ながいながい旅 エストニアからのがれた少女 (大型絵本)

  • 岩波書店 (2008年5月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (48ページ) / ISBN・EAN: 9784001112092

みんなの感想まとめ

戦争による苦難を乗り越えた少女の旅を描いたこの絵本は、避難を余儀なくされたイロンの心情と成長を美しいイラストで表現しています。エストニアからフィンランド、さらにはスウェーデンへと向かう道のりは、彼女と...

感想・レビュー・書評

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  • リンドグレーンの『やかまし村の子どもたち』シリーズの挿絵画家、イロン・ヴィークランドが、エストニアからフィンランドに避難した自身の経験を描いた絵本。
    『エストニア紀行』で梨木香歩さんが紹介していて手に取った。

    イロンはエストニアで母方の祖母と暮らしていたが、戦争がはじまり、より安全な田舎に住む父方の祖母のところに避難することになる。
    一人で電車や馬車に乗り、祖母の元へと旅するイロンだが、そばにはいつも彼女を守ってくれる犬がいた。彼女は犬とともに新しい生活に溶け込み、つかの間の幸せな暮らしを送る。しかしそこにも戦争が近づいてきていた。

    絵本の表紙を開けると、イロンと犬のほほえましい絵がたくさん描かれている。二人が戦争によって引き裂かれてしまうのを知った後で見ると、あまりにも切ない絵だ。犬の名前は最後まで呼び表わされず、ずっと「犬」のままであるのも、イロンの喪失の大きさを物語っているようである。

    犬を失い、つらい気持ちを抱えながらも学校に行き、友達と遊ぶイロン。一見平穏が戻ったかのような描写だが、イロンの中では犬のいない悲しみが癒えることはない。
    そして戦争もまだ続いていた。彼女は祖母と別れ、今度は国外に避難しなくてはならなくなる。
    漁船に隠れてバルト海からスウェーデンへと向かうイロン。荒れ狂う海を乗り越え、命からがら救助船に助けられた彼女は、老成した自分の心情と見た目とがあまりにも不釣り合いに感じ、おさげを切り落とした後気を失う。
    目を覚ました時の彼女の顔、目の奥が真っ黒で、絶望に満ちたモノトーンの絵が衝撃的で忘れられない。

    フィンランドで画家をしている父方のおばさんに引き取られた彼女は、絵を描くことで自分を取り戻していく。そして彼女の誕生日に小さな子犬がプレゼントされる。子犬はちゃんと「サンメリ」という名前で呼ばれ、イロンの長い旅はようやく終わる。

    幸せな生活の時のイロンと犬の表情、豊かな色彩、風景の美しさと、戦争が入り込んできたときのモノトーンの色合いや荒いタッチが対照的で、イロンの気持ちが視覚的に伝わってくる。その表現に絵本のすごさを思い知らされた。

  • 帝政ロシア崩壊後のエストニアは、旧ソ連軍とドイツ軍の侵攻が度重なる辛酸の歴史をもつ国・・・。この物語は、画家イロン・ヴィークランドが戦争から逃れるため、苦難の旅の果てにスウェ-デンに亡命した子供時代の辛い体験をもとに描かれました。 生まれの故郷エストニアを偲び、第二の祖国スウェ-デンに感謝の念を奉じ、自国を捨て避難を余儀なくされている世界の現状に、怒りと憤りのメッセ-ジがこもった感動の絵本です。

  • エストニアの方だったんだ、、、

    岩波書店のPR
    リンドグレーンとの名コンビで知られる画家ヴィークランドは,子どもの時にエストニアからスウェーデンへ亡命した.戦争の荒波にもまれる幼い少女の涙と希望の日々を描いた自伝的作品.
    https://www.iwanami.co.jp/book/b254716.html

  • この本は、絵を描かれたイロン・ヴィークランドさんの自伝。だから、場面ごとに楽しく遊んでいるところは色づかいも華やかだし、戦争の描写やイロンが病気になってしまうところは色が白黒が多くてつらい、悲しい感じが伝わってきた。
    犬が死んでしまったところも、絵が悲痛さを表現していて・・・
    でも最後はイロンの人生に色がたくさん出てこれてよかった。
    ニュースで見るような難民の生活の一部を切り取っただけのものではなく、一人の少女がどうやって難民になったかということが、少女目線で語られている。
    最後のページの、訳者の石井さんの文章もとてもよかった。

  • 1人で生き抜いたのね~凄い!偉い!

  • 戦争を避け、少女と犬は2人で疎開することに。
    駆け回り遊ぶ子どもたちに、日常の尊さを感じます。
    解説まで丁寧に読みたい本。

  • やかましむらシリーズの挿絵作家さんの自伝絵本です
    つらいつらい過去なのに
    さらっと読めてしまったなぁ

  • 戦争のため、エストニアからスウェーデンに逃れた少女の物語。

  • 「エストニア紀行」で梨木香歩が紹介していた本。

    周りの国々に翻弄されてきたエストニア。
    小さな女のこと名前のない犬。

    美しいエストニアの風景。
    彼女の眼にはほんとにほんとに美しくみえたんだろうな。

    戦争はどこにでもあることが悲しい。

    なくなってほしい。ほんとに。

    いつかその記憶を乗り越えることができたとしても、戦争の記憶は本来の人生に必要なものではないのだから。

  • 戦争を一番近くから見た女の子

  • 少女が、スウェーデンの避難先で、鏡をみて、急に大人になったようにかんじ、おさげを切り落とすシーンが印象にのこる。

  • 2012/11/29読了

    エストニア紀行 から。

  • 画家の自伝的絵本。
    戦争によって、エストニアからスウェーデンに逃れた少女の物語。

  • A・リンドグレーン作品の挿絵で有名なイロン・ヴィークラントが、子どもの時にたった一人で生まれ故郷を離れて、スウェーデンへ移った頃の話を挿絵で描いています。エストニアは第二次世界大戦中はドイツに、ドイツが去った後はソ連に占拠され、彼女は他の避難民とともに船でスウェーデンへ渡ったそうです。兵士に愛犬を殺されたりと悲しい思いをしながらも、友達と遊んだり、学校へ行ったりといった故郷での想い出が美しい絵で表現されています。
    文章を書いたラーゲルクランツも収容所を経てスウェーデンへ逃れたとのことです。

  • 【スウェーデン】

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