アンデルセン童話集 3 (岩波少年文庫 007)

  • 岩波書店 (2000年6月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784001140071

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

物語の深いテーマや人間の心の葛藤が描かれた作品で、特に『赤い靴』や『雪の女王』は印象的です。『赤い靴』の殉教的な側面や、『雪の女王』でのゲルダの優しさが強調され、彼女の旅を通じて様々なキャラクターとの...

感想・レビュー・書評

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  • chiakihiranoさんの、感想文を見て。

  • 大畑末吉訳による『完訳アンデルセン童話集』は全7巻だが、岩波少年文庫では3巻におさめられており、その最終巻。

    有名なところでは『赤い靴』、『雪の女王』を収録。『赤い靴』ってこんなに殉教的な話だったんだ。

    『雪の女王』は子供の頃、レコード付きの紙芝居をもっていたので話は知っているつもりだったのだけど、完訳版だと結構長い(そして残念なことにそれほどおもしろくない)。行く先々でカラスから山賊の娘まで、いろんな人がゲルダを助けてくれるんだけど、それがゲルダ自身の持つ「やさしい罪のない心」の力だと言われても。雪の女王は思っていたより悪い人でもないし、カイのヘタレっぷりはあいかわらず。

    「いったい、あんたのために世界のはてまでいくほど、あんたに値打ちがあるのか、あたしは知りたいね。」

    『びんの首』、『古い家』など時の移り変わりを描いた作品が印象的。白眉は『「あの女はろくでなし」』。すごいタイトルですが意味がわかると、アンデルセンの母親への愛と尊敬が感じられます。

    ちなみに昔『アンデルセン物語』というアニメがあったのだけど(1971年放映なのでさすがに再放送を見たのだと思われ)、そのなかで『氷姫』という話が結構トラウマでした。
    タイトルが『雪の女王』に似ているけれど別の話。氷姫に気に入られた男の子が成長して青年になると、彼の結婚式の前日に指輪を取りに海へと潜ったところ氷姫に連れ去られるという、ホラーのような物語。岩波少年文庫版には収録されていないけれど、『完訳アンデルセン童話集 5』に収録されているようです。

    アンデルセン童話集って子供向けじゃないよなということを再確認した3冊でした。

    以下、引用。

    その絵の下のガラスのうしろに、ひからびた花たばがかけてありました。これもきっと五十年たっているのかもしれません。そのくらい古く見えました。大きな時計のふりこが、いったりきたりして、針がまわっていました。すると、へやの中のものがみな、いっそう年をとりました。

  • ■赤いくつ
    子どもの頃読んで怖かった印象が強いお話。原作はより宗教色が強い。
    小さい子どもが読んだらトラウマになってしまうだろう。。ただ物語が生まれた地域、時代においては、信仰心の大切さを説くという意味で強烈なインパクトを残す名作だと思う。
    アンデルセン童話では度々、堅信礼が登場し、重要な意味をなしている。

    ■びんの首
    びんの首が自身の身の上話をするお話。
    びんの首ひとつで、ここまで物語を膨らませる創造力にあっぱれ。

    ■年の話
    四季を1人の一生として捉えるお話。
    よろこびの春の王子をコウノトリが連れてきて、たくましく育った夏を迎え、実りの秋を迎えた後は、雪のような白髪の老人になっていく、、そしてまた春がやってくると、霧のようにどこかへ運ばれていく。
    季節の移り変わりの情景描写が美しい。
    デンマークは日本と同様に四季がはっきりしていることを知った。

    ■さやからとび出た5つエンドウ豆
    エンドウ豆の行方を追ったわかりやすいお話。故郷は同じでも、その後の人生はそれぞれ異なる。ただ、病床の女の子に希望を与えたエンドウ豆だけが立派なわけではない。鳩の餌になった豆たちも、下水と一緒に暮らす豆もみんなそれぞれよいのである。

    ■あの女はろくでなし
    これは表題から想像していたストーリーとまったく異なった。
    アンデルセン自身の母について書いた物語とされており、その内容はとても切ない。
    不幸な身の上ゆえに、僅かな食べ物はほとんど息子に与えて、自分は酒で寒さを誤魔化して体調を崩しながら働く。亡くなったあとでさえも「酒のために死んだ、あの女はろくでなしだった」と他人から後ろ指を指される。
    母の深い愛情を知るのはその子どものみなのに。

    ■ロウソク
    ロウソク目線で心情を捉えたお話。ミツロウのロウソクは住まいも豪華で、自身の役割にも誇りを持っている。そんなミツロウのロウソクを羨ましく思う鯨油のロウソク。ただ自身も、女の子の顔を幸福に光輝かせられたとき、自身の人生の幸福を知る。

    ■とうさんのすることはいつもよし
    単純明快なストーリーで面白い。他の童話とは少し毛色が違う印象。側から見ると、おかしな物々交換を繰り返す百姓だが、おかみさんはいつも褒め称え、「うちのとうさんほど賢い人はいない、とうさんのすることはいつもよし」と信じている。
    とうさんは気持ちいいだろうなぁ。見習いたい精神である。

    ■雪の女王
    アナ雪の原作&長編だったことで期待値が高まり過ぎたかもしれない。
    ガラスの粒が突き刺さったカイは不幸だが、突然意地悪になった後もゲルダはカイを嫌いにならず大切に思うのは、子どもにしては寛容で大人すぎる。
    様々な困難や恐怖に打ち勝って、カイを助けに行くゲルダは勇敢そのもの。これはゲルダの物語である。山賊の小娘は野蛮であるが、意外にも人情深い。登場人物の中で一番魅力的に見えた。
    少し不満だったのは、ラスト。やっとのことで雪の女王と対峙できるかと思ったら、直接的なシーンはなし。ガラスの粒を持つカイを救うのは困難を極めるはずなので、ここでの説得シーンが山場かと思いきや、意外にもあっさり元の姿に戻るのが拍子抜け。その後も雪の女王が立ちはだかるかと思いきや、現れず。。
    ゲルダの強い愛と信念が、周りの人(動物)たちを動かし、道を切り開いていくストーリーとしては非常に面白い。

  • 2さつあります。

  • やっぱり好き!

  • やっぱり、「雪の女王」は名作だと思いました。
    ゲルダの力になってくれる動物たちや、山賊の小娘がかわいらしくて好き。
    ちゃんと原作を読んでおくのはいいものだなーと思いました。

    「赤いくつ」アンデルセンだったのね!
    ラストのところなど、自分が絵本と知っていた内容と少しちがっていました。
    やっぱり宗教色が強い。

  • 出番そんなにないのにタイトルになってしまう
    雪の女王の存在感。

    自然を愛する態度とか
    素朴で垢抜けなくて美しい情景とか
    漂う物悲しさとか
    賢治を思い出す。

  • 借りた所:川崎市図書館
    借りた日:2007/04/22-
    読んだ日:

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著者プロフィール

1901年、埼玉県生まれ。東京大学独文科卒。ドイツ文学者、翻訳家。早稲田大学ほかで教授を歴任。アンデルセンの著作を日本で初めて原典から翻訳し、アンデルセンの研究と紹介に尽力。1978年没。

「2011年 『アンデルセンどうわ15話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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