太陽の戦士 (サトクリフの歴史ロマン)

  • 岩波書店 (1968年12月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (330ページ) / ISBN・EAN: 9784001108262

みんなの感想まとめ

成長と友情、そして命の尊さが描かれた物語です。青銅時代のブリテンを舞台に、片腕の少年ドレムが戦士として成長する過程が、感情豊かに描かれています。彼が狼と戦い、一人前の男になるために奮闘する姿は、普遍的...

感想・レビュー・書評

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  • 素敵でしたー!

    太陽の戦士、読み終えた今、このタイトルの素晴らしさに痺れています。

    青銅時代、ブリテンの人々の暮らしの中にある、片腕の少年ドレムのイニシエーションの物語。

    狼と戦うことで一人前の男に、戦士になるという。
    生きるか死ぬか、ハードな時代にあっても、少年の成長期の心の動きという普遍的なものが描かれていて、見事に感情移入できてしまう。残酷な狩りの様子も強く美しく描かれて自然への敬意を感じるから、怖さや嫌悪感はどこにもない。

    惚れ惚れするような情景描写、美しい比喩、少年どうしの心のぶつかり合い、戦士としての気高さと、いつまでも少年の心を忘れたくない主人公の心の美しさとか、狩りの畏れと動物の動く筋肉とか骨格まで伝わるような美しい表現。主人公の味方でいてくれる魅力的な大人達。

    何もかもが…
    素晴らしい!

    とくに印象に残っているのが、片腕が不自由な主人公ドレムのために槍使いを教えてくれる、素晴らしい戦士タロアから、犬を貰うためにその代価となる狩りをするシーン。
    白鳥と対峙するシーンはすごい!白鳥の羽ばたきに音楽が聴こえてくる。もしかしたら大袈裟かな、そこが凄く…
    良いのです。
    殺してしまってからの獲物への敬意も素敵で。
    それは狼へと繋がって行くのだろうけど、もともと美しい心を持ち合わせた主人公ならではの、素晴らしいシーンでした。
    この時の子犬だったノドジロとは、素晴らしい関係になってゆきます。

    それから、この表紙の抱き合う2人の少年。このシーン、もう自分の腕を抱きしめながらでなきゃ読めないほど震えてしまう。キーピングの挿絵がまた凄く良い仕事っぷりです。

    そしてクライマックスも凄い。凍てつく雪のシーンは、これまた震えが止まらない。

    そしてこの時代にもある、羊飼いと戦士という同じ村の中にある階級差、肌の色の違い。
    男女の違い。そういうものを超えた、とくに児童文学としての正義もあり、、

    なんというか、素晴らしすぎます✨

    またこれも皆におすすめしていきたい大好きな本の1つになりました。

    感動が忙しくて、さーっと読むことはできない、じっくり読みたい物語だったなぁ。(ラブもあるよ

  • 「子どもと本をつなぐあなたへ―新・この一冊から」で知って、図書館で借りた。

    青銅時代のブリテン、紀元前900年頃のおはなし。
    少年ドレムは、金色の肌をした戦士の部族だ。
    けれどもドレムの右腕には障害があり、使えるのは片腕だけ。
    戦士になるためには、「わかものの家」で同じ年頃の少年たちと切磋琢磨し、オオカミ殺しの試練を受けねばならない。
    ドレムの葛藤と自立の物語。
    原題「WARRIOR SCARLET」。

    読み終わるのに1ヶ月以上かかってしまいました……。
    おもしろいからみんなにおすすめ!という雰囲気ではありません。
    読むのにほねがおれます。
    よく噛みしめて、よく踏みしめて読まねば、という感じの物語です。
    何しろ舞台は紀元前で、もって回った言い回しと描写が多く、児童文学でしょ、と思っている人はびっくりすると思う。
    個人的には、次の表現がよかった。
    P163「……ドレムには、ほとんど苦痛といってよいほどのよろこびがつきあげてきた。」
    P223「火がつけられ、生きた炎の花びらがまっすぐに燃えあがった。」
    はるか昔のことだけれど、描写力がすさまじいので、映像が見えるようだった。
    白鳥と雪の血は、あまりに対比が美しい伏線でした。
    ブライの悲しみと辱しめにはぎりぎりしたし、物語の「転」にあたるところ、オオカミ殺しのあと、ドレムとボトリックスが顔を合わせるところでは、読者もボトリックスを責めることはできなくて、だからこその絶望と乖離を感じたりして。
    その後はどうなっちゃうんだろう、と惰性な感じで読みすすめましたが、最後にはハッピーエンドで安心しました。
    試練を乗り越えた幸せな物語は、希望を与えてくれる。
    うん、やっぱり、希望のある物語がいいです。

  • 先輩司書さんおすすめ本で、児童図書館員のための研修プログラムの中の、中高学年向けの物語の課題図書。

    最初ざっと読んだときは全く内容が理解できず、他の方のレビューで主人公のドレムが片腕が不自由だということを知って(それを読まないと気づかなかったことが恥ずかしい!)改めて読んで、この本の良さに気づきました。

    「金色の人」と「混血人」、「男」と「女」、「戦士」と「羊飼い」といった厳密な身分制度のようなもの、息子を信じる母親、突き放していた祖父の態度の変化、仲間と親友、そして最後に同じ経験をもつ「同士」と結ばれる…
    さまざまなテーマが見事に一つのお話になっていて、通読後、また読み返したいと思える本でした。

    私にとって、「白亜」=色(白亜の城、のように)、「チョーク」=黒板に書くもの、という固定観念があり、最初に解説はあるものの、イギリスのドーバー海峡の映像しか思い浮かべることができず、「白亜を登る」という場面など、文章から映像を作ることが難しかったので、もう少し解説なり地図なり理解を助けるものがあるといいのでは、とは思いました。

    半世紀以上前に書かれた物語ですが、いつまでも読み継がれるべき1冊であることは間違いないと思います。

    フリガナが適度にあるので小学生でも「読める」と思いますが、「理解できる」かどうかは疑問。
    2、3年生でも「ハリー・ポッターも全部読んじゃった!」と自慢そうに言ってくる子がときどきいますが、これが読めれば本物ですね。

  • 失敗は死というのはとても厳しい。
    命があれば、再びチャンスもめぐってくるかもしれないのだから。
    助けられたことも、助けたことも、間違いではない。
    生きていることは、それだけで価値があること。


    表紙の絵。
    すごく重要な場面の絵です。
    結末の場面の絵を表紙に持ってくる本というのも、すごく珍しいのではないだろうか。

  • 再読。

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