氷の花たば (岩波少年文庫 (2133))

制作 : フィリップ・ヘップワース  石井 桃子  中川 李枝子 
  • 岩波書店 (1996年10月15日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001121339

氷の花たば (岩波少年文庫 (2133))の感想・レビュー・書評

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  • 心穏やかにゆっくり味わいたいアトリーの短編集。胸がざわついたり、うっとりしたり。夢のある美しい小さな物語が6つおさめられています。どれもいいけど、私は木こりの娘に魅かれました。「赤んぼうのほっぺたは深い森に実るサクランボのようにピンクで、肌はサクラの花のように白く、くちびるはクローバーの花のようににおやかでした。」訳も表現もとてもきれいです。
    ・メリー・ゴー・ラウンド
    毎年、村にやって来る楽しいフェア(おまつり)。双子の兄弟、ジョンとマイケルが好きなのはメリー・ゴー・ラウンド。ある日、キャラバン隊のお婆さんにもらった小さな呼び子を夜中に吹くと、馬たちが動き出します…。ギャロップ、ギャロップ!馬と少年たちのドキドキや汗や息遣いが伝わってくるような生き生きとした不思議なお話です。
    ・七面鳥とガチョウ
    七面鳥、ガチョウ、コブタ、プディング、キジというクリスマスに欠かさないご馳走たちがクリスマスを楽しむため家から逃げ出すというユーモラスなお話。目的地のお城ではブレーメンや猿カニのようにみんなで力を合わせ、泥棒をやっつけます。素直に読める昔話のような楽しいお話。
    ・木こりの娘
    桜のように美しいチェリーが暖炉から現れた金色熊と出会い、イラクサの上着と山桜のドレスを作ります。それは金色熊の魔法を解くために必要なものだったのです…服の仕上がり方や自然描写がきれい。ストーリーも恋物語てすてき。最後に雪のように桜の花びらが降るシーンが大好き。
    ・妖精の船
    小さい男の子トムが海を眺め、船乗りのお父さんとサンタクロースを待っていると小さな船がやってきました。何と船に乗っていたのは、24匹の白ネズミとアヒル船長でした…クリスマスにいいお話。健気なトムがあいらしい。嘘が誠かわからない書き方とその出来事を包み込む現実のお母さんとお父さんの愛情に満足です。お父さんの子守唄がとても幸せ。
    ・氷の花たば
    雪道で助けてもらったお礼に娘を差し出す約束をしてしまった父親。そうとは知らず、美しく育つ少女ローズ。ローズは冬になると元気になり、スケートをすると見えないものから不思議な贈り物を受け取ってくるのだった…贈り物の氷の花やリースがきれい。物語全体に不思議さと切なさがあります。余韻に浸る物語。
    ・麦の子 ジョン・バーリーコーン
    お婆さんが拾った卵から生まれた不思議な子ども。ジョン・バーリーコーン。ジョンが種を蒔くと野菜ばたけはびっくりするほどよく育つのでした…キリスト教や教会、収穫祭など文化背景が感じられ、不思議さや神聖さを感じるお話でした。挿絵もどれも好きです。

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