ビルボの別れの歌―灰色港にて (大型絵本)

制作 : ポーリン ベインズ  脇 明子 
  • 岩波書店 (1991年11月13日発売)
4.05
  • (8)
  • (6)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
  • 本棚登録 :40
  • レビュー :2
  • Amazon.co.jp ・本 (31ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001106138

ビルボの別れの歌―灰色港にて (大型絵本)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • まずは装丁の緑がいいですね~。  KiKi にとってエルフのイメージ・カラーは緑。  「ロスロリアン」といい「闇の森」といい森の中で暮らす種族というイメージが強いし、この「ビルボの別れの歌」の段階ではエルフ最盛期の終焉を迎え、中つ国を去ろうというのですから、生命力にあふれた新緑の色ではなく、やっぱりこの本のような深い緑色こそ相応しいでしょう。

    さて、この絵本の絵を描いたのはP.ベインズさん。  あのトールキン先生の大親友のC.S.ルイスの「ナルニア」の挿し絵でも有名です。  さらにさらに、この後読み進む予定の「トールキン小品集(最近の本では「農夫ジャイルズの冒険」)」の挿し絵もこのベインズさん。  昨今の漫画チックな挿し絵とは一味もふた味も違う、どこかクラシックでどこか幻想的で、写実的ではあってもどこかコケティッシュな絵が魅力的です。

    この絵本の構成としては各見開きページの上段には「指輪物語」の最後の部分、指輪所持者たちが馬で西に向かい、灰色港から旅立っていくそのプロセスが描かれ、下段には「ホビットの冒険」の様々なシーンが描かれています。  絵本の絵を見ながら、読み慣れた「ホビットの冒険」のワンシーン・ワンシーンを思い出し、ビルボと一緒に思い出に耽ることができる時間は何とも言えない贅沢なものに感じられました。



    この絵本を読んでいて意外だったのはエルロンドがブルーのアイシャドーをしていることと、船大工のキアダンの髭がガンダルフよりも長かったこと(笑)  KiKi の中のキアダンのイメージはもっと逞しい男性だったんだけど、この絵だとまるでイスタリ(魔法使い)っていう感じです。

    この絵本の素晴らしさの1つにメインの絵に額縁のように描かれる繊細な植物や動物(← 以前、ターシャ・テューダーさんのインタビューか何かでこれの正式名称を聞いたことがあるんだけど、覚えていない)の模様が挙げられます。  この絵本の上段の絵は全部円形なんだけど、そのまわりを冬枯れ、秋枯れの木が取り囲み、それぞれの木に何らかの生き物が住まっていて、エルフたちは去っていくけれど中つ国に生命は残ることを印象付けているように感じます。

    そして素晴らしいのは言わずもがなの「ビルボの別れの歌」そのものです。  言葉の美しさともの悲しさを湛えた素晴らしい詩だと思います。

  • ポーリン・ベインズのフルカラーイラストの美しい絵本。灰色港から船出したビルボが西に至る旅を歌う趣向で、脚注のようについている小さい絵が実は『ホビットの冒険』のあらすじになっている、という一粒で二度おいしいアーモンドグリコ状態(笑。ファンにはたまりませんな。

全2件中 1 - 2件を表示

J.R.R.トールキンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ユリー・シュルヴ...
いまい あやの
ポール・フライシ...
湯本 香樹実
マージェリィ・W...
J.R.R.トー...
モーリス・センダ...
有効な右矢印 無効な右矢印

ビルボの別れの歌―灰色港にて (大型絵本)はこんな本です

ツイートする