蛙となれよ冷し瓜――一茶の人生と俳句

制作 : カズコ・G・ストーン  脇 明子 
  • 岩波書店 (2014年8月28日発売)
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  • レビュー :6
  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001112481

蛙となれよ冷し瓜――一茶の人生と俳句の感想・レビュー・書評

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  • 引き続き、アメリカ生まれの俳句絵本。
    小林一茶の生涯を、一茶自身の33の俳句を織り交ぜながら紹介している。
    「Cool Melons-Turn to Frogs!」というタイトルで出版された絵本が逆輸入し、脇明子さんが翻訳したもの。
    ひときわ大きな文字でページの端に縦書きの俳句。
    中くらいの文字で、その俳句の解釈が横書き3行で載せられ、更にその下に著者による詩のような英訳が小文字で3行、というつくり。
    細やかでどこか懐かしさを感じる挿絵は、これもアメリカ人の挿絵画家さんによるもの。

    まるでわらべ歌のようなのどかな幼年時代。
    継母との軋轢に苦悩する少年時代。
    14で郷里をあとにし、出稼ぎの一行に加わって江戸へ。
    俳句の道を立て、小林一茶と名乗った頃。。。
    それぞれの年代にふさわしい俳句は、文字通り生き様そのものとなっている。
    全部で2万もの数があるという一茶の句から、生涯と人となりを紹介する手がかりとなるような33の句を選びぬくのは大変な作業だったことだろう。
    画家さんは一茶の育った地を訪れ、山々の姿や草木や生き物の息遣いを感じ取って、描いていったという。その情緒あふれる絵は、強く心を惹きつける。

    誰もがよく知る句をひとつ。

    「雀の子 そこのけそこのけ御馬が通る」

    雀のちびさんたち 
    ほうら、どいて、どいて!
    お馬さんが通るよ

    Sparrows chicks-
    Look out! Look out!
    Make way for Mr.Horse.

    アメリカの小学校では、ぴったりした言葉を探しながら文を書く練習の手始めに、ハイクを作る勉強をするのだという。
    音節の単位で区切るというから、日本人が考える5-7-5とは少し違うが、薄幸の生涯だった一茶にここまで寄り添って出版していただいたことに、心から敬意と感謝を。

    長さもあり読み聞かせには難しいが、ぜひ大人向けの絵本としてご家庭で。
    200年以上も昔の人だが、どんな逆境にあっても生き物たちへの温かな眼差しを忘れなかった一茶。今や世界中の子どもたちに語り継がれてるということを、教えてあげたいな。

  • 大好きなレビュアーさんの投稿を見て読みました。

    「昔むかし、山に囲まれた小さな宿場町で、ひとりの男の子が生まれ、弥太郎と名づけられました。……山国では、季節が少しずつ変わっていくのが、よくわかります。弥太郎の世界は、新しい発見でいっぱいでした。

    梅咲やせうじに猫の影法師」

    小林一茶の生涯とともに彼の作った俳句を、日本画の挿絵とともに紹介していく絵本。

    母親の早逝、継母との不仲とそれに伴う早い独り立ち、俳句の師匠に弟子入りし、旅に出、所帯を構えてからは次々に子どもに、妻に先立たれた悲しみの多い生涯に、身近な生きものを題材にした歌を読み続けた彼の姿に胸が痛い。

    俳句の本なのになぜ横書き?の疑問にはあとがきが答えてくれました。
    これはアメリカで出版された絵本の翻訳だったのです!
    なんというすばらしい逆輸入。
    アメリカの子どもたち向けに書かれたとはいえ、日本の読者にはいっぱい感じるところがあると思います。

    • nejidonさん
      図書館あきよしうたさん、こんにちは(^^♪
      いつもたくさんのポチをくださり、ありがとうございます!
      読んでいただけるだけでも嬉しいのに、同じものを読まれたようで、
      飛び上がりそうなほど嬉しいです。
      おまけにその本についてもお話が出来ますし、ブクログって有難いなぁと思います。

      俳句絵本とは、日本人として気づきもしませんでした。
      一茶の生涯をおかげで知ることにもなったし、海外の方にはむしろ感謝しないといけないかも、ですね。
      また興味深い本に出会いましたら教えてくださいねー。
      2018/04/22
  • 授業の参考資料として図書館より拝借。学期のスケジュールの関係で俳句を作ってみる、というところまでいかず無念。しかしこの単元のおかげで、芭蕉と一茶について多少知ることができました。

  • 副題の通り、小林一茶の伝記と同時に、絵と英語で(もともとが英語の絵本)俳句がたくさん紹介されています。絵と伝記と俳句と英語ということでお得感アリ?より深く味わえる気がします。そういえば、一茶の俳句ってじっくり読んだことがなかった。(i44)

    小林一茶は有名だけど、その人生や超有名なもの以外はあまり知られていない気がする。
    海外からの逆輸入?英訳俳句を自分で読むことで、かえって日本語をよく味わえる気がする
    (i44)

  • 誰にも言えないその気持ちを言葉にする方法、それが俳句かあ。

    小林一茶の生涯を、その俳句を交えて辿っていく、伝記絵本です。
    面白いのは、書いたのが外国の方だということ。
    絵もそうです。
    だから、日本の雰囲気とちょっと違うところもあるのだけど、でもそれが面白い。

    もちろん俳句も英語になり、そしてまた和訳されている。
    その微妙なニュアンスというか、雰囲気の違いもまた面白いところです。
    でもやっぱり、英語にして和訳すると、すごく説明っぽくなっちゃうんですよね、俳句。
    575の端的な魅力はなくなっちゃうかもしれない。

  • もともとは英語で出版された絵本を日本語に訳して出版したもの。

    一茶の生涯が俳句と一緒に紹介されている。

    一茶は本名を弥太郎と言い、母親とは上手くいかず、父親に自分の気持ちを表すのに俳句を作ったらどうかと勧められた。
    ところが、野良仕事もせずに俳句を作っていることをっ葉親は更によく思わなく、見かねた父親が都へ出稼ぎに向かわせる。
    都で俳句の師匠の身の回りの世話をしつつ、俳句を学び、弟子を取るまでになる。
    父親が病気に倒れ、他界するまでの間は故郷で過ごす。
    父親が他界したあとは母親と家の権利で揉め、結局家の中に壁を作ることで決着がつく。
    50才になって嫁を取り、子供も生まれるがみんな死んでしまう。
    一茶は生涯で2万句以上もの俳句を作ったのだった。

    英語版では日本語の文字を紹介するために俳句が毛筆で書かれているが、日本では逆に読みにくいので活字にしてあるなど、多少の違いはあるとか。

    一茶の句は解釈文なしで俳句だけでも状況を想像しやすく、分かりやすい。

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