ピッピ南の島へ (岩波少年文庫 016)

  • 岩波書店 (2000年8月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784001140163

感想・レビュー・書評

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  • 第三弾は、豪華オプション付き!!

    物語はごたごた荘…いや、スウェーデンを飛び出して、南太平洋へ。トミーやアンニカも引き連れ、ピッピの父親が治めるクレクレドット島(もちろん架空の島)へと遊びに行く。ピッピのお父さんは元々船長さんだったが、船が難破して島へと流れ着き、何とそこで、黒人たちの王様になっていたのである…!
    現地の子どもたちと真珠でおはじき遊びをしたり、真珠を奪いに来た窃盗団と対決したりと、今回もなかなかにエキサイティング。そこに人喰いサメ(!)とスリルも加わるので、大人も子どもも本にかじりつくこと必至だ。

    前置きで長くなったが、「豪華オプション」というのは、落合恵子氏のコメントである。
    タイトルは、「アンチ・ヒロインの魅力」。子どもながらに自立している「ヒロインを超えた」彼女に、落合氏も強く惹かれていたのだ。(私もピッピのキーホルダーが欲しい…!)
    確かにピッピに「ヒロイン」という呼び方は、しっくりこない。むしろ、類稀なるカリスマ性を持つ、心優しき武人にすら思えてくる。最初は訝しんでいた、トミー・アンニカ母も、第三弾ではピッピに全幅の信頼を置くようになっていたし。

    落合氏については、昔教科書でエッセイを読んで以来、勝手に「エッセイの神様」と呼ばせていただいている。
    それが今回、大好きなピッピについてあんなにチャーミングに書いてくださって、「これはもう、一生そばに置いておこう!」と誓った。(この調子で、他の著書も読んでいけたら…)

    「はしかのばいきんの十億や二十億、半日もあれば爪のあいだでつぶしてみせるわ」(P 81)

    ふと、気づいてしまった。
    前回の『ピッピ、船に乗る』で、「ピッピの虚言癖が少し苦手だ」と書いた。ピッピはすぐ思いつきでデタラメな発言をするため、たいていの大人は面食らっている。(初期からその洗礼を受けているトミーとアンニカは、とっくに慣れっこだけど)

    デタラメ発言のせいで、話が進みそうで進まない…。私もそうして面食らったうちの一人だが、本書の途中で、彼女のデタラメ発言がないと物足りなく感じることに気づいたのだ。そして、それを今でも恋しく思っている…。
    とんとん拍子で話が進むピッピのお話は、何だか火が消えたように物寂しい。ピッピであるからこそ、自然にデタラメ発言を繰り出すのだ。それが彼女の魅力でもあるのだ。

    「心があったかくて、とんとんと脈をうってれば、こごえるなんてことはないわ」(P 179)

    だから、あの静かにろうそくを見つめる彼女を目の当たりにした時は、「あぁ…これで本当に『おしまい』なのか…」と、感極まってしまった。彼女は一人の時も「ごたごた荘」の中で、おしゃべりをしているだろうから、その思わぬ静けさに戸惑いも感じた。
    トミーとアンニカと3人で、「大人になりたくない」と誓った夜の出来事…。何を思い巡らしていたのか、想像は膨らむばかりだ。
    デタラメでも良いから、気持ちを聞かせて、ピッピ。

  •  ピッピに関しては良いと思う気持ちと納得いかないと思う気持ちがいつも両方強くて、この巻でもそんな感じです。たぶんそれはこの本が本当の意味で子供目線で子供のために描かれているからなんだと思います。それはすごいことだと思います。他の名作と呼ばれる本で「子供の純真な心を描いた」かのようなイメージがある本でも、実際に描かれているのは「子供の純真な心」(のイメージ)への大人の持つ憧れであって、子供のものの見方を本当に再現しているかどうかは怪しかったり、実際に子供が読んで面白いと感じるかというと必ずしもそうではないのではない、というものがあるように僕は思います。「子供の純真さ」と「子供の純真さへの憧れ」は違うということです。その意味で、ピッピ・シリーズでは本当に子供が楽しいと思うものを書いていて、大人が楽しめるかどうかは問題じゃないんだろうなという気がします。はっきりダイレクトに言えば僕はピッピが無敵で、トミーとアンニカの守護者としてなんでもしてくれるところが面白くないし、トミーとアンニカに見るべき個性がほとんど見当たらないのがつまらないのです。僕にとってこの3巻で楽しめたところは、スプンクの話と双子の話のところで、ここは2巻まで以上にナンセンスさに磨きがかかっていました。一番最後の丸薬の話と、トミーとアンニカの家から見たピッピの描写は大人的にも少し感傷を持ちましたね。うちのもうすぐ4年生はスプンクと双子のところのナンセンスを面白がっていました。それがナンセンスとわかる年にもうなっていたということです。もうすぐ幼稚園年長の子はやはりサメの話とか悪漢を撃退する下りとかピッピの無敵ぶりが一番楽しいところです。そういうわけで本当に子供の心を持っているかどうかが試される本だと思います。ピッピが文句なしに面白いと思える大人がいたら本当に「子供のような心」を持っている人ということで僕は心から皮肉なしに尊敬します。

  • 南の島から戻り、自宅へと戻るピッピの姿が印象的だった。
    虚構と願いがない混ぜになったラストシーンがどこか切なく心に響いた。

  • 『長くつ下のピッピ』シリーズ3巻め。南の島だから夏に読もうと思っていたのに、もう夏も終わります。

    『ピッピ』シリーズは子供の頃にも読んでるのだけど、大人になってから読むとピッピになんとなく違和感を感じます。
    強くて元気でポジティブなところはもちろん好きなんだけど、ピッピのほら話(悪意があるわけじゃないから「うそ」というより「ほら」だよね)が素直におもしろいと思えなかったり、大人の話や常識をどんどんさえぎってしまうマイウェイさに疑問を感じてしまったり。これがつまらない大人になったということなんでしょうか。

    南の島で過ごすピッピは腰まわりだけ隠してあとは裸。これを躊躇なく描いている桜井誠さんのイラストもさすが。

    クレクレドット島の描写も今読むと南の島の黒人たちの描き方はこれでいいのだろうかという気もします(白人であるピッピのお父さんが南の島の黒人たちを治めるという時点でまあどうなのかという)。ここらへんは時代もあるので、差別意識と単純に断じるべきものでもないのですが。

    そういうつまらない見方はともかく、大人になることを否定しつつ大人になっていくであろうピッピ、そしてトミーとアンニカ。ピッピが寂しそうに見えるラストが心に残ります。

    以下、引用。

    「あんたがこのおいしいおかゆをたべなきゃいけないのは、あたりまえよ。だって、もしこのおいしいおかゆをたべなけりゃ、あんたはじょうぶに、大きくなれないわ。それで、もし、じょうぶに大きくなれなけりゃ、あんたに子どもができたとき、その子たちに、おいしいおかゆをたべろっていえないわけだわ。だめよ、アンニカ、それじゃだめよ。もしみんなが、あんたみたいなかんがえかたをしたひには、この国のおかゆのたべかたは、めちゃくちゃになっちまうよりないわ。」

    「わたしも、大きくなったら、海賊になりたいような気がしてきたわ。」

    どういうわけだかわかりませんが、この子たちは、白い肌のほうが黒い肌よりずっときれいなような気がしていました。

    「わたし、たいそ、きれいな、白い、おひめさまあることないよ。」と、ピッピは、あやしげなクレクレドット語をしゃべりました。

    「白い子たち、竹さんの靴がだいすき。」ピッピはいいました。

    「この旅行は、わたしの美容上、ほんとに役にたつわ。」ピッピは、まんぞくげにいっていました。「わたしは、いつもよりずっとそばかすがふえて、ずっとうつくしくなったわ。このままでいったら、それこそわたし、圧倒的に人をひきつけるようになっちゃうわね。」

    「なによ、そんなの。」ピッピはいいました。「心があったかくて、とんとんと脈をうってれば、こごえるなんてことはないわ。」

  • ピッピのシリーズ三作目で、前作に続いてピッピの愉快さや無敵さ・優しさが期待通りに展開されて安心感に包まれる感じです。おもしろくてふきだしてしまうところも多数。

  • 三冊目にして、ようやくこの世界観に慣れてきた。私もピッピと友達になりたいと小学生のような感想を持った。面白いシリーズだったと思う。私が子供のころに読んだら、もっと感情移入して読んでいただろう。
    物語の最後がいい。ろうそくを消して終わるなんて、まるで母親が子供の寝顔を見て灯りを消すかのよう。
    ピッピのお父さんは現代で言えば、あまり誉められたことをしていない気がするが、そういう時代だったのだろうか。

  • 破天荒な数々の冒険のあとの静かなエンディング。  ろうそくの炎に照らされる余韻が素敵です♪

  •  ピッピ3部作 どれもこれも素晴らしい!

     ピッピに魅了されっぱなし。リンドグレーン、もっともっと読みたいと思わせられました。

     ピッピの大らかさは、気持ちよく予想を超えてくれる。かなしいとか、さみしいとか、きっと感じているだろうに、程よくスルーして(クレクレドット島からごたごた荘に帰るときに、さみしくて泣いちゃったりするところもあったりする) わたしは1人でも大丈夫、って本気で思えているところ、ここが本当に魅力的。 行く先々での珍事件、思った以上の仕打ちを与えたりするんだけど、芯の優しさや素直さや、たくましさが、オールオッケーって気持ちにさせてくれる。 もう私はピッピファンです。

  • ピッピおてんばでお姫様なのに周りと比較したりしなくてめちゃいい子、発想が天才!笑
    ルーセンブルムさん勉強できない子を恥晒しにして残酷なのに対してピッピみんなに優しい笑
    ピッピナガクツシタとかクレクレドット島とかよく思いつくな笑
    トミーとアンニカの仲の良さとか成長してくる感じが良かった!

  • ピッピが、お父さんから島でいっしょに住むのにむかえにいくよというを手紙をもらった。トミーとアンニカはさいしょないちゃったけど、いっしょに行ってよくなった。ピッピだけじゃなくて、2人もいっしょに行けてよかった。2人はピッピがいないとさびしいから。2人はたぶん、お父さん・お母さんよりもピッピといる方がよさそう。でも、ぼくはお父さん・お母さんといっしょにいたいし、トミーとアンニカのお父さん・お母さんはさびしいと思う。
    ピッピがサメを放り投げるのがすごい。ピッピは、たまに強すぎてこわいけど、ゆかいだから、友だちになりたい。(小3)

  • ピッピの中で、一番好きです!

  • ピッピのシリーズ中、一番好きな本。「たけさんのくつ」なんかしなくたって、ちゃんとやっていけるんです!!

  • どんな話だったか、さっぱりなので、是非もう一度読んでみたい。最後どう終わったけなぁ…。う〜ん、悔しい。

  • この話は何度も何度も読みました。

  • 三冊のピッピシリーズの中でも、一番のお気に入りとなりました。
    大人目線で読むと、考えさせられる内容もあり。
    (人種差別とか・・ものの価値とかね・・)
    でも、子ども目線で、全力で楽しみたい。
    小一の息子もお気に入り。

  • 切ねえ

  • 自由な生活を楽しんでいる世界一強い女の子ピッピが,こんどは友だちのトミーやアンニカ,馬やサルもいっしょに連れて,お父さんと南太平洋の島に出かけます.ゆかいなピッピの第3話

  • どんな話だったか、さっぱりなので、是非もう一度読んでみたい。最後どう終わったけなぁ…。う〜ん、悔しい。

  • ピッピがお父さんに会うお話。今思うとなんて突拍子もない設定かとおもうけど、やっぱりわくわくするお話なので、いいのです。

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著者プロフィール

1907年‐2002年。スウェーデンに生まれる。1944年『ブリット‐マリはただいま幸せ』(徳間書店)で、出版社主催の少女小説コンテストの二等賞を得て、デビュー。以後、児童書の編集者として働きながら数多くの作品を発表しつづけた。1958年には国際アンデルセン賞を受賞。「長くつ下のピッピ」「やかまし村の子どもたち」「名探偵カッレくん」のシリーズや、『ミオよ わたしのミオ』(岩波書店)など、世界中で今も愛されている数々の物語を生み出し、「子どもの本の女王」と呼ばれた。

「2018年 『長くつ下のピッピの本 決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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