scaramoucheさんの感想
2018年5月20日
絵本の上半分は『漁師とおかみさん』(グリム兄弟作、池内紀訳、安野光雄絵)の童話。 下半分には、『漁師とおかみさん』の絵本を拾ってきた子狐へ向けた、父さん狐の読み聞かせ(安野光雄作)が並ぶ構成。 父さん狐は人間の字が読めないものだから、適当に読み聞かせをしていて、それが笑いどころになっているのだけれど、最後まで読むとしっかり落ちまでつけているのが面白い。上半分の童話も、絵の書き込みが細かかったり、また訳文が美しかったりと、色々な楽しみ方がある絵本。
安野光雅(あんの みつまさ):1926年島根県津和野生まれ。画家・絵本作家として、国際アンデルセン賞、ケイト・グリーナウェイ賞、紫綬褒章など多数受賞し、世界的に高い評価を得ている。主な著作に『ふしぎなえ』『ABCの本』『繪本平家物語』『繪本三國志』『片想い百人一首』などがある。2020年、逝去。 「2023年 『文庫手帳2024』 で使われていた紹介文から引用しています。」