰子さんは親子だそうで、巻末の「訳者のことば」には、お二人がそれぞれ文章を寄せている。
お父さんの高杉一郎さんのことばに、極限状態を経験してなお揺るがない文学への信頼を感じる。
「わたしが、戦争のためにまる五年のあいだ留守にしていた日本へシベリアから帰ってきたとき、泰子は疎開さきの伊豆の山村で小学五年生になっていました。本のすきな少女らしく、ビールの空箱をいくつかかさねて、それに千代紙をはりつけただけの彼女の本棚には、童話や物語の本がたくさんならんでいました。
あのときのおかっぱ頭の少女が、もう、あとからやってくる日本の少年少女たちにロシア民話の贈りものをするようになったのかと思うと、ふしぎな気がします。小さいときに民話や童話をたくさん食べてそだった子どもは、ひと一倍はやく成長するのかもしれません。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
てぶくろの話と似ています。
短編集で一話は短いので、ちょっとずつ長いお話を読みたい子におすすめ。
読み聞かせでもいいかも。 -
ロシアの昔話集。語りに使うには、ちょっと手を加えなければならないところもあります。「アリョーヌシカとイワーヌシカ」は11分くらい。
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子供の頃大好きだった童話集。
挿絵が素晴らしくて、きつねや狼がロシアの民族衣装を着て不自然んでないのが子供心にも印象的だった。
カエル姫はとても印象的で自分でも子供に何回も話してあげた童話。 -
この本の「読みたい」は何度でも読みたい、の意。
岩波の「たのしいお話」シリーズはどれも楽しかった。
しんぶん赤旗2004年3月15日付「ロングセラー今週の一冊」
ラチョフの絵も懐かしい。単行本のこの形式が好き。 -
戦争と平和のトルストイではないということを読み終わってあとがきを読んで知った(恥っ)
ロシアの寒々とした国土に、動物と人間のかかわり方がわかるお話。
ラチョフの挿絵もいいよね、動物たちの表情が。 -
申し訳ありません、現在品切れ状態です。
購入できません。20130618
復刊ドットコム
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