ピッピ船にのる (岩波少年文庫 15)

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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140156

感想・レビュー・書評

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  • 目次で「ピッピなんぱする」と書いてあるのを見て、心配したけど、だいじょうぶだったから本当によかった。ピッピが死んじゃうかと思った。
    ごたごたそうのおわかれパーティーは、すごく楽しそうだった。でも、けっきょくおわかれしなかったからよかった。トミーとアンニカが好きだから、ピッピといっしょにいてほしかったし、お話に出てこなくなるとさびしいと思った。
    ピッピのおもしろいうそをいっぱいつくところが好きだな。(小3)

  • 『ながくつしたのピッピ』の続編。あいかわらずたいへんな力持ちでお金持ちでホラ吹きで奇想天外なピッピと、そんなピッピが大好きなトミーとアンニカ。3人の前に、突然ピッピのお父さんが現れる。ピッピを迎えに…!
    ピッピは何事にも動じず、誰にもたじろがない。弱いところが一点もない。それは痛快そのものである。が、逆に言うと、ピッピが何に心動かされるのか、誰にもわからない。泣いたり笑ったりしている時でさえ、通じ合っている気がしない。
    トミーとアンニカは、ピッピに特別な友情を捧げている。でもピッピのほうはどうなのか。もしかしたらピッピにとっては誰もがただの通りすがり、ちょっと振り向いてみただけの異邦人なのではないか…。これは『ながくつしたのピッピ』以来気になるところであった。
    ところが。さいごのさいご、旅立つ間際になってピッピは、ふたりが特別な、かけがえのない友達だということを示す。感動的な場面だった。トミーとアンニカのために、そしてピッピ自身のために、うれしくもありほっとしたりもする。
    子どもの頃読んだときには、こんなふうには感じていなかった。私もおとなになったものだ…。(本当か?)

  • 奇想天外なピッピの存在は胸がすく。食べ物から遊びまで縦横無尽にイメージが飛び回る自由さが大事だなー。著者ももちろんだけど、訳者の力もすごい。竹さんの靴(掛け算の九九)って本当に言い得て妙。

  • ピッピシリーズ2巻目。
    『長くつ下のピッピ』を読んだときは熱中症の後遺症で体調が悪かったこともあり、「なんでこいつはこんなに元気なんだ」という気分で読んでいたんですが、今回は素直に楽しめました。
    
    解説にもあるように本国スウェーデンでも1945年の発売当時はピッピに対して賛否両論だったようで、今回もピッピの破天荒さには変わりないものの、悪者をやっつけるとか結果的にはいい方向に向かうように調整されてるようにも感じます。
    
    「うそをつくのは、いけないことよ。おかあさんがそういったわ。」
    「なんだ、ばかだなあ、アンニカ。」と、トミーがいいました。「ピッピは、ほんとにうそをついてるんじゃない。じぶんのおもいついたことを、うそみたいにしてしゃべってるだけさ。こんなの、わからないとは、おばかさんだぜ!」
    
    ここらへんはうるさいことをいう人たちに対するリンドグレーンの反論な気もします。
    
    「すてきだわ! すてきだわ!」
    「なにがすてきなのさ?」と、トミーがききました。
    「わたしがよ。」と、ピッピは、まんぞくそうにいいました。
    
    ピッピが魅力的なキャラクターなのはまちがいなく、その魅力はこの全肯定感からきているのではないかと思います。スーツケースいっぱいの金貨をもってるからなんでも買えるとか、世界一強い女の子だから泥棒も怖くないとか、そういうことからくる自信というよりは、ピッピはピッピだから素敵!という肯定感。
    
    子供の頃に一度シリーズ全部読んでるはずなんですが細かいところは全然覚えておらず、それでもピッピのお父さんが迎えにくるという展開は子供心にも衝撃でそこだけは覚えていました。
    
    『長くつ下のピッピ』では「お父さんは黒人の王様になっている」というのはピッピの妄想なのか希望なのか、はたまた虚言なのかよくわからないわけです。それが本当に黒人の王様になって迎えに来たとたんピッピの言葉すべてが俄然、真実味が増すんですよね。
    (この黒人に関する描写も今なら差別的と問題にされそう。)
    
    まあ、そんな難しいことを考えずとも楽しめる作品なのは確かです。
    
    長くつ下のピッピって知ってるかい
    素敵でかわいい私のことよ
    チョラホップチョーラララ
    チョラホップサン
    
    テレビドラマのほうもほとんど覚えてないんだけど、この主題歌は今でも大好きで時々口ずさんだりします。
    

  • ピッピのシリーズは小学生のころ、何度も何度も読んだ。当時読んだこのバージョンが読みたかったんだよな。懐かしくておもしろくてちょっと泣ける。しかしピッピの喋り方がマカロニのきんどーさんに似てるとは気がつかなかった(笑)。

  • ピッピのすることは予測不可能で奇想天外で一見めちゃくちゃに見えるところもあるけど、その裏に優しさや正義感がある。また読みたい。

  • 長くつ下のピッピ、優しくて力持ち、馬だって抱えあげちゃう。

  • 「長くつ下のピッピ」に引き続き、小1の娘に就寝前に読み聞かせた。
    娘は、ピッピの買い物っぷりと気風の良さ。手紙のユニークさ。阿婆擦れものを手玉に取る強さ…に娘は目を丸くして驚き、声を上げて笑って聞いていた。
    そして「ピッピロッタ・タベルシナジナ…」とピッピのフルネームを得意げに暗唱している。
    最近、娘は寝言で笑い声を上げたりする。きっと夢の中でピッピ、トミー、アンニカと一緒に冒険を楽しんでいるのだろう。

  •  「長くつしたのピッピ」に続く2巻です。「長くつしたのピッピ」はかわいい挿絵がついたポプラ社で読んだのですが、2巻が出ていなかったので岩波に乗り換えました。読んで気づきましたが、岩波の桜井誠の挿絵、すごくいいですね。外国風で、これが原作のものかと勘違いしました。調べてみたら原作の挿絵はもっと幼い感じのする絵柄で全然違いました。

     以前に1巻を読んだとき実は僕は、ピッピがあまりに無敵なために物語に起伏がなくなっていて、大人にとっては楽しめなくても仕方がないものなのではないかと思ったのでした。2巻に来てもピッピの無敵ぶりはとどまるところを知らず、経済的にも町に出れば金貨を使ってとんでもない大人買いです。子供なら素直に「すげーー」と楽しめるわけですが、僕としては、お金を使っても無人島に行ってもまったくもって動じないピッピは、トミーとアンニカよりもだいぶ大人に見えてしまって、子供と大人が遊んでいるように思えてしまいます。

     ところが中盤から、お父さんが帰ってきて島に一緒に行ってしまうという流れになって、僕にとっては格段に面白くなりました。まずお父さんとピッピの取っ組み合いがものすごくて、まるでドラゴンボールです。実写版ではどんなだったんでしょう。また、プラス要素だけだった物語に、予定された悲しい別れというマイナス要素ができたことによってぐっとしまった感じがしました。そんなわけで1巻よりもずっと好きです。もっとも、文句は書きましたが1巻だって2巻だって名作なのは間違いありません。うちの子供たちもやっぱり喜んで聞いていました。王様が気に入ったみたいですね。

  • ピッピの中では、あんまり好きじゃないかも。

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著者プロフィール

1907年‐2002年。スウェーデンに生まれる。1944年『ブリット‐マリはただいま幸せ』(徳間書店)で、出版社主催の少女小説コンテストの二等賞を得て、デビュー。以後、児童書の編集者として働きながら数多くの作品を発表しつづけた。1958年には国際アンデルセン賞を受賞。「長くつ下のピッピ」「やかまし村の子どもたち」「名探偵カッレくん」のシリーズや、『ミオよ わたしのミオ』(岩波書店)など、世界中で今も愛されている数々の物語を生み出し、「子どもの本の女王」と呼ばれた。

「2018年 『長くつ下のピッピの本 決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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