- Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001120059
作品紹介・あらすじ
スケート大会の1等賞の銀のスケート靴と、記憶をなくしたお父さんが埋めたはずの千ギルダー。これらの行方をめぐって、ハンスとグレーテルの兄妹がオランダを舞台にくり広げる感動的な物語。小学上級以上。
感想・レビュー・書評
-
運河の国オランダ。冬には凍った運河をみんながスケートで行き来する様子がありありと目に浮かびます。
記憶を無くし、ほぼ寝たきりの父、それを支える母と母を支える兄ハンスと妹グレーテル。貧しくてもお互いや周りの人をを思いやる気持ちを持つ二人の様子、また、お金持ちなのに(?)優しく親切なピーターとヒルダのおかげで救われる思いで読むことができました。
ニューヨーク出身の作者ですが、祖先にオランダ人の血がまじっていたこと、当時(1800年代)のニューヨークにオランダ移民がたくさんいたことなどから、ふたりの子どもたちに、オランダの歴史や地理を教えると同時に、家庭生活をおりこんだおもしろいお話をつくって聞かせはじめた、というのが始まりだとのこと。
スケートというと、小さい頃読んだ「ペーテルとペトラ」を思い出し、牛乳屋が出てくると、「フランダースの犬」が思い出されましたが、後者とは対照的な幸せな終わり方に、心が温まる思いでした。
公共図書館の閉架にあった岩波少年文庫版で読みました。表紙の運河をすべる様子と周りの木や建物の絵も素敵です。現在は入手不可能なようなのが残念。
寒いのもスケートも苦手ですが、冬のオランダをこの目で見てみたい気持ちになりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オランダの事が、良く分かる!
-
なんと清々しい読後感。これぞ児童文学。
お父さんの病気が大分重くって、どうなるやらとドキドキした。名作劇場的なアニメ番組でやんないかな。 -
オランダの歴史書のていもある物語ですね。
こどもたちの健気なこと、泣いてしまいました。
とてもこんないい子ではなかった自分は恥ずかしいです。
最後がハッピーで本当に良かったと思える話かな。書かれた時代が児童文学がこれからという頃だから、これでいいのかも。 -
『ハンス・ブリンカー』の物語、ながら、オランダの歴史や地理に関する記述も豊富で(訳者が省いても尚、充分な)厚みのある文庫。しかし、引き込まれるように、ほぼ一気に読んでしまった。
ハンスとグレーテルの父は堤防を守る仕事をしていたが、事故で正気と記憶を失い、十年もたつ。貧しい一家と健気な子ども達の生活や、とりまく人々の不思議な巡り合わせ、父が埋めたはずのお金の行方と、預かった時計の謎…。
登場する面々の場が切り替わりつつも、流れるように話を追うので読みごたえもあるし、何より、展開していくにつれ、味わえる物語は感動的だ。
あとがきによれば、アメリカ生まれの作者のメアリー・メイプス・ドッジ夫人によるこの本が出版されたのは1865年で、少年少女小説の先駆とも言われ、また優れた少年少女向け雑誌「セント・ニコラウス」を作った人でもあったそうである。
そういえば、たまたま最近読んだ、作家のゴールドマン夫妻の古書探訪エッセイの中で、この『銀のスケート』の古書を買うというくだりもあった。今なお読み継がれ、エポックメイキング的なものでもあったのだろう。 -
オランダの兄弟のお話。楽しいスケート遠足の後に、なんとなくつられて読んでしまった。苦労していた兄弟だから、最後はほっとした。
-
この本はねぇ、子供の頃学校の図書館で読んで、当時はまだオランダという国のことをよく知らなかったんだけど、小説なのか、オランダ紹介本なのか、はたまたオランダ旅行記なのかよくわからない(^^;) ようなところがあるこの本を読み進めながら、想像力をたくましくしていたことを思い出すんですよね~。 と同時にこの本の中でも紹介されている「ハールレムの英雄」というお話(1人の少年がふとしたことで見つけた堤防の水漏れを大災害を予防するために自分の手でふさぐというお話)は、今となっては記憶が定かじゃないんだけど、国語の教科書だったか道徳の教科書だったかにも載っていて、「あ、これはあの『ハンス・ブリンカーの物語』にあったお話だ!」と何だかウキウキしちゃったという思い出もあります。
(全文はブログにて) -
最近、昔読んだ児童書を読み返しています。
絵が描きたくなる。 -
オランダを舞台にした、強く生きる兄弟の話。本編とは別に進む、少年たちのスケート旅行話が好きだった。