幽霊を見た10の話 (世界児童文学の名作B)

制作 : ジャネット・アーチャー  Philippa Pearce  高杉 一郎 
  • 岩波書店
3.73
  • (4)
  • (3)
  • (8)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 46
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001109894

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 幽霊というより怪・不思議と表現したほうがしっくりくる短編集。
    先日読んだ今野圓輔の幽霊分類に当てはめながら読んでみて、この作品も「恐れ」ではなく人間に焦点をあてているから、見知らぬ国の作家が書いた話であるのに「わかる」という感覚にさせられるのだろうと思いました。
    国や時代が違っても、そこに(幽霊側のものであれ見る側のものであれ)人間の思いが映し出されるからこそ、怪談や幽霊譚はいつまでも興味深く思えるものなんだなと実感させられた一冊でした。

  • 梨木香歩推薦図書として読みました。ホラーが苦手なので覚悟しましたが、幽霊というよりは「家」という箱にまつわる心霊現象と謎解きが一体化した子供向けのお話でした。梨木香歩としてはその「家」「屋敷」というテーマに惹かれたのだろうと思います。ここらへんは「百年の孤独」の解説に端的に記されています。

    影の檻‥‥土から発掘されるガラクタを美術館に持って行くことが趣味みたいなオヤジとその娘の年下の友人であるホイッスル・ヒルズの名の由来を、身を以って体験する少年の話
    ミス・マウンテン‥‥彼女が太っている理由・その象徴となった銀のクッキー容れと、孫娘・孫息子の話
    あててみて‥‥guess 学校が嵐に会い損害をうけ、並木道の古い木も倒れた。暫くほかの学校で授業を受けることになった姉妹にまとわりつく正体不明の彼女は一体…?
    水門で‥‥製粉所や家族、みんなから尊敬され愛されていたビーニイは徴兵され休暇で帰ってくると戦地の話は重く口を閉ざした。ある嵐の日、オヤジが水門を開ける作業についていく主人公は、その作業を支える影を見る。翌日、兄の戦死報告を受ける。
    お父さんの屋根裏部屋‥‥器量を母に期待されるロザムンドはある日立ち入り禁止されていた屋根裏部屋が開いたので入る。助け出された頃には父に母が抱く軽蔑「別に何も」という父に、誰よりも共感を感じていた。
    ジョギングの道ずれ‥‥足の悪い弟にすべての愛情を注いできた母が死んだ翌日、弟も階段から落ちて死んだ。そんな不注意のない人だった筈だのにだ。弟を母の愛情を奪ったことで幼少より憎んでいたケネスは母が死んでからは弟と二人暮らしになったその日も、いつもどおりジョギングをした。その彼の後ろに近づいてくる足音が聞こえる。彼と共に成長した憎しみだ。彼はジョギング中、心臓発作で死んでしまう。顔には恐怖が浮かんでいたという。
    手招きされて‥‥老人しか住んでいない筈の家に度々ボールを取りに行くピーター。一体自分を手招きしていたのは誰だったのか
    両手をポケットにつっこんだ小人‥‥アフリカでライオンに噛まれたせいで足の悪いポーターさんは一人暮らしで母は彼の代わりに買い物を引き受けている。その彼がアフリカから持ち帰った人形は、特別な液体を頭の天辺の穴に注ぐと敵を倒してくれるという。ある日ポーターさんの家に泥棒が入る。あの人形は道端に倒れ血を浴びていた。
    犬がみんなやっつけてしまった‥‥漁師だった叔父が気が狂って死んだ。その家に一晩泊まった甥は、鼠に襲われたが両親に夢だったといわれる。うっかり飼犬を泊まっていた客間に入れ、一晩大騒ぎさせたところ、犬がみんなやっつけてしまった
    アーサー・クックさんのおかしな病気‥‥庭の広い安い物件に引っ越したら主人のアーサーがテレビを見ようとするともやがかかり、気分が悪くなる病気になりだした。娘のジューディは直ぐに引っ越したという前の家の人、前の前の家の人、その前の夫が死んでからここを手放した老女を尋ねて行く。そして老女が最後に明かしたことに従うと、父の病気は解決する。

  • 20120730

  • あの名作、『トムは真夜中の庭で』の著者が20年のちに書いた怪談集。
    わりと普通ではありますがそれぞれ味わい深くもありました。

    (2006年07月15日読了)

  • なんともいえない怖さがあります。
    夢に出てきました・・・

  • この本は、フィリパ・ピアスが一九七七年に発表したThe Shadow‐Cage and Other Tales of the Supernaturalを訳したものです。「影の檻」をはじめ、十の短篇がおさめられていますが、もとの題名が示している通り、すべて私たちの人生をときどきおおうことのある暗闇と、自然を超えて人生に働きかけるふしぎな力を扱った作品ばかりです。しかし、テーマは「超自然」であっても、作品をつらぬいている方法は、あくまでもきびしい内面的なリアリズムです。

全7件中 1 - 7件を表示

フィリッパ・ピアスの作品

ツイートする