- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001120264
感想・レビュー・書評
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何度となく読み返している大好きな本「小公子」
岩波少年文庫に新訳が登場したと聞き、
うきうきと本屋さんへ見に行ったが、
これがなんともつまらない…
そうなるとこちらの吉田甲子太郎先生訳は
手に入りにくくなるのか…?と
俄かに焦り、古本を探す旅にでることに…。
アメリカで母親と二人で暮らすセドリック少年
亡くなった父親は伯爵家の三男であった。
アメリカの女と結婚することに反対の父親とは
絶縁状態であったが、
上の二人の兄も亡くなり、セドリックが爵位を
継ぐことに…
食料品屋のホッブスさん
靴磨きのディック
弁護士ハヴィシャム氏
ヒナギクの様に美しいヴィヴィアン・ハーバード嬢…
伯爵がエロル夫人の素晴らしさに気付き、
仲直りを申し出るところ、
ある詐欺事件がディックのおかげで
バシッと解決するところ、
何度読んでも面白く、嬉しくなるなあ。
そして最後に
最近よく出版される新訳について
私は「親しみやすい日本語」と言うのを
ほとんど信用していない。
特に古典と言われる作品であれば
少々堅苦しい、高尚な
ふだんあまりなじみの無い言葉であっても
その世界をよりよく表現できる方を選んで欲しい。
わかりやすい平易な言葉で…と言っているけれど、
これ以外にもわかりやすい美しい言葉はあるのでは?
単にその言葉しか知らないだけでは?
と白けたまなこを向けてしまうものが多い。
私に「古めかしい・あまり誰も使っていない日本語が好き」
と言う習性があるのは確か、
だから余計にそう思うのかもしれぬが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
川端康成が訳したバージョンもあるそうで、そちらも気になります。