からすが池の魔女

  • 岩波書店 (2009年10月22日発売)
4.07
  • (6)
  • (5)
  • (2)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 54
感想 : 7
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784001106558

みんなの感想まとめ

多様なテーマが織り交ぜられた物語で、主人公の成長や人間関係の深まりが描かれています。17世紀のアメリカ、特にイギリス植民地時代の厳しい社会背景を背景に、自由な精神を持つ主人公が直面する困難や葛藤がリア...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 17世紀、おじいさんを亡くした主人公はバルバドス島から一人でアメリカ、ニューイングランドへ船でやって来る。
    時はイギリス本国と植民地アメリカがせめぎ合っていた頃で、ピューリタンによる魔女裁判も残っていた。
    クエーカー教徒でからすが池に住むハンナや母親に虐げられているプルーデンスに出会い、ただでさえ好奇の目で見られていた主人公はとうとう魔女だという疑いをかけられてしまう。
    自分は間違っていないと決然と行動した後で、やっぱりやりすぎたかもしれない、と悩む主人公の気持ち、共感できる。

  • 久しぶりに読み直した。
    表紙の絵がおどろおどろしいため、手に取る人が少ないのが、本当に残念。
    独立戦争前のアメリカがどうであったか、ピューリタン、クエーカーがどんな教えなのかが、きっちり頭に入る。歴史小説としての構成の確かさ、ビルドゥングスロマンとしての面白さ、そして恋愛小説のドキドキ。どこをとってもすばらしい。
    バルバドス島から来た、明るく自由な精神を持つ主人公のキットが、戒律の厳しい清教徒の村で生き抜く辛さ、心を通わせられる人と出会えたよろこび、それが引き起こす恐ろしい事件、まったく、目が離せないとはこのこと。
    読んでない人は、損してるなあ、と思う。
    岩波は小学校5・6年以上と指定してるが、むしろ中学生や、世界史を学んだ高校生、あるいは大人に勧めたい。どちらかといえば、女性に。
    併せて『ビーバー族の少年』も読むと、ネイティブアメリカン側の視点もわかって、ばっちり。

  • 1600年代のアメリカ、イギリスの植民地だった時代、宗教上の対立、魔女裁判、まだまだアメリカは未開の貧しい地域だった。キッドの素敵なこと。自分をしっかり持っていて主張するけれど、人の気持ちもとてもよく見えていて一方的にはならないし、お嬢様育ちなのに自分の立場もよくわかっている。読んで幸せになる物語。

  • 勇気など持ち出さなくとも、烙印された人を受け入れた人たち。愛の物語に終わってしまったのはなんだかなあ。

  • タイトル:からすが池の魔女
    E・G・スピア作 エリザベス・ジョージ・スピア
    訳:掛川恭子(かけがわ やすこ)
    岩波書店 1969
    岩波少年少女の本5.

    1969年4月24日 第1刷発行
    1975年7月15日 第5刷発行
    -------------------------------
    目次
     1 イルカ号の旅
     2 ウェザーフィールドへ
     3 ウッド家
     4 いとこたち
     5 礼拝の朝
     6 バルクレイ師の訪問
     7 ウィリアム・アシュビイ
     8 大草原
     9 出会い
     10 ハンナの小屋で
     11 プルーデンス
     12 ナット
     13 トウモロシの皮むきパーティー
     14 ナットとのいさかい
     15 勅許状のゆくえ
     16 ジョンの出発
     17 魔女狩り
     18 拘留
     19 取調べ
     20 暗い日々
     21 魔女号
    訳者のことば
    ----------------------------

    1687年4月中旬のある朝、二本マストの帆船イルカ号は、大海を後にしていきおいよく海峡を渡ると、広いコネティカット川の河口から、セイブルーク港へと進んでいった。

    1975年の書籍で、経年劣化のためにページを開くと小口と天は焼けている。地とのどの部分は元の色を残している。
    小学5・6年生以上と書かれてあったが332ページで厚さもそれなりにあった。
    これを手にした理由は、別の本のレコメンドにこのタイトルがあったことと、岩波の本だったので興味を持ち司書さんに書庫の奥から引っ張り出してもらった。
    この本、地元にあった会社が公民館に寄贈し、村立図書館の印が押され、合併により市の図書館に移り、書庫に置かれていたようだ。
    多くの人が読んだという形跡は無く、ひっそりと有った一冊のようす。こんな出会いもあるんだね。
    この作品はスピアの第2作目で1959年度のニューベリー賞を受賞している。


    1908/11/21 アメリカ マサチューセッツ州メルローズで生まれる
    1994年11/15 アリゾナ州 ツーソンで没85歳

  • 真の愛を見つけたわね~

  • イギリスからアメリカに開拓民が移り住み、暮らし始めた時代の物語。時代が変わりつつあり、新しい概念、新しい世界と出会う時代に、古い慣習にとらわれたり、新しい世界で新しい秩序を築いたり、その狭間で、何を、どう考えるべきか、一人ひとりが試されていたのだろう。
    その中で、南国の島育ちの娘・キットは、持ち前の素直さ、率直さを持ちつつ、自分の信じるもの、大切だと思うもののために夜の闇に走る。その行為が、彼女を魔女裁判へと導いていく…。

    開拓時代のアメリカの本を探していたら、この本に辿り着いた。昔から、図書館でよく目にしていたこの本が、そういった内容であるということを、まったく知らなかった。でも、そういう意味では、出会うべき時に出会った、ということなんだろうと思う。
    この物語は、ちょうどイギリスからの開拓民の立場での物語だけれど、この時代が進んでいくと、南北戦争の物語になっていく。少し前に読んだ『語りつぐ者』は、その時代をテーマにした物語だったと思う。
    こうした視点からだけで見ると、アメリカ原住民(ネイティブアメリカンと呼ばれたり、インディアンと呼ばれたりする人々)との関係性、その立場が見えにくい。次には、その話を探して読みたいと思っている。

全7件中 1 - 7件を表示

掛川恭子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×