- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001140163
感想・レビュー・書評
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ピッピに関しては良いと思う気持ちと納得いかないと思う気持ちがいつも両方強くて、この巻でもそんな感じです。たぶんそれはこの本が本当の意味で子供目線で子供のために描かれているからなんだと思います。それはすごいことだと思います。他の名作と呼ばれる本で「子供の純真な心を描いた」かのようなイメージがある本でも、実際に描かれているのは「子供の純真な心」(のイメージ)への大人の持つ憧れであって、子供のものの見方を本当に再現しているかどうかは怪しかったり、実際に子供が読んで面白いと感じるかというと必ずしもそうではないのではない、というものがあるように僕は思います。「子供の純真さ」と「子供の純真さへの憧れ」は違うということです。その意味で、ピッピ・シリーズでは本当に子供が楽しいと思うものを書いていて、大人が楽しめるかどうかは問題じゃないんだろうなという気がします。はっきりダイレクトに言えば僕はピッピが無敵で、トミーとアンニカの守護者としてなんでもしてくれるところが面白くないし、トミーとアンニカに見るべき個性がほとんど見当たらないのがつまらないのです。僕にとってこの3巻で楽しめたところは、スプンクの話と双子の話のところで、ここは2巻まで以上にナンセンスさに磨きがかかっていました。一番最後の丸薬の話と、トミーとアンニカの家から見たピッピの描写は大人的にも少し感傷を持ちましたね。うちのもうすぐ4年生はスプンクと双子のところのナンセンスを面白がっていました。それがナンセンスとわかる年にもうなっていたということです。もうすぐ幼稚園年長の子はやはりサメの話とか悪漢を撃退する下りとかピッピの無敵ぶりが一番楽しいところです。そういうわけで本当に子供の心を持っているかどうかが試される本だと思います。ピッピが文句なしに面白いと思える大人がいたら本当に「子供のような心」を持っている人ということで僕は心から皮肉なしに尊敬します。
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ピッピおてんばでお姫様なのに周りと比較したりしなくてめちゃいい子、発想が天才!笑
ルーセンブルムさん勉強できない子を恥晒しにして残酷なのに対してピッピみんなに優しい笑
ピッピナガクツシタとかクレクレドット島とかよく思いつくな笑
トミーとアンニカの仲の良さとか成長してくる感じが良かった! -
ピッピが、お父さんから島でいっしょに住むのにむかえにいくよというを手紙をもらった。トミーとアンニカはさいしょないちゃったけど、いっしょに行ってよくなった。ピッピだけじゃなくて、2人もいっしょに行けてよかった。2人はピッピがいないとさびしいから。2人はたぶん、お父さん・お母さんよりもピッピといる方がよさそう。でも、ぼくはお父さん・お母さんといっしょにいたいし、トミーとアンニカのお父さん・お母さんはさびしいと思う。
ピッピがサメを放り投げるのがすごい。ピッピは、たまに強すぎてこわいけど、ゆかいだから、友だちになりたい。(小3) -
『長くつ下のピッピ』シリーズ3巻め。南の島だから夏に読もうと思っていたのに、もう夏も終わります。
『ピッピ』シリーズは子供の頃にも読んでるのだけど、大人になってから読むとピッピになんとなく違和感を感じます。
強くて元気でポジティブなところはもちろん好きなんだけど、ピッピのほら話(悪意があるわけじゃないから「うそ」というより「ほら」だよね)が素直におもしろいと思えなかったり、大人の話や常識をどんどんさえぎってしまうマイウェイさに疑問を感じてしまったり。これがつまらない大人になったということなんでしょうか。
南の島で過ごすピッピは腰まわりだけ隠してあとは裸。これを躊躇なく描いている桜井誠さんのイラストもさすが。
クレクレドット島の描写も今読むと南の島の黒人たちの描き方はこれでいいのだろうかという気もします(白人であるピッピのお父さんが南の島の黒人たちを治めるという時点でまあどうなのかという)。ここらへんは時代もあるので、差別意識と単純に断じるべきものでもないのですが。
そういうつまらない見方はともかく、大人になることを否定しつつ大人になっていくであろうピッピ、そしてトミーとアンニカ。ピッピが寂しそうに見えるラストが心に残ります。
以下、引用。
「あんたがこのおいしいおかゆをたべなきゃいけないのは、あたりまえよ。だって、もしこのおいしいおかゆをたべなけりゃ、あんたはじょうぶに、大きくなれないわ。それで、もし、じょうぶに大きくなれなけりゃ、あんたに子どもができたとき、その子たちに、おいしいおかゆをたべろっていえないわけだわ。だめよ、アンニカ、それじゃだめよ。もしみんなが、あんたみたいなかんがえかたをしたひには、この国のおかゆのたべかたは、めちゃくちゃになっちまうよりないわ。」
「わたしも、大きくなったら、海賊になりたいような気がしてきたわ。」
どういうわけだかわかりませんが、この子たちは、白い肌のほうが黒い肌よりずっときれいなような気がしていました。
「わたし、たいそ、きれいな、白い、おひめさまあることないよ。」と、ピッピは、あやしげなクレクレドット語をしゃべりました。
「白い子たち、竹さんの靴がだいすき。」ピッピはいいました。
「この旅行は、わたしの美容上、ほんとに役にたつわ。」ピッピは、まんぞくげにいっていました。「わたしは、いつもよりずっとそばかすがふえて、ずっとうつくしくなったわ。このままでいったら、それこそわたし、圧倒的に人をひきつけるようになっちゃうわね。」
「なによ、そんなの。」ピッピはいいました。「心があったかくて、とんとんと脈をうってれば、こごえるなんてことはないわ。」
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ピッピのシリーズ三作目で、前作に続いてピッピの愉快さや無敵さ・優しさが期待通りに展開されて安心感に包まれる感じです。おもしろくてふきだしてしまうところも多数。
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ピッピの中で、一番好きです!
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三冊目にして、ようやくこの世界観に慣れてきた。私もピッピと友達になりたいと小学生のような感想を持った。面白いシリーズだったと思う。私が子供のころに読んだら、もっと感情移入して読んでいただろう。
物語の最後がいい。ろうそくを消して終わるなんて、まるで母親が子供の寝顔を見て灯りを消すかのよう。
ピッピのお父さんは現代で言えば、あまり誉められたことをしていない気がするが、そういう時代だったのだろうか。 -
ピッピのシリーズ中、一番好きな本。「たけさんのくつ」なんかしなくたって、ちゃんとやっていけるんです!!
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どんな話だったか、さっぱりなので、是非もう一度読んでみたい。最後どう終わったけなぁ…。う〜ん、悔しい。
著者プロフィール
アストリッド・リンドグレーンの作品





