からすが池の魔女

著者 :
制作 : 寺島 竜一  Elizabeth George Speare  掛川 恭子 
  • 岩波書店
3.63
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本棚登録 : 22
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001106558

感想・レビュー・書評

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  • 真の愛を見つけたわね~

  • 17世紀、おじいさんを亡くした主人公はバルバドス島から一人でアメリカ、ニューイングランドへ船でやって来る。
    時はイギリス本国と植民地アメリカがせめぎ合っていた頃で、ピューリタンによる魔女裁判も残っていた。
    クエーカー教徒でからすが池に住むハンナや母親に虐げられているプルーデンスに出会い、ただでさえ好奇の目で見られていた主人公はとうとう魔女だという疑いをかけられてしまう。
    自分は間違っていないと決然と行動した後で、やっぱりやりすぎたかもしれない、と悩む主人公の気持ち、共感できる。

  • イギリスからアメリカに開拓民が移り住み、暮らし始めた時代の物語。時代が変わりつつあり、新しい概念、新しい世界と出会う時代に、古い慣習にとらわれたり、新しい世界で新しい秩序を築いたり、その狭間で、何を、どう考えるべきか、一人ひとりが試されていたのだろう。
    その中で、南国の島育ちの娘・キットは、持ち前の素直さ、率直さを持ちつつ、自分の信じるもの、大切だと思うもののために夜の闇に走る。その行為が、彼女を魔女裁判へと導いていく…。

    開拓時代のアメリカの本を探していたら、この本に辿り着いた。昔から、図書館でよく目にしていたこの本が、そういった内容であるということを、まったく知らなかった。でも、そういう意味では、出会うべき時に出会った、ということなんだろうと思う。
    この物語は、ちょうどイギリスからの開拓民の立場での物語だけれど、この時代が進んでいくと、南北戦争の物語になっていく。少し前に読んだ『語りつぐ者』は、その時代をテーマにした物語だったと思う。
    こうした視点からだけで見ると、アメリカ原住民(ネイティブアメリカンと呼ばれたり、インディアンと呼ばれたりする人々)との関係性、その立場が見えにくい。次には、その話を探して読みたいと思っている。

  • 久しぶりに読み直した。
    表紙の絵がおどろおどろしいため、手に取る人が少ないのが、本当に残念。
    独立戦争前のアメリカがどうであったか、ピューリタン、クエーカーがどんな教えなのかが、きっちり頭に入る。歴史小説としての構成の確かさ、ビルドゥングスロマンとしての面白さ、そして恋愛小説のドキドキ。どこをとってもすばらしい。
    バルバドス島から来た、明るく自由な精神を持つ主人公のキットが、戒律の厳しい清教徒の村で生き抜く辛さ、心を通わせられる人と出会えたよろこび、それが引き起こす恐ろしい事件、まったく、目が離せないとはこのこと。
    読んでない人は、損してるなあ、と思う。
    岩波は小学校5・6年以上と指定してるが、むしろ中学生や、世界史を学んだ高校生、あるいは大人に勧めたい。どちらかといえば、女性に。
    併せて『ビーバー族の少年』も読むと、ネイティブアメリカン側の視点もわかって、ばっちり。

  • 1600年代のアメリカ、イギリスの植民地だった時代、宗教上の対立、魔女裁判、まだまだアメリカは未開の貧しい地域だった。キッドの素敵なこと。自分をしっかり持っていて主張するけれど、人の気持ちもとてもよく見えていて一方的にはならないし、お嬢様育ちなのに自分の立場もよくわかっている。読んで幸せになる物語。

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