プー横丁にたった家 (岩波少年文庫(009))

著者 :
制作 : E.H.シェパード  A.A. Milne  石井 桃子 
  • 岩波書店
4.02
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140095

感想・レビュー・書評

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  • 『クマのプーさん』続編。
    最初、プー横丁ってなんだろうと思ったのですが、イーヨーのあたらしい家のある場所です。その経緯を読むと微笑ましくもおいおいと思ってしまうのですが。

    今作で大きいのは、トラー(ディズニー的にはティガー)が加わったことでしょう。良くも悪くもおっとりした子が多いので、トラーのわんぱくさは目を引きました。
    そして、クリストファー・ロビンの成長も気になります。これは単純にぬいぐるみ遊びをしていられた時期から、勉強をして学校に通うようになる。子どもの社会から抜け出るという意味での成長でしょう。作品はあくまでフィクションとして、いつまでもクリストファー・ロビンを無邪気な子供の設定にしても良かっただろうにそうなったのは、自分の子どもをモデルにした故だろうと思います。

    しかし、終わりのプーとクリストファー・ロビンのやりとりがとても好きです。騎士に叙する、いかにもイギリスらしいなぁ。大人になってもプーたちのいる百エーカーの森という居場所があるよ、と示唆する書き方が好きです。そしてそれを垣間見せてもらったことがとても嬉しい。

  • 読み聞かせを通じて、初めて完読。

    9歳になった娘に音読しながら思ったのは、プーは父であるミルン自身の中の「こども」そのものなのかなと。幼い息子のキラキラするような感性の力をかりて、自分の中の「こども」を取り戻し、一緒に魔法の森を冒険させてもらったのは、むしろ父である自分の方だと。子供たちほど輝いたり、俊敏に聞こえないものを聞き取ったりはできない「のろまで非常に頭のわるい、でも詩人のクマ」。

    元々、「こども」としての感性を持ち続けていたミルンが育児を通じて、自分自身の「こども」を取り戻した喜びと限られた時間の輝やきを、慈しみ惜しみながらも、父と子で歩んだ冒険の日々にも、「こども」達の憧れにも、魔法の森に還れば、きっといつでも、あるいはいつの日か、また再会できるよ、とうたいかけているよう。

    これは単純な少年性の喪失、成長の物語ではなかったんだ。もっと重層的に環を描きながら、循環している。

    大切な誰かに「おかえり」と囁くように物語の環はいったん閉じた。ミルンとクリストファーの実際の人生を想うと切ないが、100年後の再会を約束したプとクリストファーのように、魔法の森で今も父子がなんにもしない幸せに包まれていますように。

  • トラーを仲間はずれにしちゃう話など、けっこうシビアなことも盛り込まれている。分からないことをごまかそうとするフクロはまるで大人になったわたしのよう。魔法の森で起きていることは、せちがらい実社会と何も変わらないのに、それをプーのとぼけたやさしさがいとも簡単に救ってくれる。

    児童書だからってあなどれない本。

  • やっぱりプーさんの詩の才能はとんでもない。普段の語彙と詩を作るときの語彙が違いすぎるのは何故なんだろう。
    なんだかとっても好きなお話ばかり。最後はちょっと切ないですね。
    みんな頭が良くて、素直で。素直じゃないイーヨーも、多分あれが何より素直な姿なんだと思う。
    イーヨーとウサギのコンビも、トラーとウサギのコンビも、なんだかいい感じ。
    そしてやっぱり、プーとコブタとクリストファー・ロビンの三人が集まった時の、あの和やかな感じがとっても素敵です。

  • 『くまのプーさん』の続編。今作からはトラのぬいぐるみトラー(ティガー)が仲間入り!1番最後は悲しかったな。こうやって人は大人になって何かを忘れていくんだね。クリストファー・ロビンだっていつまでも子どもではいられないんだもの。2012/345

  • 「ぼく、もうなにもしないでなんか、いられなくなっちゃったんだ!」

    本の途中から、クリストファー・ロビンは午前中にプーたちと遊べなくなります。どうやらフクロが言うには「学問をしてる」そうです。

    クリストファー・ロビンは、夏の日にはとくべつのんびりした気分になって、プーたちといっしょにゆっくりと流れて行く川を見つめます。
    はればれとしたのんきな日には、かけ算なんてどうでもいい、という気持ちになります。

    けれども(だれもがそうであるように)子供の時代は少しずつ遠ざかり、「ご解消」が必要になるのです。著者が言うように、「それがいちばんいいこと」なのでしょう。

    でも、魔法の森に行けばいつでもプーに会えるという希望があります。

    クリストファー・ロビンのその後を知る私たちには、それでも少し悲しい結末に思えますが…。

  • トラー(=ティガー)が登場するのはこちらのみ。プーとコブタの友情が泣かせる。ラストは物悲しいなあ。プーたちの暮らす森はピーターパンのネバーランドのようなもので、クリストファー・ロビンが大人になればいつかは失われてしまう。でもこの切なさこそが、この物語が長く読み継がれてきた理由なのだと思います。

  • 読んでいると幸せな気分になる!

  • プーさんの世界を懐かしいような気持ちで読める一冊。
    また読もうと思います。

  • プーくまは詩人。
    やっぱり文章がへんてこ(笑)

    個人的には前巻の方が好みだったけれど「コブタが、とてもりっぱなことをするお話」が好き。

    最後の章が寂しい。
    こういうのをはっきり描いている話って、ありそうで実はあまり無い気がする。
    大学の授業とかで題材にされるのも分かるな。

    私も小さい時に脳内にぬいぐるみ共同住宅(なんじゃそりゃ)を作っていたのを思い出した。懐かし。

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