銀河鉄道の夜 (岩波少年文庫(012))

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140125

感想・レビュー・書評

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  •  日本語の拙い中学生の娘用に購入しました。以前、『注文の多い料理店』を読み、所収されている作品には自然との一体感が描かれており感銘を受け、面白かったからです。
     本作『銀河鉄道の夜』は寧ろファンタジー系中心の作品で、個人的にはとっつきづらかったです。なお娘の感想は、一言『つまらない』でした笑

     以下、所収されている順に作品について寸評させて頂きます。

    『おきなぐさ』おきなぐさという植物について、『私』が周りの植物や昆虫、鳥たちに好きか嫌いかを聞いていくという話。絵本の内容を文字に起こした感の文章。宮沢賢治らしい自然の観察が描かれています。

    『めくらぶどうと虹』めくらぶどうと虹とのダイアログ。二つの自然物が死について語り叫ぶ様子は、自然の循環や輪廻を予感させる。二度読みしたがやや意味不明。

    『双子の星』天の川に住む星の住人?の双子のポンセ童子とチュンセ童子が天の悪者に騙されて海中へ落ちていく様子を描く。物語の筋がきちんと通っているため読みやすい。なかなか面白い。

    『ひかりの素足』雪深い山を行く幼い二人の兄弟の物語。弟は死の予感を得て恐怖し、兄は弟を励まし道を行く。気づくと死後の世界を二人でさまようが、すんでのところで兄だけがこの世へと戻る。これを小学生が読んでどのように反応するのか気になりました。

    『銀河鉄道の夜』名前は有名ですが初めて読みました。なかなか難しい作品だと思います。貧乏なジョバンニは次第に学校で友人とも遠ざかり仲良しだったカムパネルラとも疎遠に。あるお祭りの日、気づくとジョバンニは銀河鉄道に乗っています。しかもふと見るとカムパネルラも車中に。最終的には少年の死を描く作品で、滅法暗いです。

    ・・・

     曰く言い難いのですが、本当に子供向けなのか、と思いました。
     死というテーマを子どもから遠ざける理由も特にはありませんが、兎に角死を暗示する内容が節々で現れます。子どもが死というテーマに疑問を持った時に、それにきちんと答えられる大人がきちんと傍に居れば良いのですが・・・。ちょっと頭のいい子がこれを読んだら、めちゃくちゃシニカルでニヒルな感じになりそうですが(ちなみにうちの娘のように、つまらない、で流してくれれば問題ないですが)。
     帯には『先生がすすめる名作 6年生』とありますが、もろもろそんなに簡単な本ではないなあと感じました。

  • 独特の言い回しが雰囲気を作っている一方、難しいとも感じる。
    2011/11/15

  • 貝の火
    父親の愛のかたちは難しい

著者プロフィール

1896年(明治29年)岩手県生まれの詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、生前は理解されることがなかった。また、生涯を通して熱心な仏教の信者でもあった。他に『オツベルと象』『グスグープドリの伝記』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『セロ弾きのゴーシュ』など、たくさんの童話を書いた。

「2021年 『版画絵本 宮沢賢治 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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