王さまと九人のきょうだい―中国の民話 (大型絵本 (7))

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 110
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  • Amazon.co.jp ・本 (42ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001105575

感想・レビュー・書評

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  • 9人の、強すぎる個性をもったきょうだいが大活躍!
    ひさしぶりに、小4娘に読み聞かせしました。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    子どもが欲しいと願い続けていたけれど授からず、腰が曲がるほどの年齢になってしまった夫婦。
    あまりにもさびしくて泣いていたところ、池の中からあらわれた老人に丸薬(がんやく)を授けられます。
    丸薬を飲むと赤子が授かると言われたおばあさんは、一粒食べて一年待ちますが、子どもは生まれず…
    しびれをきらし、今度は丸薬全部を飲んだところ、突然9人の赤子が生まれるのでした…!!

    大変な貧乏で、しかも“老”夫婦な2人は、9人の子育てがつらくてたまらず…
    するとまたもや池の老人があらわれて、「この子たちは、ひとりて立派に育つ」と言い、名付け親になってくれるのでした。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    なんもしてやらなくても子どもが立派に育つなんて、うらやましい(苦笑)
    でもそんなふうにおもってしまうくらい、子育てって大仕事なんですよね。

    「子どもが欲しい」と長年願ってきた老夫婦ですら、子どもができて大喜び!とおもいきや、今度は貧乏な中での子育てがつらくなる…
    「子どもを生むこと」がゴールのように感じていると、より「こんなはずじゃなかった…」となってしまうのかもしれませんね。

    子育てにはたのしいこともありますが、責任もあるし、協力してくれる人がいなければ、とてもじゃないけどできない大仕事なんですね、子育ては。
    ましてや一度に9人ですからね…
    「子どもが欲しくて生んだのに、文句言うなんてけしからん!!」「生んだんだから、責任持って親が育てなきゃダメだ」と言う人もいるかもしれませんが、そういう社会だからこそ少子化が進んでいるんだよね…とおもいます。
    子育ては、親だけではできない大仕事!

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    さて、ちからもち、くいしんぼう、はらいっぱい、ぶってくれ、ながすね、さむがりや、あつがりや、切ってくれ、みずくぐりと名付けられた9人のきょうだいたちは、それぞれの個性を存分に伸ばしながら、すくすくと育ちます。
    後半はそんなきょうだいたちが、王様の無理難題を軽やかにかわしていく模様が繰り広げられますが、それは読んでみてのお楽しみ!ということで(笑)(あらすじが難しくなってきたので逃げ出した)

    「なんともつごうのいいことに、この九人のきょうだいは、九人とも、かおも、からだつきも、そっくりだったのです。」(引用)
    と書かれているページには、9人が横並びになっている絵があります。
    しかしひとりひとりの顔をよ〜く眺めてみると、ほんの少しずつ、顔がちがっているのです。
    「そっくり」と書かれているのに、絵には些細な違いがある。
    それを見比べて、見つけることの中にも、おもしろさがあります。
    そしてどんなに似ていようとも、個々の人間はひとりひとり違う存在なのだというメッセージを、文と絵のギャップから感じてしまうのでした。
    (でも表紙の9人は、ほっぺの色が違う子以外はマジそっくりなんですけどね…苦笑)

  • 1年生に紹介するため再読。これは何度読み聞かせをしてもハズれたことのない鉄板本。『あおくんときいろちゃん』と双璧。聞き手に深い満足感を与える。もったいないので紹介ではなく全部読もうかな。15分。

  • 中国の昔話。子どもは自分からは読まないかもしれないが、絵もとてもいいので読み聞かせたい。王さまの存在を心にしっかり描いて読む。教科書では2年生で出て来るが、4、5年生でも楽しい。津波の後なので読むのはちょっと控えた方がよいかもしれない。

  • 王の圧政に一矢報いる
    そんな物語を生み出す庶民のエネルギーに満ちる中国の民話

  • 中国の昔話。勧善懲悪のストーリーで、ストレートな名前で伝わりやすいし愉快!

  • 何べん読んでもおもしろい。子どもたちは出てくる人たちの名前をおもしろがり、出来事がおこるたびに手に汗握る。
    起承転結のはっきりしたお話。
    画家である赤羽末吉さんの迫力ある絵が好きだ。

  • 面白くて図書館で何度か借りてます。息子と私のお気に入り。昔話をよく描かれてる赤羽末吉さんの絵で、とても魅力的です。

  • 『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』で紹介されていたので、借りて読んだ。

    むかし、イ族のある村に、としよりのふうふがすんでいました。
    ある日、おばあさんは、池の中からあらわれた白いかみの老人に、九つぶの丸薬をもらいました。
    おばあさんは、その丸薬をのみ、九人のあかんぼうをうみました。
    子どもたちのなまえは、「ちからもち」「くいしんぼう」「はらいっぱい」「ぶってくれ」「ながすね」「さむがりや」「あつがりや」「切ってくれ」「みずくぐり」といいました。

    おもしろかったです。
    名前の通りにおはなしが運ぶあたり、『エルマーのぼうけん』のような、次は?来た!感があります。
    あかんぼうの時にはきちんと描きわけがされていたので、そっくりの七人にも違和感はありません。
    ちからもちが王さまを助けてくれて、そのまま感謝していればよかったのに。
    疑り深いのはよくない。
    王さまが民を苦しめていたという話はないけれど、やっぱりわるい王さまだったんですね。
    最後、みずくぐりがやっつけてくれて、すかっとします。
    落ち着いたアジアの雰囲気のタッチ、引きの最終画面、映画をみたような満足感があります。

  • ある老夫婦のところに神様が来て9人の息子を授かる話。
    その9人の息子ってのが「ちからもち」「くいしんぼう」「はらいっぱい」「ぶってくれ」「ながすね」「さむがりや」「あつがりや」「切ってくれ」「みずくぐり」ってラインナップ。その9人兄弟がわるい王様をやっっつけるっていうのがあらすじ。

    じいさまとばあさまのところに神様がきて子供をさずけてくれるのは
    「(めったにないような)長生きの夫婦のところにはそれくらいの不思議なことがあってもおかしくない」って感覚があるらしい。ってどっかで読んだ。

    9人兄弟が王様とかに成り代わるんじゃなくて、わるい王様を退治したっきりなのは面白いです。文化的な背景とかあるのかな。

  • 13分。4年生クラスで読み聞かせる。
    何気なく借りてきてぽいと置いておいたら、小2の娘が見つけて「これ、すごくおもしろかったよ!」と。最近読んだばかりなんだそうだ。
    個性的な面々が次々登場して難問を解決するっていう筋書きは(地獄巡りパターン)、いかにも子供が喜びそう。特に男子向けではなかろうか(男子向け絵本のリストを作成中)。9人の名付けがシンプルでいいし、赤羽さんの味のある絵は、やっぱりいい。

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著者プロフィール

君島久子 栃木県に生まれた。慶應義塾大学卒業、都立大学大学院修了。武蔵大学教授をへて、国立民族学博物館教授となる。中国民族学、文学を専攻、特に民間伝承および児童文学を研究。中国、東南アジア、日本を含めた広いアジア地域での比較研究をすすめている。1965年、『白いりゅう黒いりゅう』(岩波書店)、1983年、『中国の神話』(筑摩書房)で共にサンケイ児童出版文化賞を受賞。また1976年、『西遊記上・下』(福音館書店)で日本翻訳文化賞を受賞した。そのほか『ほしになったりゅうのきば』『たなばた』『しんせつなともだち』(福音館書店)、『チベットのものいう鳥』『王さまと九人のきょうだい』(岩波書店)、『アジアの民話』(講談社)、『月をかじる犬』(筑摩書房)など多数の著訳書がある。大阪府在住。

「2020年 『あかりの花 中国苗族民話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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