ジョコンダ夫人の肖像

制作 : E.L. Konigsburg  松永 ふみ子 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 144
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001106824

感想・レビュー・書評

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  • カニグズバーグの3冊目。
    これはもう、圧倒的な傑作。
    最後の一行の鮮やかな幕引きまで、ぐいぐいと惹き込まれていく。
    かの天才・ダ・ヴィンチとその周囲に興味のある方、あの名画の生まれた経緯を知りたいという方、いえそれよりも、人生の大切な何かを求めている方、すべての方におすすめ。

    主な登場人物は3人。
    レオナルド・ダ・ヴィンチと、その徒弟サライ、そしてレオナルドが庇護を受けていたミラノ公の年下の妻ベアトリーチェ。
    浮浪児あがりでコソ泥、無教養・無責任なサライを、何故レオナルドは傍に置いたのか。
    ベアトリーチェと過ごした豊かな時間と、非情な時の流れ。
    肖像画を描いてほしいという執拗な依頼を無視してまで、レオナルドが描いた肖像とは。そもそもそのジョコンダ夫人は、3人とどういう繋がりにあるのか。
    シャープで機知に富んだ文章にしばしば小さな感嘆の声をあげながら読み進むことになる。

    これは、尊敬するブク友さんのレビューに惹かれて読んだ一冊。
    ブク友さんも多くを語っていないため、私もあまり語らないことにしようと思う。

    でもひとつだけ。
    サライは確かに知識はなかったが生きる知恵はあった。
    ひとの心の機微に敏感で、何物にも左右されない自分だけのものさしを持っていた。
    世間体や虚栄心や知識に惑わされない、自分の眼で良いと思うものを選り分ける確かなものさしを、果たして私は持っているだろうか。

    対象年齢は高学年からとなっているが、その年齢だった自分が、この作品の主旨を掴んで消化出来たかどうかは、はなはだ疑問だ。
    カニグズバーグの筆力に幻惑されて、おしまいだったろう。
    だからたぶん、今が出会いのタイミングだったということだ。
    時を忘れて読みふけり、深く考察し、何かが覚醒する。
    至福のときを与えてくださったブク友さんに感謝。

  • カニグスバーグ・・・
    相変わらず凄いの一言です。
    いつも通り最初は読みにくい。
    自分がどこへひっぱられていくのか検討もつかない。
    ひきずられるまま着いていくと、
    いつのまにやら凄い眺望のところへぽっかりと出る。
    そして読み終わると登場人物が心に棲みつく。

    本当にカニグスバーグはいつも凄い。

    ダヴィンチと手癖の悪い徒弟のサライの物語。
    それだけ知って、あとは黙ってカニグスバーグさんについていきましょう。

    対象年齢は早くて小学校6年生。
    上は大人まで。

  • 原題:THE SECOND MRS. GIACONDA

    レオナルドのモナ・リザは、いかにして描かれたのか⁉︎

    この命題を史実に添いながら、自由な発想で展開させたカニグズバーグの傑作。

    浮浪児サライを弟子にしたレオナルドをサライの目から追った。

    巻末付録のミニ画集
    老人と若者
    レオナルドの自画像
    ロドヴィコ・スフォルツァ
    チェチリア・ガレラーニ
    ベアトリチェ・デステ クリストフォロ・ロマノ作の胸像
    イザベラ・デステ(
    ベツレヘムの星
    最後の晩餐

    P72
    偽装するのはおよしなさい。
    透明にしておくのです。

    あのお方は、どこか、イタリアじゅうで一番よい芸術の庇護者になるものを持っておいでになる。フィレンツェのメディチ家以上です。あのお方は偽ものとほんもの、独創的なものと亜流とをお見分けになる力がおありです。よいものがあれば、それがなぜよいかおわかりでないまでも、それがよいものだとおわかりになる。そしてよいものには快く庇護をおあたえになります。本能的にほんものを嗅ぎわけなさるのです。

  • もう云十年ぶりの再読。
    このお話については何も語りたくない。
    「レオナルド・ダ・ヴィンチ出てきます」くらいならいいかな。
    これまで読んだカニグズバーグ作品の中でベスト(といっても、計3作しか読んでいないが)
    昔読んだ時も、子ども向けの本では飽き足らず、大人向けの本では満足できなかった時代に、本の面白さを教えてくれた作品でした。

    大人になって読んで気づいたのは、訳と訳書名も秀逸だなということ。
    時間が経っても古い感じはしないし、
    英語の作品名をそのまま直訳調に訳したら、
    そのニュアンスは失われた上誤解を招くだろうことを訳者や編集者が考慮したのが感じられる。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「カニグズバーグ作品の中でベスト」
      私もです、、、断捨離されて手元にないので、岩波少年文庫にならないかなぁと願っています。
      「カニグズバーグ作品の中でベスト」
      私もです、、、断捨離されて手元にないので、岩波少年文庫にならないかなぁと願っています。
      2013/03/02
    • Shoさん
      まったく同意見です。
      まったく同意見です。
      2013/06/17
  • 人間レオナルドに親愛を感じます。
    「モナ・リザ」を見る目が変わります。

    というか、アニス菓子が食べたい。

  • 絵画モナ・リザのモデルとなったジョコンダ夫人が、なぜモデルになったかがわかる背景について、物語化されている。
    物語がレオナルド・ダ・ヴィンチではなく、徒弟になった浮浪児サライの目線から書かれたもの。

    レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯の活躍よりも、好奇心と才能にあふれた人柄の良さが見える作品だった。

    史実に基づく実話かどうかわからないけど、地位は低くても、多才なことが仕事につながっていき、信頼を集めるのだと感じた!

  • レオナルド・ダ・ビンチとサライとベアトリチェの話。もっと詳しい話が読みたい。ただ、訳はいまいち、読みづらかった。

  • ダ・ヴィンチにまつわる本です。
    ジョコンダ夫人が誰かを言っちゃうとつまらないので、他の本との比較をお話ししようと思います。

    『ダ・ヴィンチコード』はともかく、『レオナルドのユダ』と『ジョコンダ夫人の肖像』は史実にともない、周りの人の視点からダ・ヴィンチその人を描いています。
    よって、多くの登場人物がどちらにも登場するのですが・・・!面白いのは解釈の仕方によって、全く違う扱いを受けているところです。

    どちらの本にもしっかりと出てきたのは、サライとフランチェスコの2人。
    でも全く別人でした(笑)

    最も基本となる部分、『サライ=美少年(青年)。才能は無いがレオナルドに必要とされる。悪いことするのも平気。』『フランチェスコ=金持ち。』だけは同じですが、そこから『ここまで派生できるのか!』と舌を巻く程の展開が繰り広げられます。

    私は・・・どちらかと言えば『レオナルドのユダ』の方の設定が好きだったかな?(服部まゆみだから、と言ってしまえばそれまでですが・苦笑)

  • (1991.10.12読了)(1991.10.10購入)
    内容紹介 amazon
    永遠の謎を秘めた名画「モナ・リザ」。レオナルド・ダ・ヴィンチは、なぜ、フィレンツェの名もなき商人の妻ジョコンダ夫人の肖像を描いたのだろうか。

  • 子どもの頃一度読んだ覚えたあるのだけど、もう一度読み返してみた。大人になった今になって読むと、行間まですごくよく分かる!
    カニグズバーグのユーモラスがすごく好きなのですが、松永ふみ子さんの訳がまたすばらしい。昔の翻訳って、本当に語彙が豊富で表現が深い。松永さんの訳があってこその面白さでもありますね。

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